りんごの木

 バウムテストという心理テストで、樹木の絵を描いてもらいその絵の説明を聞くと「りんごの木」ということが多いそうだ。都会人も離島人も、りんごの木を見たことがない人も、描いた木をりんごの木と説明してくれる人が多い。それはりんごの木と程遠いものもあるが、「木になる果実はりんごしか思い浮かばない」という人もいるのだ。好きな果物はりんごではないが、実のなる木として思い浮かぶのは、りんごの木しかないという人もある。

 久々に感動したエッセイで、次のようなことが書かれていた。

 『多様性を尊重することが大切といわれる。今まで私たちは、赤いリンゴの身をつけなければならないと思いすぎていたかもしれない。周りの人たちにもそう強要して、実のなる木というとりんごの木しか思い浮かばないようにしてしまったのかもしれない。大切なのは、実の種類や色、実の有無でなく「その人らしい」木に育つこと。そして何より他人の「らしさ」を尊重できること。』

 事務所の職員に聞いてみた。「りんごの木」「ミカンの木」「ヤシの木」「柿の木」といろいろ出てきた。「りんごの木」と答えた人は50%。さすがりんごの産地だわ。

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ザ・ラストマン

 長野県経営者協会の碓井会長から紹介された1冊の本。元日立グループ会長の川村隆氏の著書「ザ・ラストマン」を手にした。

 川村氏の信念と経験から書かれたこの本には、読みこむほど引き込まれていく。あっという間に読めてしまうが、2度3度と読み返したくなる内容で、実際に今2度目である。1回目に読んだ時には心打たれた箇所に線を引いた。2回目に読んでみると、更に気が付かなかった気になる箇所がある。大事なのは、自分の中でどのように消化するかということか・・・。

 ラストマンになれる人となれない人の違いはどこにあるか?今目の前で起きていることに対してどう行動するかにあるという。逃げないで恐れずに立ち向かう。逃げる癖がつくと、簡単には消えないし、一生逃げる人生を送るかもしれない。

 コップに半分入った水を見て、「もう半分しかない」と考えるか「まだ半分もある」と考えるかの話はよく聞くし、自分でも「まだ半分もある」とポジティブな考え方をしてきた。しかしラストマンは「このコップに水を満たすにはどうしたらよいか」を考える、ということに私は教えられた。

 久しぶりに本を通しての人生のいい出会いがあったと思う。

長野優法会講演会

 長野優法会の講演会があった。優良法人会に加入している法人が対象で、その法人を関与している税理士も参加できる。

 今回は、第1部に後藤長野税務署長が「不正経理の根絶を目指して」という演題でい話しくださった。

後藤長野税務署長の講演

 不正経理の類型として3つあり、経営者型、従業員型、複合型と区分する。経営者型の例として「ユーフォーテーブル事件」。鬼滅の刃等のアニメ制作会社の脱税で起訴されている。従業員型の例として「ネットワークシステムズ事件」。複合型として「ユー・エム・シー・エレクトロニクス事件」。粉飾決算で元株主が監査法人までも提訴している。

 不正経緯を防止するには、また、不正経理が疑われたらという観点からの話は大変参考になった。後藤税務署長は、私が税理士会長野支部長の時に長野税務署総務課長であった。約10年という時間が過ぎているが、当時と全く変わらず、気さくな話に聞きほれてしまった。

 第2部は八十二銀行副頭取の浅井隆彦氏が「新型コロナ下の経済情勢とこれからの企業経営を考える」という演題でお話しいただいた。

八十二銀行福頭取浅井隆彦氏の講演

 その中で「変わる環境とこれからの経営を考える」ということで、2030年までの経済に対して影響を及ぼすと考えられる主要な変化項目を大きく4つほど挙げていた。

 その一つに脱炭素、カーボンニュートラルのことがあり、PRI(国連環境計画と金融イニシアティブ、及び国連グローバル・コンパクトとのパートナーシップが打ち出した投資に対する原則)、CDP(投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しているNGOが環境格付けをしている)、SBT(パリ協定が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標)については大変勉強になった。

