仲良くしているクライアントのHさんから、「この本面白そう」ということで紹介された『WORK DESIGN』をさっそく購読始めた。
冒頭から引き込まれる内容で、改めてジェンダーやアンコンシャス・バイアスを考えるきっかけとなる。
1970年代のアメリカの5大オーケストラメンバーは、女性の演奏家割合が5%だった。現在は35%以上が女性演奏家を占めているオーケストラが増えたそうだ。そこに至るに、どんなことが行われたか・・・。「ブラインド・オーディション」が採用された結果である。
「ブラインド・オーディション」とは演奏家の採用試験で審査員と演奏家の間をカーテンで仕切り、審査員には演奏者が分からないように演奏してもらった。ボストン交響楽団が始めたそうで、女性演奏家が採用される割合が飛躍的に増加したとのこと。
本来は演奏家の採否は人種や性別等は関係ないはずだが、女性演奏家が一人もいなかった時代もある。またその楽団に所属していた演奏家たちも何の問題も感じていなかったのだろう。
時代は変わった。問題の認識から始まり、1枚のカーテンを使っての決断と課題解決がオーケストラを一変させた。
女性税理士として40年以上の時が過ぎた。10年ぐらい前までは、非常に生きづらい時代だった。いろいろな役を担ったが、組織が大きくなればなるほど、トップであっても難しいものがあった。唯一、税理士会支部長の時には、他の役員や会員の理解もあって思い切ったことができた。これは感謝だ。
自分の事務所においても、対外的にも、1枚のカーテンを使っての決断や課題解決をしていくことが、今後の事務所の在り方へのヒントになった。もしそのカーテンが透明だったら・・・なんていうことも考えて、ね。