学校評議員会

 N学校評議員を担って何年にもなる。1年に3回評議委員会は開催され、その都度、現在の学校教育に触れている。今年度3回目となる評議員会では、この3月の卒業予定の生徒が2名出席して、3年間に学んだことを発表してくれる。

 K君は、大きな役割を担ってやり遂げた結果、「周りを見ることができるようになった。一つの事業にかかわっている人たち全員が、やるべきことをやらないと成功しない。そのために自分がどう動けばいいかも学ぶことができ、人間として成長できたと思う。自分勝手ではなく、自分から何をすべきかを学んだ。これからの進路、人生に生かしていきたい。」と発言してくれた。

 指示待ちの多い若者の中で、一人でもこうした若者がいることは嬉しい。

 生徒会長をやったN君。「新しいことをして新たな風を吹かすなかで、生徒同士のぶつかり合いもあったが、ポジティムにとらえ、結果、自分自身や周りをよく見る力や真価が問われる姿勢が身に付いた。」

 生徒会長という立場に立った経験が、全体を見ながら引っ張っていく力を学んだんだな・・・と、これからの社会生活においても大いに期待できるんだわ。こうした人材は、各企業でも手に入れたいだろう。

10年前のレジュメ

 Yさんという方から今後のことについて相談に乗ってほしいとの連絡があった。私は人の顔と名前を覚えるのが苦手で、Yさんとは初めてお会いするんだなと思っていた。

 Yさんは70代前半の品のいいご婦人であった。相談内容は相続関係。自分の持っている財産はわずかであるが、娘たちが揉めないように今のうちから何とかしておきたい、ということであった。そして唐突に差し出されたレジュメ。それは10年前にあるところで私がセミナーの講師を引き受けた時に作成し、使用したものであった。

 ヨレヨレになっていたが懐かしかった。

 Yさんは言う。「先生のセミナーを受けて、何回もこの資料を見直ししながら、今後どうしたらいいんだろう・・、と思っていました。」と。10年前だから現在と時代も変わっていて、Yさんの考え方だって大きな変化があったと思う。けれどYさんにとってこのレジュメは一つの拠り所だったのだろう。

 私は嬉しかった。お互いに10年間元気であってここで再開できたこと。10年間レジュメを片手にいろいろ考えていたが、思い切ってYさんが私を訪ねてきてくれたこと。そして10年前のレジュメを大切に活用していてくれたこと。

 Yさんの話を聞きながら、今後のYさんが安心して生活できるような話をさせてもらった。

 税理士は税金を計算するだけでなく、いずれは相続を迎えるにしても、どうしたら平安な気持ちで生活できるかの相談に乗ることの大切さも感じている。無料相談をどんどん活用してほしいと思う。

未来へのチャレンジと変化の兆し

 荻原長野市長の講演を聞く機会があった。演題は「未来へのチャレンジと変化の兆し」。長野市の弱みから長野市を変えていきたい思いについて熱く語ってくださった。

 まず「これだ!」という長野市の観光資源がないという弱み。例えば大岡の「聖山」の「聖」の字を強調し「聖地」のような売り方もいい。

 移住・定住にはかなり力を入れている。特に山間地の住自協は頑張っているが、他の自治体の方が移住者は盛んである。移住・定住が進んでいる地域の意見や情報、ノウハウを市内全域に広げていく取組をしていきたい。

 新たな産業団地を市内で見つけながら企業誘致を積極的に行っていきたい。

 長野市はオリンピック・パラリンピックで得た世界的知名度をまだまだ使い切れていないと感じる。インバウンドも戻ってきているので、長野の知名度をより一層強力に使っていきたい。

 このように長野の弱みを一つ一つ拾い上げながら、強みに変えていくことが必要だと思っている。

 荻原市長とは顔なじみになった。ご挨拶をさせていただくたびに、市長から名前を呼んでいただけることがちょっと嬉しい。まもなく長野市の事業の一つである「やまざとビジネス支援事業」の選考会が始まるが、委員長として関わるなど、いろんな形で長野市に貢献できるといいと思っている。

