懐かしき署名

 確定申告期も大詰めである。みんな遅くまで頑張ってくれていて、土日も出勤してくれている。あと3割ぐらい残っているだろうか・・・。期限までに終了するだろうか、といつも不安のスタートとなるが、毎日の積み重ねで毎年2日前には終了している。

 ところが今年は確定申告時期に相続税の申告が3件重なった。自分の確定申告もやっていられないほど、ちょっと複雑な事案の相続税の申告で追われている。だから15日ぎりぎりまでかかるかもしれない。

 今日も相続税の申告で来所された相続人がいた。その相続人の父親は25年ぐらい前に亡くなっていて、今回は母親の相続である。持参してもらった父親の時の相続税申告書を見たら、そこには懐かしい名前が税理士署名欄に署名されていた。

 私が税理士登録をしたのは25歳の時だった。当時は女性税理士がほとんどいなく、年齢も、税理士会長野支部では最年少であった。「税理士会は怖いおじさんたちの会」というのが世間知らずの私の印象だった。その時にいろんなことを教えてくださったのが私の母と同じ年齢の女性税理士K先生だった。K先生に誘われて、「七夕会」という税理士試験合格組の勉強会のメンバーにもなった。七夕会の活動は楽しかった。旅行にも行った。月1回の七夕会では、事例を持ち寄って、みんなで意見交換もした。税理士になりたての私にとっての実務勉強の場でもあった。

 相続人に持参してもらった相続税に申告書は手書き。そして税理士署名欄にはK先生の署名があったのだ。K先生が行った相続税の申告を、今度は私が引き継いでやっていくことの偶然とK先生との再会(?)がすごく嬉しかった。

 長く生きている分、その間に多くの人たちと出会い、いろんな形での再会があるものだ。年を重ねるのもいいものだわ。

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