ヤマを動かそう!信州・公開討論会

 「ヤマを動かそう!信州」という団体が、「国会議員とジェンダーについて考える」というテーマで公開討論会が開催された。私はWEBで参加し、大変いい刺激をもらったと思う。

 1999年の国連総会で採択された「女性差別撤廃条約選択議定書」について、日本政府は審議に参加し決議に加わったが、まだこれを批准していない。2024年10月には、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)より、日本政府への懸念事項と勧告が出され、2年以内に4項目について進捗の報告を求められている。

1 選択的夫婦別姓のための法改正

2 国会に女性議員を増やすための暫定措置としての供託金減額

3 緊急避妊を含む安価な近代的避妊法への十分なアクセスを提供。16歳、17歳の少女が避妊薬にアクセスする際の親の同意要件の撤廃を含む。

4 人口妊娠痛絶を求める女性に対する配偶者の同意要件を撤廃するための法改正

 こうしたことを踏まえ、長野県関係の国会議員との意見交換会が行われたのだ。ただ残念なことに、立憲民主党議員5名が出席され、自民党議員が一人もいなかった。超党派で話ができればよかったのだが、皆さん別に予定があったようで・・・。

 いろいろな意見交換がなされ、各議員も各自の考え方を示してくれた。皆さん政治への女性参加を強調していた(2年以内に報告義務が課せられている2項目目にあたる)が、心からそう思っているのだろうか・・・と感じたこともあった。

 選択的夫婦別姓については、日本の社会の在り方を大きく変えるものだが、自民党以外は全党賛成している。自民党は、美しい日本の伝統を崩すことになるとか、戸籍制度がなくなってしまうというのが主な理由だ。驚いたことに、28年前から長野県議会の中でも「夫婦別姓」についての質問が出ていたそうだ。

 報告が義務付けられた項目3と4については、「今日は女性議員がいないから、まともに答えられる人がいない。なかなか自分のこととして捉えられないのでフラットな議論ができない」という議員側からの意見があった。

 この意見については、非常に疑問を感じてしまった。こういうことは女性議員に任せるから、という意味に捉えてしまった。女性議員を増やすことは必要だが、その必要性の理由がこういうこと?これこそが女性差別に感じた。議員に限らずだが、すべての人が自分のこととして捉え、知識がなければ勉強しながら課題解決に向かっていくことが必要だ。

 包括的性教育が今までなされてこなかったことも、こうした考えが出てくる要因でもあるだろう。早い時期から子供たちに包括的性教育を実施いていく必要があり、また年齢問わず大人にも実施していく必要があるだろう。

 この討論会で感じたのは、出席された国会議員の気持ちの中で、どれだけジェンダーを意識して国民のために働いてくれているのか、どうなのかなあ~ということだった。