りんごの木

 バウムテストという心理テストで、樹木の絵を描いてもらいその絵の説明を聞くと「りんごの木」ということが多いそうだ。都会人も離島人も、りんごの木を見たことがない人も、描いた木をりんごの木と説明してくれる人が多い。それはりんごの木と程遠いものもあるが、「木になる果実はりんごしか思い浮かばない」という人もいるのだ。好きな果物はりんごではないが、実のなる木として思い浮かぶのは、りんごの木しかないという人もある。

 久々に感動したエッセイで、次のようなことが書かれていた。

 『多様性を尊重することが大切といわれる。今まで私たちは、赤いリンゴの身をつけなければならないと思いすぎていたかもしれない。周りの人たちにもそう強要して、実のなる木というとりんごの木しか思い浮かばないようにしてしまったのかもしれない。大切なのは、実の種類や色、実の有無でなく「その人らしい」木に育つこと。そして何より他人の「らしさ」を尊重できること。』

 事務所の職員に聞いてみた。「りんごの木」「ミカンの木」「ヤシの木」「柿の木」といろいろ出てきた。「りんごの木」と答えた人は50%。さすがりんごの産地だわ。

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