みんなで支える森林づくり県民会議・現地視察

 令和6年度から、長野県の森林税のほかに国の森林環境贈与税の徴収が始まった。長野県は500円、国は1,000円だ。住民税と一緒に徴収されているが、このことをどのくらいの県民が認識しているか・・・。

 長野県においては、平成20年度(2008年)から導入している。これまでにいろいろな方面から議論されてきた森林税であるが、森林税の有効活用はどうであるかを県民会議で検証している。

 今年度の現地視察があった。1か所目は林業用苗木の生産をしている「かねなか種苗園」。造林用の苗を生産しているところで、これからの森林を育てていくのに必要な産業である。

苗畑で作業する従業員。育った苗を出荷するために取りまとめている。出荷規格もあるそうだ。

カラマツの苗畑。

コンテナ苗を一つ一つ手植えするそうだ。

カラマツ稚樹。もう少し育ったらコンテナに移す。

カラマツの種取。

コンテナ苗圃場。

 今まで植栽用の苗についての意識がなかったが、現地視察により造林地に植わっている苗がこうして育てらていることが、新しい発見であった。

 2か所目の視察は塩尻市。アカマツ等の伐採及びその後の造林・保育をやっている場所だ。植栽樹種はカラマツ、ヒノキ、スギ、コナラと森林所有者の意向によっている。

 この辺も鹿が多いそうだが、鳥獣対策がなされていなかった。その辺は事業主体となっている塩尻市が今後検討していくようだが、「長野県主伐・再造林推進ガイドライン」に沿った対応をしてもらいたいと思う。長野県からは、「それは塩尻市が決めることだから」という回答であったのは少し寂しい気がしている。

晩秋の空。作業地域では、アカマツ以外の木はそのまま残されている。

経団連労働法フォーラム長野大会2日目

 経団連労働法フォーラム長野大会の2日目は、テーマ別ワークショップが行われた。

 私は「普通解雇、退職勧奨」のテーマに参加し、用意されていた事例と設問により、法律的に注意しなくてはならないことや、具体的対処方法はどうしたらいいかを一つ一つ探っていくという、非常に参考になるワークショップであった。

 クライアントから、よく問題社員のとなる人のことを聞くが、その時の対応の仕方などいい勉強になった2日間であった。

 約250名の会員や法曹界のメンバーが参加し、前向きなフォーラムであったと感じている。

 人的資本経営や、健康経営が注目され、実際に取り組んでいる企業が増加している。日本が元気になり、新しい価値観を生み出すのは経営者でありそこに働く従業員だ。風通しの良い、優良な企業に成長していくうえでも貴重なフォーラムであったと思う。

会場の窓からの風景になごむ。

経団連労働法フォーラム長野大会

 経団連労働法フォーラムが軽井沢で開催された。

 第1日目は、木村一成弁護士が「社員の問題行動への適切な注意・指導のあり方とハラスメントリスクへの備え」についての基調講演。引き続き事前相談を軸にしたパネルディスカッションが行われた。

 基調講演においては、実際の裁判例も紹介され、特にハラスメントの対応については非常に参考になった。どこの組織でもありうることで、個人的には、どんなことに留意したらよいかが整理されてよかった。

 後半のパネルディスカッションにおいては、各企業が抱えている現実問題が取り上げられ、どのように対応したらよいか具体的な指導もあり、これまた今後の企業活動において意識していかなければならないことと自覚できた。

 人あっての企業であり、まさに現代は人的資本経営である。人的資本経営ができてこそ経済活動につながっていく。

 多くの経営者に学んでほしかった。今日の学びを、各企業の経営陣に伝えることも使命としていきたい。

長野・静岡・山梨3県経営者協会情報交換会

 毎年開催している長野・静岡・山梨3県経営者協会情報交換会が、今年は長野で開催された。最初に「地方公立大学の取り組みと課題」という演題で、公立諏訪東京理科大学学長の濱田州博氏の講演でスタートした。

 令和5年度の統計によると日本全大学の学生数は260万人で、工学を学んでいる学生は38万人。社会科学や人文科学が多い。

 大学が私立から公立になったことでの地域内入学者は減少する。授業料が下がったことで県外からの入学者が増えることだ。つまり公立・国立の学生がアパート暮らしをした場合の学生生活費と自宅から市立に通う学生生活費がほぼ同じであることから「自宅通学」できる範囲に多くの大学がある三大都市圏では、、自宅から通う私立を選択したとしても、アパートを借りて国公立に通う学生とほほ同じ学生生活費であるのだ。

 地方では「自宅通学」できる範囲に自分とマッチする大学がない場合が多く、アパート等を選択せざるを得ない。アパート等を選択した時点で、自宅のある都道府県内である必要はなくなるということだ。

 長野県においても人口県外流出が多く、県内に戻ってこないことが大きな課題となっている。県外流出については、濱田氏の話を聞いて「なるほどそうだったのか」と理解できたことが多かった。どうやって県外流出した人口を県内に呼び戻すかが課題だ。

 濱田氏の講演内容は多岐にわたり非常に興味深かった。

 講演の後、各経営者協会会長から各県の特徴や課題にどう向き合っているかの報告があった。

 来年は静岡での開催である。

信州日経懇話会・第3回例会講演会

 いつも楽しみにしている日経懇話会講演会。久しぶりに出席することができた。今回は、日本経済新聞社編集委員の大石格氏が「米大統領選2024直前情勢を読み解く」という演題での講演であった。

