Non-Judgmentalチェック

 ある研修会で「Non-Judgmentalチェック」をやってみた。
 Judgmentalとは、決めつけた、判断した、批判的な、断定的な‥という意味。
 Non-Judgmentalとは、決めつけていない、批判的でない、断定的でない‥ということ。
 ポイントは、肯定的な言葉でもジャッジはジャッジ。相手本人のこと以外のこともジャッジはジャッジ。相手本人の環境や状況のことでもジャッジはジャッジ。

 以下Non-Judgmentalチェックの例。

 ジャッジした発言かジャッジしていない発言か?
1 あなたの学歴も経歴もとても素晴らしいわね。これなら転職しやすいのではないでしょうか。
2 お話を聞いていると、あなたはとてもしっかりしているわね。
3 あなたの出身地は、とても素晴らしいところよね。

 Non-Judgmental(ジャッジしていない発言)のヒントは、相手の世界に一歩足を踏み入れて、相手の世界の基準と価値観で話を聞くこと。自分の価値観は外において傾聴する・・・です。

9月の研修

 何となく秋になってきた気がする。
 秋というと学びの季節(?)。今月だけで8研修会が予定されている。仕事の合間にこれだけの研修会をこなすのは大変だが、やるしかない!

 9月2日には成年後見研修があった。
 日税連主催のライブ配信で松本会場で受講したが、この内容は、長野県にとっては参考程度であったと思う。大阪家庭裁判所管内ではすでに実施しているらしい「意思決定支援」。しかし長野家庭裁判所では、まだガイドラインの策定に至ることなく、もちろんアセスメントシートの活用もないのが現状だ。税理士会としての成年後見研修は、内容を検討すべきと感じた。

 そして今日は全国統一研修会の1日目。
 東京大学大学院教授の中里実氏が「中間層没落の中の米中関係と税理士制度」という内容で講義をいただいた。中里氏は政府税制調査会会長でもあり、濃い内容の話が非常に興味深かった。中間層が没落してしまうと経済が成り立たない!という私には意外な話が新鮮だ。

 引き続き今夜は裁判所関係の勉強会がある。「間接強制決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件」が中心になるだろう。

 新しい知識や自分の考えをもとに議論するのは実に楽しい。

クロトウヒレン

長野県経営者協会と連合長野との労使懇談会

 今回で9回目になった長野県経営者協会と連合長野との労使懇談会。
 長野労働局長の中原正裕氏をお迎えして、『労働行政の課題等について』という演題で講演をいただいた。
働き方改革の背景や留意点、具体的な取り組み等の内容である。とくに背景については大変興味深いものがあった。
 その後の労使間の自由討議も充実していた。

 連合長野の中山会長から4つの質問が出ての意見交換。

 プロフェッショナル人材の雇用は、長野県の場合今のところないという説明であった。
 
 36協定の届け出のある事業所は、平成30年長野県全体で28,901事業所。36.9%に相当するとのこと。うち特別条項付き36協定を結んでいるところは63%の18,192社。運送会社や建設業が多い。

 女性管理職の採用については各企業とも抱えている問題の一つである。この問題については、かなり力を入れて意見を言わせてもらった。管理職候補として女性自ら手を挙げてくれる人が少ない。せっかく管理職候補として女性を育てても結婚、出産、育児で就職または退職してしまう。ワークライフバランスが機能していない。

 外国人人材の活用については、積極的に取り入れている企業も多くなり、中には正社員で雇用している企業もある。さみしい思いをさせないように、月1回の食事会を行うなど工夫を凝らし働きやすいように環境を整えているという報告も、経営者側からあった。

 働き方改革が実施されるようになり、いろんな課題が出てきて、これからも調整が必要になってくるであろう。
 有給休暇の取得率向上の成果は長野県内企業のうち、従業員301名以上の大企業では73.1%、51~300名の中規模企業では69.2%、小規模企業では66.3%に上っているという調査結果の報告もあった。

心の健康づくり

 「心の健康づくり計画」を策定した。令和元年8月1日より推進する旨を事務所内で発表したところだ。
 社会が複雑化している中、本人が対応しようと思っても思い通りにいかないなど、ストレスが原因で心を病んでしまう結果となっている。みんなが気持ちよく仕事をしてもらえるように、メンタルヘルス対策に乗り出すことにしたのだ。
 メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所割合は、事業所規模10~29人では50.2%。以外と多いことにびっくりした。事務所も後れを取ってはいけないし、何より働きやすい職場を目指しての取り組みでもある。
 この策定にあたって補助金を申請できるのだが、個人事業主の場合は、開業届が添付書類となっている。しかも税務署の受領印のある開業届でなくてはならないとのこと。
 30年以上前に開業し確定申告を毎年行っているのだが、当時提出した開業届には税務署の受領印がない。泣く泣く補助金申請はあきらめた。
 大事なのは、実践していくことだからね。

インターンシップ

 8月になった。
 毎年この時期は、長野商業高等学校の会計科の生徒をインターンシップとして受け入れる。今回は今日から2日間の日程である。女子生徒2名がやってきた。
 我が事務所には長商出身の職員が多い。みんな優秀だ。
 この4月に新卒で入所した長商出身のKさんは、やはり長商出身の先輩のOさんと今回のインターンシップの担当。
 社会人になって4ヶ月が過ぎたKさんは、今回のインターンシップで「学生時代と社会人とでの違いを少しでも伝えたい。」と表明してくれた。頼もしいな~と思うと同時にすごく嬉しかった。
 学生たちは1日の感想を書いて帰宅していった。Kさんとどんな話をしたか、あとでKさんから報告受けるのが楽しみだ。
 先輩のOさんは、優しく後輩を指導していた様子。Oさんからん報告も楽しみだ。

