長野県森林鳥獣対策地域の視察

 長野県は森林県であり林業県を目指す方向にかじ取りをしている。令和5年度から5年間の森林税活用事業は、主伐・造林を主体に進める計画である。

 造林において鳥獣被害防止対策が必要とされるが、2050ゼロカーボンを目指す長野県として、生分解性の鳥獣被害防止帯を利用する必要性が高まっている。長野県全体で生分解性製品の利用状況が、非分解性製品と非悪してどのくらいの割合であるかは、統計を取っておらず不明であるが、今後の取り組みを鑑みての実証実験も行われている。現在までの成果と進捗状況を確認するために現地視察を行うことができた。

 視察場所は2箇所。平谷村中平地区の村有林で行っているモニタリングの現状と根羽村大又入地区の長野県林業公社管理地区である。

 それぞれに考えさせられることが多かった。今、報告書を作成中である。

 視察終了後に根羽村庁舎に寄らせてもらった。根羽村村長との懇談も嬉しかったし、リニューアルされた根羽村庁舎の見学も目を見開かされるものが多かった。根羽村杉で内装を行っているのだ。

 そして何より、根羽村杉で作ったタオルに感動。根羽村杉をチップにしてから和紙にする。細く裁断し糸にして布を織ったそうだ。化学繊維は一切使用していない。また購入した者は、わずかの還元を村に行い、村はその資金を森林整備に充てているという、まさにサステナビリティの取り組みだ。

長野県森林組合連合会HPより

アンコンシャス・バイアス

 アンコンシャス・バイアスのワークショップを開催した。約30名が集まりアンコンシャス・バイアスとはどんなことかを受講し、さらにそれを深めるために、ワークショップとしてクロスロード・ダイバーシティゲームを行った。

 上記が何に見えるか?アヒルなのかウサギなのか。心理学者のジャストローという人が作成した騙し絵だ。私は最初アヒルと思ったが、アヒルとウサギのどっちに見えるか?と問われウサギも認識するようになった。「無意識の思い込みや偏見」の一例としての説明に納得。

 クロスロード・ダイバーシティーゲームでは、同じ課題に対していかにいろんな考え方があるのか・・・ということを学ばせてもらった。まずは気づいて、対処するが大切ですね。

連合長野・男女平等参画推進委員会と経営者協会・女性部会との意見交換会

 連合長野・男女共同参画推進委員会と経営者協会・女性部会との意見交換会が開催された。今回で3回目である。連合長野側から、現場での課題を出してもらい、経営者側からその課題についてどう考えるかの意見交換である。

 『女性活躍ということは管理職になることなのか。枠が決まっている中で、管理職になれないということは活躍できないということか?』という意見が出た。これはショッキングであった。女性活躍ということは社会でも取り上げられている。その活躍とは、確かに管理職に収まると活躍しているねという評価がある。しかしである。その人が十分に自分の能力が発揮できて、遣り甲斐をもって働くことが活躍ではないだろうか。経営者はそういう人たちを見ている。

 経営者は覚悟をもって経営に携わるとともに働く人たちとの信頼と共感を深めることが必要だと思っている。

長野県経営者協会・長野支部「会長を囲む経営懇談会」

 今度は長野支部での「会長を囲む経営懇談会」が開催された。碓井会長のスピーチで印象に残ったこと。

 一つ目として、『トップに立つ者は自分の考えをはっきり表現する。現場の人たちと話し合い、現場の人たちの気持ちを汲み取り、発信していく。そういう中で人が集まって行く。』というトップとしての姿勢。経営者は覚悟を持たなければならない。

 二つ目として『労働力の不足から女性参画でなく、多様性を受け入れること。イノベーションを生むよりどころは多用性にあり、イノベーションが生まれる。』のように、女性参画は数合わせであってはならない。

 そして今の時代にあって、経営基盤も変えていく(カーボンニュートラル)必要があるともおっしゃった。この点について、私は行政とのかかわりをもっと深めていく必要があるのではないかと感じている。民間は民間、行政は行政というそれぞれの立場でのみ事業を進めているような気がする。

 長野県経営者協会の一つの使命として、行政に提言することがある。環境に関しても、もっと深いところで話ができるといい・・と思っている。

長野県経営者協会・女性部会「碓井会長を囲む懇談会」

 長野県経営者協会の女性部会長を担って4年になる。いろいろな企画をするのが楽しいわ。

 長野県経営者協会の会長に碓井氏が就任して1年半経過した。コロナ禍であって、なかなか開催できなかった「碓井会長を囲む懇談会」が実現した。

 碓井会長から女性活躍推進についての講話をいただき、その後会員同士の意見交換を行った。以下、碓井課長の講話の要旨。

 欧米の国力は、国の全体の活力である。いろんな人との対話、視点のプロセスの違いが大きければ大きいほど価値が生み出される。経営の活性化にもダイバーシティを高めること。同じ立場になってダイバーシティを高める改革をしていく必要がある。企業活動そのものが地球のことと考えよう。

 現在は、組織の中でいかに評価されるかが重きになっている。組織の枠の中だけではだめで、会社が経営理念を持って一人一人が自由意思の中で活動できる組織、つまり経営とはサッカー的な組織を作って活動していくことがいい。一つのボールに対して全員がどう動くか、一つのゴールにボールを入れようという目標。