21年事務年度県内相続税調査結果

 関東信越国税局が昨年12月に発表した「2021事務年度の相続税調査状況」。そのうち長野県内の状況は次の通りだった。

1 実地調査件数・・・125件(前年度86件)

2 申告漏れ件数・・・108件(前年度比42.1%増)

3 申告漏れ課税価格・・・36億円(前年度比7.7%減)

4 重加算税賦課対象・・・6億円(前年度比33.3%減)

 また、相続財産の金額の構成比は、現金・預貯金等が999億円(44.2%)、土地等が25.0%、有価証券が12.8%、家屋等が4.9%。

新しい年を迎えて

 昨年11月の終わりごろ、自分にとって大きな出会いが二つあった。一つは新潟へ仕事に行った時のこと。その会社の役員と昼食をともにしながら話題になった「信濃川流域の火焔型土器」のことだ。信濃川流域で生み出された縄文文化を象徴する火焔型土器。信濃川火焔街道なるものがあり、その話に没頭した。火焔街道は、訪問した会社のすぐ近くをスタート地点としている。

信濃川火焔街道のスタート地点となる新潟市歴史博物館「みなとぴあ」

国宝 笹山遺跡出土火焔型土器

 今年少しずつこの街道を回ってみようと思う。すごく知的刺激をいただいた。その刺激を確実に自分のものにしないともったいない。

 そして二つ目は、その2日後の八十二銀行の松下頭取の講演の中で聞いた言葉がきっかけとなって出合った清水英雄氏の著書だ。「ありがとう」を中心にたくさんの有難うにまつわる本を執筆している。その中で学んだ「お疲れ様」ではなく「お元氣さま」という想い。この「お元氣さま」も私にとっては大きく心に残る言葉だった。

 松下頭取も行員には、「元氣で明るく」と言っているとお聞きした。その根底には、この「ありがとう」精神があるのではないかと・・・。「お元氣さま」でこの1年事務所も元氣で明るくいきたい。

 税理士になって40年以上が過ぎた。一つ一つが積み重ねで、得たものが多かった。各企業の後継者にも、こうした宝物を伝えていきたい。それを自分の使命と思っている。

「気」じゃなくて「氣」のこと

 事務所に電話をしたら、明るい声で「お元氣さま」と出てくれた。あまりにも早い対応に、一瞬言葉が詰まってしまった。すごく嬉しかった。そうだよね。「お疲れさま」という負の言葉より「お元氣さま」はずっと明るくなる。そばでその言葉を聞いている人も明るくなる。すると全体が明るくなって、前向きな職場になっていく。

 皆さん、ありがとう。

 「お元氣さま」の「氣」のことについて。意味が三つある。

 一つ目は、日本人の命の源である「お米」に対する感謝の心の表明。

 二つ目の理由は「米」の字を分解すると「八十八」になるが、米を収穫するまでに八十八回も手をかけるというこまやかな心遣いに対する感謝。

 三つ目は「氣」から米を取った「气」は雲を具現化した文字で大自然、大宇宙までも表している。「米」は四方八方にエネルギーを噴出しているさまでもあり、人間は大宇宙からエネルギーを吸収すると同時に、外に向かってもエネルギーを発し続けていることであり、その根源的な意味に対する敬意の表明として「氣」を使っていると、清水英雄氏は書いている。(ありがとう戦略)

 今まで何気なく使っていた「気」もこれからは「氣」だわ。文字に込められた想いや意味を大切にしていくことに気が付いた。

お元氣さま

 清水英雄氏の著書「ありがとう戦略」を読んでいたら、今までのモヤモヤが一気に解消されたことがあった。

 「忙しい」と「疲れた」という言葉についてだ。「忙しい」については、以前から私も知っていたが「心が亡びる」ことで心を失ってしまっている状態。感謝の心、喜びも楽しみもない。「忙しい」は「疲れた」とセットになっていると清水氏は書いている。

