中部地区(愛知・岐阜・三重・富山・石川・福井・滋賀・長野)の企業倒産動向

 2022年2月度の中部地区の企業倒産動向が発表になった。

 東京商工リサーとによると、2月度における倒産件数は61件(うち長野は3件)で、コロナ関連倒産割合は36.1%とのことである。主な大型倒産は、業種として、特別養護老人ホーム経営、電子部品・半導体設計開発、飲食店経営となっている。

 現状は、コロナ第6波の懸念よりも資材の不足・江東の影響が大きく、この傾向は収束の見通しが立っていない。新たな業況圧迫の要因ともなっているのだ。資材の不足・口頭による「息切れ倒産」の懸念が強まり、製造業や卸売業は警戒が必要とのこと。

 またウクライナ・ロシア紛争以降、強気の相場が維持できなくなってきた折、為替動向の影響が大きい。

 長野県内の2月度の企業倒産は、建設業1件、製造業1件、飲食業1件であり、倒産主因としては、販売不振2件と設備投資過大1件となっている。

ウクライナ

 確定申告も後半戦に入った。みんな夜遅くまで残業をしてくれていて、確実に申告をこなしていてくれていることに感謝。資産税関係の申告は終了している。面倒な内容のものは、先に申告してしまわないとね。

 目の前の現実をこなしながらも、心が痛むのはウクライナだ。ウクライナとベラルーシには4年前に行っている。チェルノブイリにも足を運んだ。プライベート旅行で、海外の中でも印象深い国だった。かつて自分が歩いた場所が、触れ合った人たちが悲惨な状態になっている。涙を流さない日はない。しかし何もできない自分がもどかしく、せめてもと思い、ウクライナの大使館に寄付をした。

 当時の記録を見て、また涙。

4年前のキエフ中心地の独立広場。

長野県経営者協会理事会

 連合長野との懇談会に備えて理事会が開催された。「今次労使交渉に臨む経営側の基本姿勢と2022年版経団連「経営労働政策特別委員会報告」の趣旨説明があった。

 時代が変わってきている。春闘といわれるが、闘いではない。労使一体になってどうしたら持続的な社会を作っていけるかの協議の場としなければいけない。一緒に同じ船に乗っている。これが経営者側の考え方である。

 社員も一緒に新しい会社を作る精神、そして自分たちの職場も誰かの犠牲の上にあるということを考えていかなくてはならない。碓井会長の一言は心に残った。

人材育成に必要な行動評価

人材育成に関するセミナーを受講した。その中で、今後取り入れていかなくてはならないことの一つとして4段階評価を知った。

4 目に見えて行動改善ができてい る。

3 十分改善が見られ、指摘することがあったものの合格レベル。

2 若干の行動改善は見られたが、達成レベルではない。

1 改善がなされていない状態。

 以上4段階評価で、3と2の間で線が引かれる。この人事評価制度と給与基準をどう結び付けるかが、各企業の悩みでもある。頑張っても報われないうえに、不明瞭な給与制度では頑張りようがない。頑張りが報われ、基準が明確な制度、評価が給与に反映されていると、働く側も喜びをもって仕事に励むことができるだろう。

