信州日経懇話会を毎回楽しみにしている。出席者もリピーターが多く顔なじみになっているが、それだけに皆さん惹かれるものがあるのだろう。
今回は、ミネベアミツミ株式会社 代表取締役CEO 貝沼由久氏 が「ミネベアミツミ、2.5兆円企業への道筋」という演題で講演してくださった。
東京プライム市場に上場されているミネベアミツミは、ベアリングなどの機械加工品事業、電子デバイス・半導体・小型モーターなどの電子機器事業、自動車部品・産業機械・住宅機器事業等を行っている。これらを8本槍(コア)とし、その定義を、
1 大きな市場の中のニッチ市場であること
2 その製品は簡単な技術革新ではなくならない
3 当社の強みが活かせる製品であること
4 「槍」とされる各製品間でシナジーヶあること
としている。リスク分散の観点から、シナジーのある複数の事業を持っているのだ。
そうした中の経営者としての転機と節目はタイの大洪水とM&Aであった。
リスクマネジメントがしっかりできているか。例えば、一生懸命勉強して明日が試験というときに、朝起きたら大雪で動けなかったら、あなたはどうしますか?とか試験に行ったら筆記具がない、というときにどうしますか?と問われた。成功は何かあったときにすぐどう対応するかである。
2011年のタイ大洪水で被害を受けたときにも、リーダーが先頭に立って動いた。安全のために引き上げてほしいと伝えたが、「私たちの工場だから自分たちが必ず守る」と復興に注力してくれたそうだ。
何か想定しないことが起こったときにどう対応するかによって成功の道がわかれる。
社是は「五つの心得」に基づいた透明度の高い経営で、「五つの心得」とは下記の通り。
1 従業員が誇りを持てる会社でなければならない
2 お客様の信頼を得なければならない
3 株主の皆様の期待に応えなければならない
4 地域社会に歓迎されなければならない
5 国際社会の発展に貢献しなければならない
成功する経営者の心得に改めて惹かれた時間であった。