 特にSBTに関しては、多くの企業が危機感を持って取り組む必要があると再認識した。SBTの取り組みは、スコープ1~3のカテゴリーに分かれている。

 SCOPE1は企業が直接排出するGHGの抑制

 SCOPE2は企業の他者から供給された再エネ電⼒の調達等

 SCOPE3は自分の取引先ルートでGHGの削減をやっていること

 ますます再生可能エネルギーが重要になってきた。危機感を持ちながら、取り組めることを広げていきたいと思った。

裾花発電所と制御センター

 長野県企業局が運営管理する裾花発電所と制御センターの見学をさせてもらった。長野県は2050年ゼロカーボンに向けて、いろいろな施策を行っている。その中の一つとして、再生可能エネルギーでの発電、つまり水力発電も行っている。長野市内から一番近い裾花発電所に初めて足を運んだ。企業局の案内で、いろんな説明をしてもらったのがとても嬉しかった。

 裾花発電所は地下発電所となっており、山をくり抜き、トンネル280mを通った裾花ダム直下の地下にできている。ちょうどメンテナンスの時期で、発電機が分解されており、その仕組みがよく分かった。

 ダム湖から地中の水管を通して90mの落差で水が落ち、入口弁を通ってランナー(水車の羽)が回る仕組み。ランナーを囲むケーシングまで入り込むことができ、仕組みが詳細に分かった。ちなみにケーシングは、カタツムリのようにだんだん狭くなってくる形になっている。発電に使われた水は、吸出管を通って先の湯の瀬ダムへ流れる。その放水路も見ることができた。ケーシングや放水路も発電機が稼働していたら絶対に見ることができない部分だ。

 昭和44年から稼働している裾花発電所は、これからも住民の使用する電気の一部となって、その役割を担っていく。それも再生可能エネルギーである水力発電による。

この280mのトンネルを通って発電所に着く。壁左上のケーブルには発電された電気が流れ変電所へ。そこで昇圧し中部電力に売電している。

取り外された発電機ローター(回転子)

発電機ステータ(固定子)でこの下で回転子が回る。

発電所に設置されている発電機制御装置

右は水圧鉄管で90m上から水が落ちてくる。今は取り外された入口弁を通って左のケーシングに水が行く仕組み。

水圧鉄管の中。90m上から続いている。

ケーシングの中。

発電に使われた水の放出路。

裾花ダム湖

裾花ダムはアーチ形だ。管理棟の下斜面の中に90m落差の水圧鉄管が入っている。

裾花発電所と裾花ダムを見学して、かなりテンションアップした。そして自分たちの生活がこうして守られていることの実感も。水力発電の力もすごい。

次に川中島制御センター内の視察。24時間体制で長野県内の件所有に発電所を監視しているとのこと。

発電量を示す計器。

川中島制御センターには水素ステーションもある。

まず川中島の水で水素を発生させる水水素発生器。

発生させた水素を圧縮する。

圧縮した水素を蓄圧する。

蓄圧した水素を車に充填する装置。

水素車は満タンで500㎞走行するそうだ。長野県では2台所有している。ゼロカーボンを目指し、普及していくといい。

県経営者協会女性部会と連合長野男女平等参画推進委員会の意見交換会

 今回で2回目の意見交換会が10月19日に開催された。女性の立場からの労使の問題についての意見交換会である。経営者側にとってみると、「企業目線だけでなく、労働者目線でどうやれば女性が働きやすくなるかを考えることができることが、この意見交換会の存在意義」と感じている。

 この意見交換会には、県産業労働部労働雇用課、県民文化部人権・男女共同参画課からの職員も参加してもらった。官民協力して、また労使懇談を重ねることによって、働きやすい職場、女性活躍推進につながっていくものと、私は確信している。

 経営者側のアンコンシャスバイアスの取り組みも大切だろう。これは次年度に計画したいと思っている。

女性リーダーの心得とチームづくり

 事務所の管理職の女性職員が出席したセミナー。『女性リーダーの心得とチームづくり』

 出席後に、受講者からレポートが提出された。その中身は、セミナーに出席して講師からもらった自分への気づきが書かれていた。

 「リーダーは生まれつきのものではない。努力によって、だれでもリーダーとして振舞い、組織に良い結果をもたらすことができる。」・・・という書き出しから、提出されたレポートは始まっていた。レポートに書かれていた内容は、いつも私が職員に望んでいた姿であった。

