長野県高等学校優秀教職員選考会

 「文部科学大臣優秀教職員表彰」という制度がある。長野県の高校教育課では、文部科学大臣優秀教職員表彰候補者を選考推進するための選考委員会が設置されている。

 今年度の選考委員会が開催された。委員になって2年目である。選考委員は7名で、事前に提出された被推薦者の実績等が記載された資料等をもとに推薦決定をしていく。

分野は下記の通り。

1 学習指導における特に顕著な成果を上げたもの

2 生徒指導、進路指導等における特に顕著な成果を上げた者

3 学校体育や学校保健における特に顕著な成果を上げた者

4 特別活動や部活動等の指導による生徒の育成における特に顕著な成果を上げた者

5 特別支援教育における特に顕著な成果を上げた者

6 地域との連携・協働の推進における特に顕著な成果を上げた者

7 ユネスコ活動や国際恐竜等の分野における特に顕著な成果を上げた者

8 学校事務の機能強化や勤務環境の改善等、学校運営の改善における特に顕著な成果を上げた者

9 その他学校教育において、他の職員の規範となるような実践による特に顕著な成果を上げた者

 毎年、候補者の業績・実績はそれぞれに素晴らしい。そしてその業績・実績は、生徒たちの人生の指針にもつながっている教育になっている。

 候補者である先生も、その先生に指導された生徒たちも輝いているんだ。

経営者のワークショップ

 自分の税理士人生の集大成として、「若手経営者、新米経営者、経営者候補を立派な経営者に育て上げること」を、何年か前から目標としていた。そのグループの名称は「優良法人を目指した不良申告法人グループ」といい、ラインでつながっている。

 年に2回ぐらいの学習会を行っていて、参加者も主催側もいい勉強になっていると思う。

 今回は事前に4つのテーマを与えておき、全員の前でプレゼンを行ってもらった。参加者は必ず質問をすることという条件も付けた。4社の経営者、次期経営者に発表してもらったが、各社(各人)とも現在の課題を洗い出すことができ、今後その課題をどのように解決に向かっていくかの方向性を見出したと感じている。

 共通課題も多かった。この共通課題については、また別の時にディスカッションできると思う。

 課題は下記の通り。

1 どんな会社、どんな職場にしたいか(経営理念や自社の風土を踏まえて)

2 会社の強みと弱み

3 自分自身の強みと弱み

4 その現実に自分はどうするか(取組等)

 発表者も質疑者も、そこに参加した全員が輝いていた。私は嬉しい。

学生から見た長野県・長野県企業の姿

 長野県経営者協会主催のトップマネジメント懇談会が開催された。

 第1部は「大学への進学動向と大学からの就職状況を地方目線から考える」という演題で、公立諏訪東京理科大学の濱田州博学長の記念講演。全国の大学生就職意識調査内容と公立諏訪東京理科大の学生就職状況の話は非常に興味深かった。

 就職先企業を選ぶ際に重視する点について、公立諏訪東京理科大学4年生と全国学生との比較は、学生の地方目線での違いが現れて、企業側も大変参考になったと思う。

・大企業である 

・希望の勤務地で働ける 

・業績財務状況がよい 

・有名企業である

 これら4項目は、全国学生は割合が高いが、公立諏訪東京理科大学の学生はあまり重視していないという特徴が出ていた。また同大学長野県出身卒業生のうち62.7%が長野県内に就職している。

 第2部は信州大学副学長であり初の女性工学部長の香山瑞恵氏がコーディネーターとして登場し、県内大学生10名とのパネルディスカッションが行われた。

1 「長野県及び長野県企業」の魅力と足りないところ(県外企業の魅力他)

2 就職先を選んだ(選ぶ)決め手は(会社に求めること、重視したこと、情報を得たツール、福利厚生サービス等)

3 初任給をどの程度重視するか

4 転職CMが多く、早期退職が多い現状での転職についての考え方(就職後にギャップがあった場合の行動、働き甲斐や成長を感じる時は、キャリアアップの考え方)

5 大学(大学院)を卒業した後、社会にどのように貢献したいか?

 以上5つのテーマでの学生たちの活発な意見は、これまた生の声として受け止め、各企業が採用や若者たちとの向き合い方を再考するきっかけとなったと思う。

 今回登壇した学生たちの多くは、会社の福利厚生制度に注目していた。そしてインターンシップやオープンカンパニーに参加することにより、その企業の魅力を見出し就職先を決断することも多いということだった。

よき人生

 『すべての仕事は、こちらから積極的に進んで追ってするとき、すべてが簡単に片付き、順序良くはかどる。こうして人生の勝利者となるのです。』(丸山敏雄著・清き耳)

 この一文が心に響いた。仕事の向かい方について時々職員と話をするが、やはり事前に情報を収集するというのは必要だと思う。日々の業務や作業、商談等だけに追われがちだが、そのための情報収集つまり下調べなどの準備が仕事の幅を広げる。いい仕事もその人によってとらえ方が違うと思うが、少なくとも自分は、その日に会う予定の企業に何しての情報の収集や状況確認をしてから面談している。