 「疲」の字も強烈なマイナスエネルギーを発しているとのことで、分解すると「皮」すなわち皮膚(肉体)が病に覆われているという状態を示しており、極めて縁起の悪い文字だそうだ。  「お疲れさま」はねぎらいの言葉として使われることが多いが、実際にはマイナスのエネルギーを投げかけていることにほかならない。

 以前からモヤモヤしていたことがすっきりした。朝事務所に電話をかけると、「お早うございます」よりも「お疲れ様です」という応対。「朝から疲れてなんかいない」と思いながら、何も言えなかった自分。体調悪く事務所を欠勤中に連絡を入れても、最初に「お疲れ様です」の電話の対応。なんか変、相手のことを見ていないなあ~と感じていた。

 清水氏は言う。「忙しい」や「お疲れさま」に変わる言葉はあるのか?「忙しい」は「充実している」に、「お疲れさま」は「お元氣さま」と言えばいい、と。

 なるほど!なるほど!

 実際に私と同じ疑問を持っていたT不動産グループの社員は、「お元氣さま」に変えた。朝からなぜ「疲れなくちゃいけないのだ」、「ご苦労さま」もなぜ苦労しなくちゃならないのか。「お疲れさま」は「お元氣さま」に、「ご苦労さま」は「ご健闘さま」に変えたら、会社全体が変わったそうだ。

 さてさて、これを読んで誰が一番最初に実行に移せるか?

 「お元氣さま」の「氣」が「気」でなく「氣」であることの意味は次回ね。

SDGsとESG投資

 中小企業もSDGsを意識して独自に取り組むところが結構出てきた。まだ当社はその余裕がない、とか、事業に結び付くことがおかしい等々正しい認識に至るまでに、長い道のりを要する企業もある。

 SDGsとともに、最近はESG投資も注目を浴びている。SDGsは企業の未来に向けた活動であり、ESGは企業の現状についての投資家等(ステークホルダー)にとっての評価である。

 企業のSDGsの取り組みが、企業価値や投資を呼び込む点で評価の対象になってきているのも事実である。具体的には、地域の金融機関が地元企業のSDGsの取り組みを適切に評価し、それに基づく融資や支援をしている。

 先だって地元金融機関の役員と懇談する機会があったが、その中で、特に環境についての危機感を重く持っていて、サプライチェーンに取り込まれている中小企業のSDGsへの取り組みについて注目していることを強調していた。

 事務所とすると、今の、そして今後の社会の在り方を、クライアントに丁寧に説明することにより、環境を含めたSDGsへの理解を深めるとともに、具体的な取り組みをサポートしていきたいと思っている。

カーボンニュートラルに取り組む企業に対する評価

 約1年前の調査結果であるが、「カーボンニュートラルに関する生活者調査」が実施された。その中で、「カーボンニュートラルに取り組む企業に対する評価」として次のような結果が出た。

「応援したい」・・・71.0%

「商品・サービスを購入したい、利用したい」・・・58.5%

「信頼できる」・・・58.0%

「長期にわたって利用したい」・・・55.7%

「就職先として子供に勧めたい」・・・37.1%

 中小企業だってウカウカしていられないんだという意識を高く持つことが大事ですね。

労働力としての市場価値

 「第10回働く人の意識に関する調査」結果が発表になった。公益財団法人日本生産性本部が行った調査である。

 『あなたは勤め先から支払われている給与は、あなたのキャリアや能力、成果から見て、世の中の相場に見合っていると思うか』という質問である。

 結果は、「相場より高いと思う」5.6%、「相場に見合っていると思う」30.3%、つまり相場(市場価値)より給与を多く受け取っている、妥当であるという人が35.9%であった。「相場より低いと思う」と感じている人は38.6%、「わからない」は25.5%であった。

 相場より低いと感じている人のうち、8.0%が現在転職活動をしていて、42.6%の人がいずれ転職をしたいと思っているという結果であった。

 この調査結果を見て、どう考えるかは自分次第かな。