 担任の先生が各受け入れ事業所をまわっているらしい。タイミングよくみんなでスイカを食べているときだったのでご一緒してもらった。2人はホッとしただろう・・・な。

 明日もよろしくね。

長野県経営者協会女性部会

 長野県経営者協会女性部会を開催した。
 発足して3年目に入った部会であるが、さすが経営者クラスの集まり。それぞれに自分の企業の経営を含めしっかりとした意見を持っている集団だから、この部会の活動は非常に面白い。

 今年度は何を目指そうか・・・と検討した結果、SDGsについて学び取り組んでいくきっかけを見出そうということにした。
 
 長野県産業労働部から担当の方に来ていただいて、SDGsの概要そして長野県が取り組んでいる登録制度について説明をしてもらった。
 非常に驚いたことがある。SDGsの全国企業の平均認知度は16%、県内企業は10%、東京の学生は30%、名古屋地域の学生は50%だそうだ。小学校や中学校でも総合的学習でSDGsを取り入れているところも出てきてる。
 ある会社の社長は、新卒の面接の際、就職希望の学生から「御社ではSDGsのどんな取り組みをしていますか?」と質問され、SDGsとは何ぞや?とあわてて説明会に出席したという話も聞いた。
 持続可能な開発目標として17の目標が掲げられているが、自分たちの身の回りに落とし込み、自分事として考えてみるとすでに実施していることが多いことにも気が付く。
 次回の部会ではSDGsをもっと深く知るための仕組みづくりを行いたいと思っている。
 
 部会後の懇親会は、とても盛り上がりました。女子会。

新事業承継税制に効果

 日経新聞によると「新事業承継税制に効果」で、初年度の贈与税は400億円の猶予があったとのことだ。
 2018年4月から始まった新事業承継税制。事務所においても特例承継計画を策定し確認を受けた法人もある。まだ事業承継の特例制度は実行していないが、400億円の猶予にビックリしている。
 この税制にはメリットとデメリットがあるが、デメリットの大きさに適用を躊躇してしまう。今年も何件か特例承認計画を策定し確認を受ける予定だが、さてさて、その後の実行はいかに・・・。

後見制度支援預金

 長野県内の6信用金庫が「後見制度支援金預金」の取り扱いを7月1日から始めるという情報が信毎に載った。

 後見制度支援預金とは、本人(被後見人)の財産を日常的な支払いをするための金銭と日常的に使用しない金銭とに区分し、日常的に使用しない金銭を後見制度支援金口座に預ける預金のこと。そしてこの預金は、口座の開設や解約、出入金をする場合には、裁判所が発行する指示書が必要となる。
 東京家庭裁判所本庁ではすでに運用が開始されているが、長野家庭裁判所ではこれからだ。親族後見人の場合には利用価値が高いかもしれない。

 高齢化社会。成年後見制度に伴う課題解決の案が、どんどん出てきたと感じている。

6月

 いつの間にか6月になっていた。5月まではとても忙しく、とにかく仕事をこなすことで一杯だった。
 仲のいい飯嶋税理士も、「5月の10日間の連休があって仕事が心配だったけれど、スタッフが頑張ってくれて何とか仕事を終了することができた。」と言っていた。
 10連休は嬉しかったが、その分残業して仕事を仕上げなくてはならなかったから、ちょっと複雑な心境でもある。
 
 6月に入ってのんびり(?)した雰囲気だ。終業時間にはみんないなくなる。出張から事務所に戻ると、誰もいないことがしばしば。素晴らしい。
 そして昨日は給料日。みんな私の部屋にやってきて、ニコニコしながら支給されたお礼を言ってくれた。大変だった5月の給料だ。
 経営者はいつも一人一人を見ている。自分のために、事務所のために、クライアントのために頑張るんだ・・・!という人には、いろんな形で報いないとね。
 みんな有難う。

残された日記

 同時進行で何件かの相続手続きを行っているが、皆さん預金調査に協力をしてくださり大変助かっている。新聞などで名義預金のことなどを取り上げているから、以前よりも相続人の方に理解を得られるようになったこともある。

 Tさんは、突然配偶者を亡くされた。
 預金管理はそれぞれが行っていたから、被相続人の預金の出入りについてはあまり把握していないようだ。大きな金の流れだけでも確認しておきたく、Tさんにいくつかの質問をした。Tさんは困惑していた。少し時間が欲しいとのことで、1か月ぐらいのうちにわかれば・・・とお願いしておいた。
 1週間後ぐらいのことである。
 Tさんから連絡が入り、不明点が分かったから説明に来所したいという。
 約束の日、Tさんはそっとやってきた。少し元気になっている。お願いしておいた質問事項の回答がほぼ確認できる状態であった。
 Tさんは言う。
 「夫は日記を付けていて、亡くなってからその日記帳を開くことができなかった。でも今回の相続の手続きにおいてもらった質問事項の確認をするには夫の日記帳が頼りだと思い、思い切って開いてみた。」というのだ。
 約半年間封印されていた日記帳が開かれ、Tさんは涙とともに夫の残した日記を読んだそうだ。
 家族を亡くした悲しみは、時間がたたないと解決しないだろう。でもTさんはその日記を読んで、少し気持ちの区切りがついたそうだ。

 「いつか開かねばならないと思っていた日記帳を、先生に背中を押してもらって開くことができた。」という。私は日記帳の存在を知らなかったが、被相続人の預金調査がきっかけとなったことは事実だ。
 「この日記帳を開いてごらん、と夫に言われた気がする。」
 Tさんはそっと微笑んだ。