雑所得

 確定申告期には、いつもより多くの条文を開くようになる。雑所得の取り扱いで確認する事項があり、所得税コンメンタールを開いた。いろいろ読み進めていくうちに、次のような解説が出てきた。

 雑所得が赤字の場合、他の所得と損益通算ができないこととなったきっかけが書かれているが、昭和43年から政治献金による収入は申告の必要があるとされていたことを初めて知った。

 無料納税相談会場でも、納税者からの苦情が多いらしい。事務所のクライアントは、今回の事件に関連して申告拒否ということはないけれどね。

 確定申告期限まであと15日。毎晩みんな頑張っていてくれる。有難う。

茨城からの春の便り

 確定申告期もあと約2週間となった。職員はみんな遅くまで仕事を続けていてくれる。それにしてもこの時季の雪はつらい。ただでさえ残業が続いているのにも関わらず、早くから出勤してきて雪かきをしてくれる。業者に除雪をお願いしているが、ある程度の積雪がないとやってもらえない。今朝の雪は重かった、と思う。私が事務所に到着したときは、もう終了していた。みんな有難う。

 このような忙しい日々を過ごしていて、雪が毎日降っていると何か大切なものを落としてしまったような気もする。

 そんな時に茨城の龍ヶ崎支部のS先生から「ひなあられ」とい「干し芋」が送られてきた。「ひなあられ」を手にして、もうすぐひな祭りということを思い出す。S先生のところのしだれ梅はもう花が散ったそう。以前にいただいた写真で、青空のもとに濃いピンクのしだれ梅の姿を思い出す。

 S先生とは長いお付き合いだ。本会で一緒に役員をやって以来仲良くさせてもらっているが、S先生は常に私の先を行っている先生で心から尊敬している。

 そして毎年、この時季にS先生から送られてきた「ひなあられ」で私は自分の中の季節を取り戻している。茨城名産の「干し芋」もとてもおいしい。長野では、このような干し芋は手に入らないわ。

 早速みんなで至福のお茶の時間。ちょっと一息をついて、みんなまた頑張り続けていてくれる。

 S先生から今年も春の便りをいただき、いろんなことに思いをはせながら3月15日を目指して頑張っていけるわ。

長野市やまざとビジネス支援補助金審査会

 令和6年度長野市やまざとビジネス支援補助金審査会が非公開で開催された。今回の1次審査を通過した応募事業者は3件。2次審査ではプレゼンテーションを行ってもらう。

審査項目と審査基準として

1 中山間地の活性化につながる効果があるか

2 事業の実現・発展・継続性があるか

が中心となる。

 長野市のこの事業も、鷲沢市長時代にスタートしている。当時から中山間地の活性化を目指し、計画され、息の長い事業である。当初から審査員として加わっているが、最近は各応募者の事業内容も充実し素晴らしいプレゼンが繰り広げられる。

 今回の応募事業者の事業計画を聞いて感じたのは、中山間地で抱える課題解決を意識した取り組みになっていることだ。ただ残念なことに、雇用創出については少々乏しいかもしれない。事業が順調に進んでいくと、将来的に雇用が多くなることはあるだろう。また、自分が事業を行う地域への移住者も増える仕組みまで考えている応募事業者もいた。

応募事業者は下記の通り。

・ 「浅川産ワイン・シードル製造販売のために土蔵を活用した醸造所建設」事業

・ 「長野市中山間地域の世界基準の”NAGANOWINE”ブランド化」事業

・ 「日本発!長野の食を彩る”おやき”や”蕎麦”とのペアリングドリンクのシロップ製造」事業

3者とも篤い思いが伝わってきた。

令和6年分所得税の定額減税

 令和6年分の所得税の定額減税について、その方法が国税庁から公表された。リーフレットになってHPに掲載されているが、給与計算担当者は大変だと思う。個人事業者は、令和6年分の確定申告の際に減税を行うようになるので、ならば給与所得者も年末調整で一気に行ったほうが、事務負担はかなり違うだろう。

