4月の日経懇話会も大変勉強になった。今回は、元農林水産事務次官・東京大学大学院客員教授の奥原正明氏が講師として「農業を成長産業にするために」という演題での講演であった。
1 農業の現状
2 農業政策の歴史
3 1999年の基本法を踏まえた農政改革
4 2024年の基本法改正
5 米をめぐる政策
の内容での話があり、最後に「農業を成長産業にするために」では担い手が農業者が日本農業をリードしていくことが重要という内容で締めくくられた。
具体的には、①担い手を軸とした農業構造の確立 ②農地の集約化を前提に大区画化等のインフラ整備 ③担い手の自由な経営展開 ④経営安定対策(セーフティネット)を整備が政策改革であるということ。経済実態の改革として農業界と経済界の連携が必要、つまり流通改革で効率的な流通体系にし、民間主体の輸出拡大をしていく。輸出を前提に、縮小生産から生産拡大に転じる必要があるとのことだ。
最後に政策提案があった。
法律改正により、農地バンクへの貸付を義務づけ、農地バンクに貸し付けられた農地における大区画化等の土地改良事業は、農業者負担を求めず全額公費で行う。また、市町村・農業委員会・農地バンク・都道府県の取り組み体制を強化する。
仕事柄、農地を持て余している納税者や、中山間地における耕作放棄地等があることに接していたが、特に何か行動をするではなかった。今後、機会あるごとに今回お聞きした政策提案を伝えていきたいと思った。
非常に勉強になった講演会であった。