 それをいかに形にするかが課題である。

成功者と失敗者の条件

『成功者と失敗者の条件』というのを見つけた。

成功する人

1 人間的成長を求め続ける

2 自信と誇りを持つ

3 常に明確な目標を指向

4 他人の幸福に役立ちたい

5 よい自己訓練を習慣化

6 失敗も成功につなげる

7 今ここに100%全力投球

8 自己投資を続ける

9 何事も信じ行動する

10 時間を有効に活用

11 できる方法を考える

12 可能性に挑戦し続ける

失敗する人

1 現状に甘え逃げる

2 愚痴っぽく言い訳ばっかり

3 目標が漫然としている

4 自分が傷つくことは回避

5 気まぐれで場当たり的

6 失敗を恐れて何もしない

7 どんどん引き延ばす

8 途中で投げ出す

9 不信感で行動できず

10 時間を主体的に作らない

11 できない理由が先に出る

12 不可能だ無理だと考える

実に反省点が大いわ。

りんごの木

 バウムテストという心理テストで、樹木の絵を描いてもらいその絵の説明を聞くと「りんごの木」ということが多いそうだ。都会人も離島人も、りんごの木を見たことがない人も、描いた木をりんごの木と説明してくれる人が多い。それはりんごの木と程遠いものもあるが、「木になる果実はりんごしか思い浮かばない」という人もいるのだ。好きな果物はりんごではないが、実のなる木として思い浮かぶのは、りんごの木しかないという人もある。

 久々に感動したエッセイで、次のようなことが書かれていた。

 『多様性を尊重することが大切といわれる。今まで私たちは、赤いリンゴの身をつけなければならないと思いすぎていたかもしれない。周りの人たちにもそう強要して、実のなる木というとりんごの木しか思い浮かばないようにしてしまったのかもしれない。大切なのは、実の種類や色、実の有無でなく「その人らしい」木に育つこと。そして何より他人の「らしさ」を尊重できること。』

 事務所の職員に聞いてみた。「りんごの木」「ミカンの木」「ヤシの木」「柿の木」といろいろ出てきた。「りんごの木」と答えた人は50%。さすがりんごの産地だわ。

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ザ・ラストマン

 長野県経営者協会の碓井会長から紹介された1冊の本。元日立グループ会長の川村隆氏の著書「ザ・ラストマン」を手にした。

 川村氏の信念と経験から書かれたこの本には、読みこむほど引き込まれていく。あっという間に読めてしまうが、2度3度と読み返したくなる内容で、実際に今2度目である。1回目に読んだ時には心打たれた箇所に線を引いた。2回目に読んでみると、更に気が付かなかった気になる箇所がある。大事なのは、自分の中でどのように消化するかということか・・・。

 ラストマンになれる人となれない人の違いはどこにあるか?今目の前で起きていることに対してどう行動するかにあるという。逃げないで恐れずに立ち向かう。逃げる癖がつくと、簡単には消えないし、一生逃げる人生を送るかもしれない。

 コップに半分入った水を見て、「もう半分しかない」と考えるか「まだ半分もある」と考えるかの話はよく聞くし、自分でも「まだ半分もある」とポジティブな考え方をしてきた。しかしラストマンは「このコップに水を満たすにはどうしたらよいか」を考える、ということに私は教えられた。

 久しぶりに本を通しての人生のいい出会いがあったと思う。

長野優法会講演会

 長野優法会の講演会があった。優良法人会に加入している法人が対象で、その法人を関与している税理士も参加できる。

 今回は、第1部に後藤長野税務署長が「不正経理の根絶を目指して」という演題でい話しくださった。

後藤長野税務署長の講演

 不正経理の類型として3つあり、経営者型、従業員型、複合型と区分する。経営者型の例として「ユーフォーテーブル事件」。鬼滅の刃等のアニメ制作会社の脱税で起訴されている。従業員型の例として「ネットワークシステムズ事件」。複合型として「ユー・エム・シー・エレクトロニクス事件」。粉飾決算で元株主が監査法人までも提訴している。

 不正経緯を防止するには、また、不正経理が疑われたらという観点からの話は大変参考になった。後藤税務署長は、私が税理士会長野支部長の時に長野税務署総務課長であった。約10年という時間が過ぎているが、当時と全く変わらず、気さくな話に聞きほれてしまった。

 第2部は八十二銀行副頭取の浅井隆彦氏が「新型コロナ下の経済情勢とこれからの企業経営を考える」という演題でお話しいただいた。

八十二銀行福頭取浅井隆彦氏の講演

 その中で「変わる環境とこれからの経営を考える」ということで、2030年までの経済に対して影響を及ぼすと考えられる主要な変化項目を大きく4つほど挙げていた。

 その一つに脱炭素、カーボンニュートラルのことがあり、PRI(国連環境計画と金融イニシアティブ、及び国連グローバル・コンパクトとのパートナーシップが打ち出した投資に対する原則)、CDP(投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しているNGOが環境格付けをしている)、SBT(パリ協定が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標)については大変勉強になった。