 6月からの源泉徴収事務で行う場合には、扶養控除等申告書とは別に「源泉徴収にかかる定額減税のための申告書」を提出してもらう必要がある。また減税額の管理のために、給与支払者は「各人別控除実績」を使用する。

 2024年2月10日の日経新聞にIMF対日経済審査に内容が載っていた。大きな見出しは「所得税減税の効果疑問視」である。岸田首相が打ち出した所得税減税は債務状況を悪化させると指摘。財政政策に関し、歳出抑制など引き締め策に軸足を移すべきとしている。

 1人4万円(住民税含む)の減税は嬉しいかもしれないが、やっぱり経済的にどのような効果が表れるのか疑問だ。そこへもってきてその減税のための手間や時間が企業側の負担となる。この企業が湾の負担も、給与計算ソフトが減税のためにうまく連動したシステムにバージョンアップすれば、少しは違ってくるかもね。

信州日経懇話会・第6回例会

 信州日経懇話会の例会があった。今回は、日経新聞社・編集委員の安藤淳氏が講師で「進む温暖化、気候リスクを回避するには」の演題での講演。2023年の記録的高温とその原因を導入に、パリ協定やCOP28合意の内容、日本の目標と取組等についての内容であった。

 2023年の平均気温が過去最高になったことについて、CO2の排出が原因になっているということ。しかし気候変動(異常気象)がCO2に関連しているかどうかは研究中とのことであった。

 講演の中で説明があったが、プラネタリーバウンダリーというものがあることを知った。地球の環境に変化が加わってももとの状態に戻り、地球環境が安定した状態を保てる「地球の限界」の範囲を示したものだそうで、9項目に分かれている。そして現在9項目中6項目で引き返せない状態になっているそうだ。

①気候変動、②新規化学物質、③成層圏オゾン層の破壊、④大気エアロゾルによる負荷、⑤海洋の酸性化、⑥生物地球科学的循環、⑦淡水利用、⑧土地利用変化、⑨生物圏の一体性 であり、限界を超えているのは①、⑤、⑥、⑦、⑧、⑨だ。(下図参照)

出典 mage via Stockholm Resilience Center, Stockholm University

 日本の目標と取組も興味深かったが、二酸化炭素回収・貯蓄(CCS)の実証実験をやっているところもあり、機会があれば足を運んでみたいと思った。

 最後に温暖化対策で視界が日本を見る目ついての話。

企業に対しては

①優れた生産技術と人材がある

②資金力がある

③高品質な製品を提供

④信頼できる国際パートナー

など高評価で、あまりリスクを取らないがかけている。

政府に対しては

①有力な資金源 は評価できるが

②政府の方向性が間違っている

③政策がぶれる

④透明性に欠ける

⑤スピード不足

⑥科学を重視しない 

 という評価。世界が日本をどう見ているかを再確認しながら軌道修正が必要だ。非常に高度な内容の講演を久しぶりに聞いて刺激をもらい、考えることが多かった。

信州Greenでんき「加入証明書」

 SDGsに取り組んでいる事務所として、今年は年賀状を廃止した。そして「信州Greenでんき」の契約をした。

 小規模事業者は契約ができないのかと思っていたら、そうではないことが分かった。すでにクライアントでも「信州Greenでんき」を購入している企業もある。今まであちらこちらで環境についての話もさせてもらっていたが、事務所も一歩進んだ。

 この 「信州Greenでんき」 は信州の水で作られた電気を利用することになる。

 以前に長野県企業局の有識者会議のメンバーだったため、なおのこと身近にも感じるし、気持ちがさっぱりした感じ。その当時、発電所や川中島水素ステーションの見学もさせてもらった。事務所が支払う電気料金の一部は、長野県の再生可能エネルギーの拡大や維持活動に活用される。だから今までの電気料よりも高い。