 モチベーションへの働きかけ方も学んでいる。そして経営者の立場での、私にとっての発想の転換もこのレポートには書かれていた。

 具体的には、カルビーの女性の活躍する新常識のこと。ある女性が執行役員の内示を受けたときに、当初は育児時短勤務のために無理と断ったらしい。しかし「勤務時間は関係ない、成果の出せる人を登用する」という一言もあって、執行役員に就任している。このことがきっかけとなり、女性の意識が変わり、子供のいる女性もどんどん活躍しているとのことだ。性別関係なく優秀な人を採用する。2014年には、時短勤務の初の女性工場長も誕生している。

 経営者側としても学びが多い。

 まもなく長野県経営者協会に属する女性経営者と連合長野の女性部との懇談会が開催される。働き方改革と女性活躍推進についていい意見交換がなされるといい・・・と思っている。

ユーチューブのオペラ鑑賞

 コロナ禍の前は、毎年2回は海外に行っていた。1年前から事務所の職員に休暇の予告をして、仕事の段取りをつけてマニアックな海外旅行をしていた。個人旅行だから、全て自分で計画を立て、航空チケットからホテル手配まで楽しんでやっていた。そして滞在する国では、オペラハウスでオペラ鑑賞を楽しんだ。

 今はそれができない。そこで知ったのがユーチューブでのオペラ鑑賞。カルメンが大好きで、いろんなオペラのカルメンをユーチューブで楽しんだ。今は魔笛。15年ぐらい前に、ニューヨークへ行ったときに鑑賞したメトロポリタン劇場での魔笛は衝撃的だった。その時のものがないかと捜したが残念でした。しかし1991年版のメトロポリタン劇場の魔笛が見つかった。今はそれを楽しんでいる。

 来年の6月には海外へ行けるだろうか・・・。

関信越税理士協同組合マルチメディア研修

 毎年楽しみにしている関東信越税理士協同組合主催のWebセミナーが始まった。資産税部門の講師は昨年と同じ田村栄先生だ。内容は「相続税のチェックシートに学ぶ申告書の作り方」というテーマで、全12本のビデオが用意されている。視聴期限は2022年1月31日。24時間視聴可能でありがたい。早朝に学習時間を設けているからだ。オンデマンドだから気になるところは何回も聞き直したりして、非常に勉強になる。

 ワクワクしながらスタートした。今まで自分がやってきた申告手続きで見落としていたところもあるだろう。これからどんな展開になるか・・・。貴重な朝の2時間の学習時間は充実している。

バックキャスト思考

 最近、20代の人たちと話をする機会があった。今まで何を勉強し、これからは何をやりたいか・・・のディスカッションである。それぞれ自分の進みたい道を見出しており、進み始めている人もいれば、これからチャレンジする人もいたが、みんな輝いていた。目標を持っていると、一つのことでも見方が変わって受け止め方も違ってくるのだ。

 ある人は「今までバックキャスト思考でここまでやってきた。」と言っていた。あらかじめ目標を決め、そこを起点に現在を振り返り、今何をすべきかを考えながら段階的に目標に近づく努力をしていき、最終的に目標に到達する発想法だ。目標実現のために何ができるか・・・。

 こうした思考をもってチャレンジしている姿にとても刺激を受けた私である。

 事務所で取り組んでいるSDGsもバックキャスト思考で作られている。SDGsの取り組みも、自分の人生においての過ごし方ももう一度見つめなおしたいと考えさせられるきっかけになった。

雨の休暇

 事務所も盆休みに入った。連日の雨で、予定していたことがすべて実現できないでいる。ならば出来ることはWeb研修か・・・。久しぶりに太田達也先生のセミナーを見つけた。テーマは「貸倒損失、資産の評価損、繰越欠損金等の実務」だ。コロナ関連の取り扱いが含まれている。

 2.5時間であったが、一気に受講してしまった。太田先生のセミナーはいつ聞いても学ぶことが多い。太田先生の力のこもった講義も気に入っている。

 明日は「労働時間法制厳格化対応のポイント」を受講する予定。講師は、社会保険労務士で、元厚生労働省東京労働局労働基準監督官の上田真準氏である。

 勉強の4日間であったかな。