阿部知事との懇談会

 今年度第1回目の阿部知事との懇談会に参加した。前年度に続けて2回目となる。今回は知事の方から「県として進めたい事項」についての説明があった。

1 女性・若者から選ばれる県づくり

2 ゼロカーボン加速化

3 デジタル・最先端技術活用推進

4 個別最適な学びへの転換

5 人口減少下における人材確保

6 世界で稼ぎ地域が潤う経済循環実現

 以上の6項目について、経営者協会との問題意識の共有がなされた。女性・若者から選ばれる県づくりについては、「人口減・少子化対策委員会」が立ち上げられ、そのメンバーにもなった関係で個人的にも特に力が入る。

 長野県では「若者の奨学金返還視線制度」という県からの助成もあるということを知った。しかしあまり認知されていない。6月9日現在制度導入予定企業も14社とのことだ。

 制度を作ってもどうしたら利用されるかが課題であると感じた。今年の4月から新たにスタートした長野県5か年計画についても、素晴らしい小冊子ができているが、そのことすら知らない県民が多い。

 どんな事でも、そうした制度等が認知され利用されていくかまで整えないと意味がない・・・と常々思い、そのことは知事にもお伝えした。

労働基準監督署の臨検監督

 働き方改革関連法のの影響を踏まえて、「労働基準監督署の臨検監督」についてのセミナーに参加した。講義は3部門に分かれ、

1 臨検の概要

2 是正勧告の事例

3 課題・最近の動向

 という内容で斉藤社会保険労務士からの説明があった。非常に勉強になったし、普段から労働に関して注意すべきことも明確になった。

 臨検の依頼状が来たら、監督官が来る前に行うべき臨検に対する準備、臨検当日の対応から報告までの流れ等についての内容は、まだ経験したことがないだけに学ぶことが多かった。是正勧告書と指導票の違いの説明もあり、要するに臨検があっても是正勧告をされない等普段から社員のためにきちんと法令を守っていることが大切と再認識した。ちなみに、是正勧告書は法違反の是正を目的とするものであり、指導票は法違反とまでは言えないものの、改善すべき事項がある場合に用いられるものだそうだ。

 長野労働基準監督署内の臨検の実績は、企業規模別だと従業員が300人以上が23.5%、従業員が10~29人が22.4%の割合で、事業場(各支店・営業所等)規模別だと1~9人が37.2%、10~29人が36.1%となっているとのことだった。

 臨検監督の事例も何件か説明いただいたが、結果、何を気を付けなくてはいけないかも理解できた。

 労働基準監督官の50%が「指摘事項が是正・改善されず苦労している」という悩みを持っているそうです。

長野県経営者協会定時総会記念講演

 長野県経営者協会の定時総会が開催された。役員任期満了に伴い新たに新役員が選任され承認可決。理事に女性二人が加わったことが大きな進歩。

 総会記念講演では、講師に江上剛氏が登壇し「コロナ不況を如何に生き抜くか、いくつかの視点」という演題でお話しされた。

以下要約

失われた時代が長かった。だからこそ今は創造イノベーションの時代である。会社経営において大切なことは5つ。

1 ユーザーの立場に徹底して立つ。

2 己を知る。自分の会社の強み弱みは何か。

3 異端を大切にする。(情勢や障害者、子供他)

4 非効率であること(効率化すぎないこと)

5 思い込みをしない。

 上記1について、プラスチック成型事業を行っている会社の事例。ガーデニングの植木鉢をプラスチックで作った。ユーザーは真こそ欲しいものには金を出す。(満足度)コストの値上げではなくユーザーの満足度を上げていく。

 上記2について、富士フイルムの事例。富士フイルムは化粧品に進出した。フイルムがなくなってきたということは、時代の流れで自分たちが本業としてきたものがなくなる。じゃあどうするか。この時に技術の棚卸を行った。他社より優れているものはなんであるか、立場を越えて議論をし方向性を見出していった。経営者は方針を出さないこと。

 上記3についてはイノベーションのジレンマである。お客さんは来てくれないもの・・・来てくれるように工夫。取引先は売ってくれないもの・・・苦しくても20日締めの月末払いが約束なら実行することで信用を勝ち取っていく。銀行は貸してくれないもの・・・借りないように工夫する。つまり変化に対応すること。成功事例を押し付けずに異端を大切にすること。

 上記4について、効率ばかりを求めてきたが、非効率こそ付加価値につながる。効率化を追ってはダメ。ギスギスしてしまう。非効率な構造のほうが発想が豊かになる。シンガポールの建物は、目的の部屋に行きつくまでに複雑な通路を通って行くようになっている。その通路を通るときにいろんな発想が生まれる。

 上記5について、自分はこれを作っているからこれしかできないはダメ。100年、200年企業は同じことをしてきたのではなく変化してきている。丸井デパートはモノを売らないデパートに、コンビニはモノを売るのではなく便利さを売るという発想。

