北陸三県・長野県経営者協会

 福井県の視察2日目は、福井県立恐竜博物館と越前大仏の拝観である。

 福井県立恐竜博物館には9時前に到着したが、すでに大勢の人が並んで開館を待っていた。コロナ前での来館者数は年間93万人、現在は100万人に近くなっているそうだ。福井経営者協会の役員もすでに何回か訪問しているとのことだ。

 なぜ福井県が恐竜なのか。始まりはワニ化石が1982年に発掘されたことであった。そこから第1次調査がスタートし、第4次調査が昨年終了している。その間、国内で新種認定された恐竜11種のうち6種を産出しているとのことだ。

 福井県立大学では、恐竜学部の2025年4月開校を目指しているとのことで、2年次から4年次のためのキャンパスはこの恐竜博物館の隣に設置される予定だ。恐竜を含む古生物学や地質学の教育・研究を通して、現代社会の諸課題を探求・解決できる人材を養成することを目的にしている。1学年定員30名。人数は多くないが、地元の特徴を生かした学部ができる点からして関心深い。

開館を待つ人たち。長~い行列が出来ていた。

限られた時間内で自由に見て回った。

ヨロイ竜類

全長約25メートルのディプロドクス。アメリカユタ州から発見された。

子供たちに人気のティラノサウルスの頭骨で本物。

ケナガマンモス

 一つ一つ丁寧に見て歩けばかなり時間がかかるだろう。この恐竜博物館に来て一番の学びは、県立大学とのコラボが始まろうとしていることだった。

 次に訪問したのは、大師山清大寺の越前大仏。バスでだんだん近づいてきた建物を見て、一般的な寺より近代的(?)と感じていたら、昭和62年に落慶したそうだ。

 地元のボランティアガイドによると、実業家の多田清氏が成功した恩に感謝して、個人の財を投げうって祖先の眠る地に建立したとのことだ。

門前町の参道を歩いていくと大門。

大門には仁王様。

中門。

 中門を抜けると大仏殿が。間口58m、奥行き48m、高さ52mの鉄筋コンクリート造りだそうだ。4階建てで一番上の屋根で雪を受けられるように設計されている。また窓を多くして、殿内に自然光が入るようになっている。

大仏殿

大仏座像。穏やかな表情で、2階から大仏に面すると、大仏との目が合う。高さ17mで奈良の大仏より大きいそうだ。

堂内には三方の壁に棚が11段あり、そこには小仏が1281体安置されている。うち1体は金の小仏。

回廊と五重塔が見える。

五重塔。高さ75mで日本一の高さだそうだ。各階に石仏や金仏だ安置されていた。

五重塔の最上からの眺望。眼下に大仏殿。

荒島岳がよく見えた。

 私財を投じて建立されたという寺があるのを知ったのは初めて。越前は面白い。今回の視察に参加する前に、司馬遼太郎の「街道を行く・越前の諸道」を読んできたが、今度はゆっくりと司馬遼太郎の足跡をたどってみたいと思った。

 今回の勝山市での視察で地域の経済ということを別の観点から察することができたのが収穫であった。