 特にSBTに関しては、多くの企業が危機感を持って取り組む必要があると再認識した。SBTの取り組みは、スコープ1~3のカテゴリーに分かれている。

 SCOPE1は企業が直接排出するGHGの抑制

 SCOPE2は企業の他者から供給された再エネ電⼒の調達等

 SCOPE3は自分の取引先ルートでGHGの削減をやっていること

 ますます再生可能エネルギーが重要になってきた。危機感を持ちながら、取り組めることを広げていきたいと思った。

裾花発電所と制御センター

 長野県企業局が運営管理する裾花発電所と制御センターの見学をさせてもらった。長野県は2050年ゼロカーボンに向けて、いろいろな施策を行っている。その中の一つとして、再生可能エネルギーでの発電、つまり水力発電も行っている。長野市内から一番近い裾花発電所に初めて足を運んだ。企業局の案内で、いろんな説明をしてもらったのがとても嬉しかった。

 裾花発電所は地下発電所となっており、山をくり抜き、トンネル280mを通った裾花ダム直下の地下にできている。ちょうどメンテナンスの時期で、発電機が分解されており、その仕組みがよく分かった。

 ダム湖から地中の水管を通して90mの落差で水が落ち、入口弁を通ってランナー(水車の羽)が回る仕組み。ランナーを囲むケーシングまで入り込むことができ、仕組みが詳細に分かった。ちなみにケーシングは、カタツムリのようにだんだん狭くなってくる形になっている。発電に使われた水は、吸出管を通って先の湯の瀬ダムへ流れる。その放水路も見ることができた。ケーシングや放水路も発電機が稼働していたら絶対に見ることができない部分だ。

 昭和44年から稼働している裾花発電所は、これからも住民の使用する電気の一部となって、その役割を担っていく。それも再生可能エネルギーである水力発電による。

この280mのトンネルを通って発電所に着く。壁左上のケーブルには発電された電気が流れ変電所へ。そこで昇圧し中部電力に売電している。

取り外された発電機ローター(回転子)

発電機ステータ(固定子)でこの下で回転子が回る。

発電所に設置されている発電機制御装置

右は水圧鉄管で90m上から水が落ちてくる。今は取り外された入口弁を通って左のケーシングに水が行く仕組み。

水圧鉄管の中。90m上から続いている。

ケーシングの中。

発電に使われた水の放出路。

裾花ダム湖

裾花ダムはアーチ形だ。管理棟の下斜面の中に90m落差の水圧鉄管が入っている。

裾花発電所と裾花ダムを見学して、かなりテンションアップした。そして自分たちの生活がこうして守られていることの実感も。水力発電の力もすごい。

次に川中島制御センター内の視察。24時間体制で長野県内の件所有に発電所を監視しているとのこと。

発電量を示す計器。

川中島制御センターには水素ステーションもある。

まず川中島の水で水素を発生させる水水素発生器。

発生させた水素を圧縮する。

圧縮した水素を蓄圧する。

蓄圧した水素を車に充填する装置。

水素車は満タンで500㎞走行するそうだ。長野県では2台所有している。ゼロカーボンを目指し、普及していくといい。

県経営者協会女性部会と連合長野男女平等参画推進委員会の意見交換会

 今回で2回目の意見交換会が10月19日に開催された。女性の立場からの労使の問題についての意見交換会である。経営者側にとってみると、「企業目線だけでなく、労働者目線でどうやれば女性が働きやすくなるかを考えることができることが、この意見交換会の存在意義」と感じている。

 この意見交換会には、県産業労働部労働雇用課、県民文化部人権・男女共同参画課からの職員も参加してもらった。官民協力して、また労使懇談を重ねることによって、働きやすい職場、女性活躍推進につながっていくものと、私は確信している。

 経営者側のアンコンシャスバイアスの取り組みも大切だろう。これは次年度に計画したいと思っている。