ある方の紹介で確定申告の依頼があった。
納税者Aさんはかなりの高齢で、今まではAさんの妻が申告をしていたが、妻が体調を崩しできなくなったので、事務所に依頼が来たということだ。Aさんの名前を聞いたときに、15年ぐらい前まで一定期間仕事上でご一緒したドクターかもしれないと思った。
Aさんのお宅へ訪問。
玄関に娘のTさんと一緒に出迎えてくれたAさんは、まさしくあのドクターのAさんだった。少し年はされたけれど、凛とされた姿は変わっていない。Aさんはもちろん私のことを覚えているはずはなく初めてお会いするご挨拶を交わした。
私は胸が一杯だった。
今も名誉院長のポストに座し、他の病院では手術も執刀しているとのことで、学会のお話もしてくださった。
娘さんのTさんは浜松から母親の面倒をみに帰省していた。少し耳が遠くなったAさんにやさしく根気よく話しかけ、その様子を見て、なんて素敵な親子だろう・・・と思った。そしてAさんの、妻やTさんに対しての想いが言葉の端々にも感じることができ、この15年ぶりの再会が私にはとても嬉しかった。