 お金を出してでも、できる環境課題に取り組んでいくことは必要だ。

 中部電力ミライズから「加入証明書」が送付されてきた。自分たちが負担する電気料の一部が、県内で再活用されていくことは嬉しい。地産地消はここにもあるのだ。

自己評価表

 新年になり仕事がスタートしたところで、職員全員に「勤務状況チェックシート」を記入してもらっている。

 44項目のチェック事項があり、各自昨年を振り返って、A,B,C,Dのどこに当てはまるかチェックを入れてもらう。4段階評価が大切で、5段階評価だとほとんどが考えずに「中」にチェックを入れてしまうから。

 最後に昨年の反省と、今年1年どんな思いで仕事をしていきたいか、人生を送って行きたいかを「総合自己評価」欄に記載してもらう。

 勤務状況チェックシートは、各自がチェックした評価と私からの評価にズレがあるところもある。全般的に、みんな厳しく自己チェックをしているようだ。また、A段階になるように意識するためにも、ワンランク落として評価した部分もあるらしい。

 大丈夫!私はちゃんと見ているから、分かっているから・・・ね。

 「総合自己評価」については、経営者として感激することが書かれている。

 自分の何が足りないか、そのためにどのように改善したらいいか、そして普段から私が発信している気持ちを十分理解したうえで自分としてはこうしていきたい、と明確にしている。

 それぞれキラリとしたものがそこには書かれていた。

 私の宝が毎年増えていく。

長野県経営者協会・賀詞交歓会

 2024年1月11日、長野県経営者協会賀詞交歓会が開催された。

 新春講演会に瀬古利彦氏が『心で走る~マラソンリーダーからの提言』という演題でお話をいただいた。瀬古氏のアスリートとしての人生と、その後の現在担っている役割も含めての内容であった。

 マラソンにおいては、私個人も思いれがあり、瀬古氏のオリンピック経験の話は感動した。

 1980年のモスクワオリンピック出場が決まり、優勝候補とされていたにもかかわらず、オリンピックボイコットで出場ならず。

 1894年のロサンジェルスオリンピック出場では、開催2週間前に練習のし過ぎで血尿が出て、結果成績が振るわず。

 1988年のソウルオリンピックでは9位になった。この件に関して瀬古氏は「つくづくオリンピックは魔物だと感じた。」といっていた。オリンピック以外の大会では15戦10勝という成績を収めていた瀬古氏である。

 ただソウルオリンピックで9位になって帰宅したときに、妻と息子が「お帰り、お父さんはよく頑張った」って出迎えてくれ、折り紙と段ボールで作ってくれたメダルの授与式をしてくれたと、壇上でそのメダルを見せてくれた。

 これら瀬古氏のオリンピックに対する思いと経験に、私は涙がこぼれた。でもでも、瀬古氏から元気をもらった。瀬古氏は「走るだけで勇気、元気、やる気、感動を与える」ともいっていたから。

公演中の瀬古氏

 講演会の後の賀詞交歓会には300人の人が参加した。碓井会長、阿部知事のごあいさつで賀詞交歓会がスタート。賑やかに、明るく、元気に多くの方とご挨拶ができてよかった。

一足先に

 一足先に、私は今日の午後で仕事じまい。久しぶりの長期休暇を取得した。事務所は28日が最終日である。長期休暇を取る前にやっておかなくてはならないことが、年末賞与の支給である。12月とはいえ今年は時間的に余裕があったので、一人一人と面接して、賞与明細を手渡すことができた。

 みんなとても喜んでくれた。今年は相続の仕事が多かったので、苦労したが事務所の業績も上がった。その分はみんなに還元したのだが、「え~こんなに!」と、そして「有難うございます」と感謝の言葉をもらった。経営者としても張り合いである。

 一人一人の職員に恵まれていると思う。みんな事務所のためにクライアントのためにと仕事に励んでいてくれる。いつも明るく、魏地を言わず、お互いに支えあい認め合いながら1年間働いてくれた。そして私の思いもよく理解してくれて行動してくれた。

 素晴らしい職員に恵まれているからこそ、そして期待できる所属税理士がいてくれるからこそ、来年は新しい形で事務所を運営していくことが実現できるだろう。

 激動の1年でもあったが、感謝の1年でもあった。