 米大統領選の仕組みが漠然としていたが、あ~こういうことになっているんだと大変面白かった。選挙管理委員会が有権者名簿を売っていて、アメリカは戸籍がないので、出生証明書で有権者名簿に登録して選挙に参加するとのこと。有権者は、直接大統領への投票ではなく、有権者の代表となる選挙人を選ぶのだ。

 現在アメリカでは移民のほとんどは非白人であり、ヒスパニックが多くなっている。文化的にも仕事もヒスパニックに取られているのが現状である。ヒスパニックはカトリック信者が多く、したがって避妊等を認めない。そうしたことから、移民流入を阻止できないハリスは不利になっているとのことだ。接戦になると多くのトラブルが発生するだろうとのことで、前回の大統領選のことを思い出した。

次へのステージ

 2024年10月10日、個人事務所としての最後の給与の支給が終わった。そして退職金の支払いも本日終了した。これで職員に対しての清算は完了し個人事業主としての務めは終わった。

 今日の各職員の業務の終了時に、最後の給与と退職金の支給そして個人事務所での今までの勤務に対してお礼の言葉をもらった時には胸一杯になった。税理士法人になって、この法人を引き受けてくれる税理士が新しい方向に向かって活動していてくれる。嬉しい反面寂しさも覚えているが、こうしたケジメとしての職員からの一言は本当に嬉しかった。そして「スタートした税理士法人でもよろしくお願いします。」と添えてくれた一言も嬉しかった。

 次へのステージがスタートしているのだ。寂しさではなくて喜びとして、一つ一つを認識していくこと。それが私のこれからの意識改革だ。これまで築いてきたものがどのように進化していくだろうか。期待と楽しみが形になって微笑む時が待ちどおしい。

アンガーマネジメント&アサーション研修

 年1回開催してきた事務所主催のセミナー。税理士法人になって第1回目のセミナーを開催した。税理士法人のお披露目もかねての開催である。

 今回は「アンガーマネジメント&アサーション」についての研修。ワークショップ形式で2時間。みんな和気あいあいと楽しんで(?)時間を共有してくれた。

 「アンガー」とは「怒り」で「マネジメント」は「後悔しない」こと。つまりは怒りの感情で後悔しないことだ。

 怒ることはいけないこと、悪いことではなく、無理して抑えたりかっとなって感情的になることなく、怒る必要のあることは適切な表現ができること、ということに大きな学びがあった。

 「アサーション」とは「適切な自己表現」のことで、お互いの主張や立場を尊重したうえで、誠実に率直に、自分の要望や意見を伝えることである。

「アサーション」の実現は、

 1 ゴールを明確にする  

 2 一番伝えたいことは何かを明らかにする  

 3 アンコンシャスバイアスや固定観念を疑ってみる  

 4  相手と共通認識を得られる言葉を選ぶ  

 5 「言わない」という選択肢もある

に尽きるとのことだ。

 言うか言わないかは、後悔するかしないかで判断する。「言えない」と「言わない」は違う。

 これらのことを一つ一つ吟味して自分のものにしたとき、そこには心理的安全性が働いて、働きやすい職場になっていくんだと思う。

 税理士法人としてスタートした今、職員も一緒になって学んでくれた「アンガーマネジメント&アサーション」 。更によい組織が出来上がっていくと信じている。

スプレーアスター

税理士法人スタート

 待っていた日がやってきた。個人事業を廃止し、税理士法人としてスタートした。そのスタートにふさわしいいい天気で、早朝散歩で見た飯綱山が素晴らしい。長野市のシンボルの山である。

 この税理士法人が、職員にとって安心して働け、クライアントにも地域にも必要とされる存在になっていくことを願っている。個人事業ではいつか終わりが来るが、法人であるならば何代もの税理士が引き継いでいってくれる。43年6か月積み上げてきたものが新生され、どのような色に染まっていくか楽しみである。

 たくさんのお花をいただいた。たくさんのメッセージをいただいた。この日を忘れずに、もう少し税理士業を続けていきたいと思っている。

感謝

 個人の税理士事務所は今日で終了した。最終日、あまり意識しないで過ごすようにしたが、最後の夕礼で職員に感謝の言葉を伝え、明日からの新しいスタートの決意表明をした。

 そして私にとっては嬉しい出来事が夕礼で起きた。

 配偶者から花束が届いていたのだ。その花束は、職員が私を支えてきてくれた感謝を、配偶者の立場で表してくれたのものだった。感謝の言葉が書かれたカードも添えられていた。やるじゃん!

 たくさんの花はみんなで分けてもらった。

 事務所がいい形で法人成りできるのも、一緒に事務所を運営してくれる良き税理士に出会ったから。そしてここまで職員みんなが頑張ってくれたから。花に囲まれて最終日を終わりにすることができて、私は心からすべてに感謝だ。

 人間いつかは退く時がやってくる。自分のその時まで、もう少し頑張って目標とする税理士としての集大成を形にしたいと思っている。

 明日、税理士法人の代表税理士としての第1日目がいよいよ始まる・・・。

税理士人生

 昭和56年3月に税理士登録をして開業。43年6ヶ月が経過した。この9月30日に個人事務所は廃業し10月1日付で税理士法人を設立する。一人で始めた税理士事務所も、今では職員合わせ11人が事務所に所属してクライアントのために、社会のために、そして自分のために働いてくれる。限りある人生に、だれもが安心して働ける環境を整えるには法人化が必要だ。

 間もなく事務所からは個人名が消えるが、職員がみんなで検討し、私の誕生花の名前を税理士法人名としてくれた。いずれは引退するときが来る。それまで職員たちの思いを大切に新しい組織でしばらくは税理士人生を続けていきたいと思う。