裾花発電所と制御センター

 長野県企業局が運営管理する裾花発電所と制御センターの見学をさせてもらった。長野県は2050年ゼロカーボンに向けて、いろいろな施策を行っている。その中の一つとして、再生可能エネルギーでの発電、つまり水力発電も行っている。長野市内から一番近い裾花発電所に初めて足を運んだ。企業局の案内で、いろんな説明をしてもらったのがとても嬉しかった。

 裾花発電所は地下発電所となっており、山をくり抜き、トンネル280mを通った裾花ダム直下の地下にできている。ちょうどメンテナンスの時期で、発電機が分解されており、その仕組みがよく分かった。

 ダム湖から地中の水管を通して90mの落差で水が落ち、入口弁を通ってランナー(水車の羽)が回る仕組み。ランナーを囲むケーシングまで入り込むことができ、仕組みが詳細に分かった。ちなみにケーシングは、カタツムリのようにだんだん狭くなってくる形になっている。発電に使われた水は、吸出管を通って先の湯の瀬ダムへ流れる。その放水路も見ることができた。ケーシングや放水路も発電機が稼働していたら絶対に見ることができない部分だ。

 昭和44年から稼働している裾花発電所は、これからも住民の使用する電気の一部となって、その役割を担っていく。それも再生可能エネルギーである水力発電による。

この280mのトンネルを通って発電所に着く。壁左上のケーブルには発電された電気が流れ変電所へ。そこで昇圧し中部電力に売電している。

取り外された発電機ローター(回転子)

発電機ステータ(固定子)でこの下で回転子が回る。

発電所に設置されている発電機制御装置

右は水圧鉄管で90m上から水が落ちてくる。今は取り外された入口弁を通って左のケーシングに水が行く仕組み。

水圧鉄管の中。90m上から続いている。

ケーシングの中。

発電に使われた水の放出路。

裾花ダム湖

裾花ダムはアーチ形だ。管理棟の下斜面の中に90m落差の水圧鉄管が入っている。

裾花発電所と裾花ダムを見学して、かなりテンションアップした。そして自分たちの生活がこうして守られていることの実感も。水力発電の力もすごい。

次に川中島制御センター内の視察。24時間体制で長野県内の件所有に発電所を監視しているとのこと。

発電量を示す計器。

川中島制御センターには水素ステーションもある。

まず川中島の水で水素を発生させる水水素発生器。

発生させた水素を圧縮する。

圧縮した水素を蓄圧する。

蓄圧した水素を車に充填する装置。

水素車は満タンで500㎞走行するそうだ。長野県では2台所有している。ゼロカーボンを目指し、普及していくといい。