 仕事が楽しいということはやらされ感がないということである。やらされ感があると、給料をいくらもらっても満足しない。自ら動くことがやらされ感がないこと。「俺についてこい」「俺の言うことを取り入れろ」はダメである。リーダの要件は傾聴受容共感。

 勉強になりました。久しぶりにいい時間を持てたと思っている。

女性活躍推進上の課題

 関西経済同友会が行った女性経営者層調査結果が発表された。

『女性活躍を進める上での課題は何か』という問いに対する回答は、

1 経営者・管理職が古い体質、価値観から抜け出せない・・・64.3%

2 女性本人が管理職にないりたがらない・・・58.9%

3 女性登用に対する他の経営陣や管理職の意識が低い・・・39.3%

4 企業のイメージ、業種などにより、女性の応募が少ない・・・32.1%

『入社時から管理職や経営層になることを望んでいたか』という問いに対する回答は、

1 なりたいと考えていた・・・13.8%

2 チャンスがあればなりたいと考えていた・・・19.0%

3 拒むものではないと思っていた・・・27.6%

 ということで、計60.4%が入社時から経営層に就くことに肯定的としている。この調査は女性経営者や役員らを対象に行っているだけに、このような結果が出たと思われる。

 経営者側の立場として、この女性を管理職に登用したいと思っても、本人の生活環境が邪魔をして拒否されるケースも多い。能力ある女性の活躍をどのように実現させていくかも課題であるが、自分の周りには、キラキラ輝いて働く女性が多くて嬉しいわ。

再生可能エネルギーに関する近時の動向とその対応

 東京弁護士会所属の三澤充弁護士から「再生可能エネルギーに関する近時の動向とその対応」についての講義に参加した。

1 FITが果たしてきた役割と問題点

2 エネルギー供給強靭化法の概要

3 FIP制度の概要

4 コーポレートPPAとアグリゲーション

5 N-1電制とノンファーム型接続

6 土地建物の有効活用

の内容についてである。

 日本の再エネの現状は、再エネ発電設備容量は世界第3位、太陽光発電は世界第3位と以外にも上位で驚いた。日本の場合、狭い国土で大きな土地面積が要求される太陽光発電所を大幅に増やすのは困難であり、広い海洋を利用して養生風力発電に期待がかかっている。

 FIP制度・非FIPを見据えて各企業が自身のビジネス展開の検討が必要な段階に入った。主流はFITからFIP/非FITへ移行しつつある。

 太陽光発電の電力を利用する方法として「オンサイトPPA」が注目されている。企業等が建物の屋上や敷地の一部を発電事業者に提供して太陽光発電を購入する方法。発電事業者が設備の施工・運転・管理を行い、発電した電力を敷地内の建物に供給するという仕組みで、初期投資はなく電力を購入するだけ。購入者は電力と環境価値を取得するようになる。

 他にもいろいろ説明があったが、知らなかったはダメ。少しずつ学習して、環境関係の発信をさらにしていきたい。

本物に出会ったか

 クライアントのS社が75周年を迎えた。記念式典が挙行され、式典の中では社員表彰や社外の方で会社に貢献した方への感謝状の授与もあった。式典の後は会長講和、祝賀会と続き、私には会長講和ではいくつか心に残った言葉があった。

「花を咲かすには時間がかかる」

会社の今までの足跡をたどると営業所を開設し、環境に関する製品の開発をし、当初から扱っている製造費の商品力を高めてきた。長い年月がかかったが、あきらめずに育ててきたことにより花が咲いた。

 「人生は自分の人生劇場を作っていくことだ」人生においていろんな人との出会いがある。自分の人生劇場にいろんな登場人物が出てくる。その出会いを大切にしてきた。

 会長と個人的に話をしたときに、会長からの一言「本物に出会ったか」。会長は自分の人生に説いて本物に出会い、その人を師としてその人が亡くなるまで関わり続けたそうだ。会長が出会った本物の人物については、私も学生時代にその人の著書を何冊も読んで感銘を受けていた。

 私は今までに「本物」に出会っているだろうか?心が開かれていないと見落としてしまうものが大きいと、今更ながらに思い知った。

仲良し女性税理士4人組

 実に3年ぶりぐらいに女子会。仲良し女性税理士が集まって、年に1~2度ぐらいお楽しみ会をやっていたのだが、コロナで休止。ここで久しぶりに顔を合わせることができた。この日にいたるまで、電話やメールやお手紙で連絡を取り合っていたが、やっぱり直接顔を合わせてのおしゃべりは楽しい。同業ではあるが、長野県に散らばって開業しているから、利害も侵害することなく、ずっと仲良くやってきた。反面それぞれが抱えている悩みなどもざっくばらんに相談できる関係だから、心強い存在である。

 3年という月日はいろんな変化がある。そのことも報告しあいながらの女子会のメーンイベント(?)は歌舞伎鑑賞。歌舞伎座初日の講演とあって会場は満員。舞台は「新・陰陽師」で猿之助の宙乗りが観たくてチケットをゲットした。