 高い志を持とう。夢を持とう。自分は将来こうなりたいというゴールを決めて徹底して行う。

 『夢を力に、究めて究める。』究めることはダイバーシティ、日本に元気を取り戻すことの1丁目1番地はダイバーシティの中の女性活躍である。

トップマネジメント懇談会・軽井沢大会

 今年のトップマネジメント懇談会は、私にとって非常に有意義であった。

 第1講座は『カーボンニュートラルに向けて~世界と日本の脱炭素戦略~』という演題で、東京大学客員准教授の松本真由美氏のご講演であった。松本氏とは、長野県企業局の有識者会議でご一緒させてもらっているが、直接お会いするのが初めてで、とても嬉しかった。

 カーボンニュートラルの潮流と日本の脱炭素戦略についての内容は、改めて現実を目の当たりにし、今後の方向性を明確にしてもらったと感じている。特に建物の省エネ化に向けた導入促進でZEHやZEBに対する支援があることによる普及の件については、多方面から考えさせられた。

 すでに11階建て高さ44mの木造高層ビルが完成している。ますます木材に需要が増えることとなり、林業の在り方もさらに問われていくだろう。

 国際的なイニシアティヴである「RE100」には、地元企業のエプソンが登録しているが、中小企業版の「RE Action」が設けられたとのことであった。

 第2講座は『デジタル社会の実現に向けて』の演題で、経済産業省の西川和見氏が講演された。

 第3講座では『2050ぜロカーボン実現に向けた長野県の取組』という演題で、長野県環境部長の猿田吉秀氏の講演であった。この講演の中では、長野県の取組と方向性が明確になり、林業県を目指す長野県の森林保護取組との関連性をさらに深めることができた。

未成年後見終了

 長い間担当してきた未成年後見人事務が終了した。未成年だったKちゃんは、早いうちに両親を亡くし祖父に引き取られた。同時に祖父が未成年後見人が選任され、私は未成年後見監督人に就任した。いろんな事情があって、私は未成年後見監督人から未成年後見人に移行した。それから何年が経過しただろう。民法改正もあって、18歳になったKちゃんの後見事務がここで終了したのだ。KちゃんではなくKさんは高校3年生。来春の進学も決まっていて、自分の人生をしっかりと歩んでいる。

 未成年後見事務の終了に伴い、預かっていたすべての財産をKさんに引き渡した。金融機関で預金の名義変更の手続きがあるので、必要書類も一緒に渡した。その中にKさんの戸籍謄本もある。多分今まで見たことなかっただろう自分の戸籍。Kさんに戸籍の内容を説明した。初めて聞くこともあったかもしれない。Kさんの心情はどうだったか・・・。ここまで一緒に生活をしてくれた祖父にとても感謝していた。

 祖父のNさんは言う。「やっとここまで来た。しかし自分の年齢からいって、あとどのくらいこの子と一緒に生活できるか・・・。」Nさんも複雑な心境だったかもしれない。

 ここで手続き上はKさんともNさんとも関係が終了したが、法律に関係なくいつまでも見守って行きたいと思っている。Kさんの未成年後見人の審判を出したH裁判官には、手紙で終了したことを報告した。

 私の人生で大きなことだったと思う。

2022地域活性化フォーラムin長野

 3年ぶりに開催された地域活性化フォーラム。再びパネラーとして登壇させてもらった。

 「人材パワーが信州を救う!生活時間を活用して企業・地域を元気に」というテーマでのフォーラムは、自分自身も学ぶことが多かった。

 第1部では圷由美子弁護士が基調講演。「生活時間に着目した法政策転換を~カギとなる時間帯「生活コアタイム」を実践につなげよう~」という演題で、あっという間の1時間であった。

 「生活時間」を知ったのは。3年前のフォーラムでである。その際に圷弁護士がそのテーマで講演された。以後3年間のうちに、自分の中で育っていった「生活時間」。

 第2部のパネルディスカッションにおいては、事務所がどのように働き改革に取り組んできたかを披露しながら、今後税理士として、また経営者協会の理事・女性部会長として起こすべき行動の宣言をした。社会に向かってもやらなくてはならないことがたくさんある。できることからどんどん進めていきたいと思っている。

連合長野・長野県経営者協会懇談会

 連合長野と長野県経営者協会の懇談会が開催された。今回は第4期目に入った阿部守一知事の所信表明をお聞きし、労使の立場から質問等をした。

 「信州の明るい未来を拓く121の約束」という阿部知事の政策集をもとに話をしていただいた。

 「多様性が尊重される暖かく公正な社会」の実現という項目。若者・女性や子供の幸福追求を最大限支援とあったが、そこに障がい者を入れてほしいという要望をした。阿部知事からの回答は、「障がい者については一人一人の問題意識を広げていく」ということであった。

 長野県では「障がい者共生条例」が施行されたが、目的は障がいを理由とする差別の解消だ。大切なことではあろうが、「障がいを理由とする差別」がない社会を作り上げることが大前提だと思う。この部分は、なぜか響かないんだなあ~。

長野市やまざとビジネス支援補助金その2

 平成25年にスタートした長野市やまざとビジネス支援補助金事業。中山間地の活性化を図る目的で中山間地域における雇用の創出や地域内への経済波及効果、地域の課題解決などにつながるビジネスの展開を補助する長野市の事業である。今までに15件の事業が採択された。

 当初から、この事業の審査員を担っているが、毎年採択された事業の視察もあり、ワクワクしている。

 令和4年度の2次審査には4件の事業者が審査対象となった。少し前に2次審査が行われ、各事業者からプレゼンテーションをやってもらい、令和4年度の推薦対象事業者が決定した。市長へ審査会委員長の立場で審査結果の報告をしたところである。最終的に市長の採択によって決定する。

 荻原市長は「力強い長野市を作る」と当初から主張されている。この事業は中山間地域も力強い地域になって行くきっかけにもなる。

 いま、保科若穂地域が面白い。