 満足いく歌舞伎鑑賞とその前後のみんなとのおしゃべり。楽しかったな~。こうした時間が活力となってまた頑張れるんだ。みんなに背中を押してもらった。今後の自分を見つめ直すいい機会でもあった。

長野県経営者協会と中部経済連合会との懇談会

 私にとっては待ちに待った懇談会の日がやってきた。長野県経営者協会と中部経済連合会との懇談会である。2023年3月29日に長野市にて開催された。

 中部経済連合会の水野会長は中部電力株式会社の相談役でもある。水野会長に初めてお会いして、その人柄に感動してしまった。人間として、経営者としての水野会長の行き方や考え方に、多くの学びがあった。

 以前に中部経済連合会の「中部の魅力を語る なでしこの会」イベント「中部のイイトコ再発見 女性リーダーが語る魅力」が開催され、Web参加した感想をここに書き込んでいた。それを水野会長は読んでくださっていて、初対面の私にその旨を話しかけてくださった。ビックリでした。感動でした。経営者というのは、常にアンテナを張り巡らせ、得た情報に関連するときに出会った場合の声がけは、その人に感動を及ぼすものだ。あ~自分のことを見ていてもらっているんだな、と。

 この懇談会の目的の一つとして、「地域経済の状況から共通課題を把握して、一緒になって課題解決していくきっかけになること」がある。「産学連携、広域連携の活動を地域資源とつなげ付加価値を見出していく。」という水野会長のご挨拶に、長野県内にとどまっていてはいけないということを強く感じた。

 長野県経営者協会の碓井会長からは、「長野県経営者協会には600社が加入している。具体的に自分たちで行動して長野県全体を元気にしていこう。長野県特有の資産である自然を利用した環境づくり、またとくに若い女性が住みやすい環境を作り出していくことが必要。」という内容を話された。

 それぞれ個別に意見交換をしたが、まさに自分の地域をよくするためには、その地域にとどまるのではなく広域に活動をしながら、その地域の良さを確立していく必要があると感じた。

 水野会長の「長野県の林業や農業を活用した発電や環境整備をしたらどうか」という提案に、中水力発電に力をいれ、林業経営を目指す長野県としてどのようにしていったらいいかを経営者協会が提言できる時がくればいい、と、私は密かに思っている。

ながの緑育協会

 確定申告が終了して一息ついた。ちょっと休暇を散って、また仕事に戻っている。これからは各団体等の理事会が増えてくる。団体等を関与している立場、団体等の理事又は委員をやっている立場、団体等の監事をやっている立場での出番が6月まで続く。

 一般社団法人ながの緑育協会の理事会が開催された。令和5年度の事業計画と予算の審議が行われた。このながの緑育協会に対しては、足を向けるだけでほっとする。事業内容が緑を対象にしているからだろう。春を迎えたながの緑育協会の建物の前には、きれいに花がいけられていた。

大勢の人の手によって季節のいろんな花が育てられている。

会議が終了した後に花を見て回った。ホッとするひと時だ。ひときわ目をひいたのは桜。

オカメ桜

クリスマスローズも咲いていた。

懐かしき署名

 確定申告期も大詰めである。みんな遅くまで頑張ってくれていて、土日も出勤してくれている。あと3割ぐらい残っているだろうか・・・。期限までに終了するだろうか、といつも不安のスタートとなるが、毎日の積み重ねで毎年2日前には終了している。

 ところが今年は確定申告時期に相続税の申告が3件重なった。自分の確定申告もやっていられないほど、ちょっと複雑な事案の相続税の申告で追われている。だから15日ぎりぎりまでかかるかもしれない。

 今日も相続税の申告で来所された相続人がいた。その相続人の父親は25年ぐらい前に亡くなっていて、今回は母親の相続である。持参してもらった父親の時の相続税申告書を見たら、そこには懐かしい名前が税理士署名欄に署名されていた。

 私が税理士登録をしたのは25歳の時だった。当時は女性税理士がほとんどいなく、年齢も、税理士会長野支部では最年少であった。「税理士会は怖いおじさんたちの会」というのが世間知らずの私の印象だった。その時にいろんなことを教えてくださったのが私の母と同じ年齢の女性税理士K先生だった。K先生に誘われて、「七夕会」という税理士試験合格組の勉強会のメンバーにもなった。七夕会の活動は楽しかった。旅行にも行った。月1回の七夕会では、事例を持ち寄って、みんなで意見交換もした。税理士になりたての私にとっての実務勉強の場でもあった。

 相続人に持参してもらった相続税に申告書は手書き。そして税理士署名欄にはK先生の署名があったのだ。K先生が行った相続税の申告を、今度は私が引き継いでやっていくことの偶然とK先生との再会(?)がすごく嬉しかった。

 長く生きている分、その間に多くの人たちと出会い、いろんな形での再会があるものだ。年を重ねるのもいいものだわ。