 あるセミナーで講師を務め、そのことが翌日の新聞に掲載された。その日訪問した金融機関の支店長からその新聞記事とセミナーの話題を出してくださり、すごく嬉しかった。そうした気遣いが相手の懐に響いて、お互いにいい関係が作られていくのだと思う。

 人生は1日の積み重ね。限られている人生だけに納得のいく時間を過ごしたいと思っている。行き過ぎないように、でも必要とされる時にはそっと支えることができるような仕事を続けられたらいいなと思う。

女性のキャリア形成&マインドアップセミナー

 長野県経営者協会主催で「女性のキャリア形成&マインドアップセミナー」が開催された。今回は中信地域での開催で、4回のワークショップと2回のコーチングがある。第1回目は女性委員会M委員長の講話と私が折り紙を利用したワークショップによる自己啓発(?)のキッカケになる内容が織り込まれている。

 「職場で聞き取らないといけないとき、指導しないといけないときに何が必要なのか」の気づきにつながるようなワークショップである。シェアー会では、一人一人に感想や気づいたことを発表してもらった。

 その後のグループディスカッションでは、事前に出されていた課題「今までに印象的であったリーダー」についての意見交換がなされた。

 印象的であったリーダーは、いい意味でのリーダー像もあれば、こんな困ったリーダー像も含めてのディスカッションがなされ、非常に充実した1回目は終了した。

 ディスカッションで出された印象的なリーダーの中に困ったリーダーの話が印象的だった。

 ①自分が一番偉い。

 ②すぐ感情的になる。

 ③失敗は部下のせいにする。自分では責任を取らない。

 ④外部取引先や経営者にはいい顔をする。

新潟のT法人

 事務所で関与しているH法人の親会社が新潟にある。久しぶりに訪問させてもらった。今回で2回目である。その企業を新潟県民で知らない人はほとんどいないであろう。社会貢献もたくさん行っており、その一つに美術館を運営している。

 役員や経理部次長と1時間ほど対談させてもらったが、いつも感じるのは一流企業には一流の人が働き、また一流の人が育っていくということだ。社訓は「熱・誠・忍」であり、社員一人一人が心に刻み会社のために社会のために働いている姿にも学ぶことが多い。

 「熱」は情熱、主体性。「誠」は誠実、信頼。「忍」は忍耐、粘り強さ。時代によって解釈は変わっていくかもしれないが、根底はこれらの精神だと思う。

 平時のT法人と事務所のやり取りも、T法人はしっかりと事務所の変化を把握して、その都度お声がけをいただいている。そうした気遣いこそがT法人が手にしている信頼だと思う。まさに「誠」だ。

 これからの事業展開・方向性を確認し、事務所からは情報提供をしつつ、親会社であるT法人や地元のH法人と共に歩んでいけることの喜びを胸に長野に戻ってきた。

T法人本社社屋前の信濃川ギャラリーにあるモニュメント。T法人が新社屋建設を記念して新潟県に寄贈したとのこと。

T法人前の信濃川にかかっている柳都大橋。

柳都大橋から見た萬代橋

労使懇談会(連合長野と長野県経営者協会)

 年に2回行われる連合長野と長野県経営者協会の懇談会。今回は日銀松本支店長の真川伸樹氏を迎え、「長野県を取り巻く金融経済情勢」について考える懇談会を開催した。

 真川氏は「人手と経済活動」という演題で、

  1 最近の金融経済情勢

  2 人手不足感が強まる下での地域企業の投資・事業戦略

についてのお話をいただいた。

 興味深かったのは上記2の内容。2025年5月20日に公表した標題レポート(地域経済報告<さくらレポート>別冊)より取り上げられた事例だ。

 (1)AI等のデジタル技術活用の広がりとして、 

   ①労働投入量を一段と節約した事例  

   ②人員一人当たりの収益力を高めた事例

 (2)規模拡大を通じた収益強化策からの脱却として、 

   ①既存の製商品・サービスの高付加価値化など、質的向上を重視したケース 

   ②人手を要しない新たなビジネスを展開した事例

 (3)人員配置や事業・サービスの抜本的見直しで 

   ①収益性の高い事業への重点的な人員配置の事例 

   ②低利益率の製商品・サービスの廃止や採算の低い事業からの撤退の事例 

   ③他社への事業譲渡を検討・実施した事例

 (4)企業をまたぐ経営資源の共用化として 

   ①同業他社と経営資源を共用化し、事業を継続した事例 

   ②地域横断的な取り組みなど、より多くの企業・団体等と連携した事例

 以上のものが紹介された。

 大阪の経済団体では、企業間で人材やノウハウをシェアすることで人手不足の課題を解決できないかと考えてるとあったが、現在長野県の東信では、すでにこうした動きを開始しているところがある。

労使の共通課題としての意見交換は熱が入った。

連合長野の根橋会長のご挨拶

長野県経営者協会の松下会長のご挨拶

「戦後80年」県民世論調査

 「戦後80年」県民世論調査の報告書が手元に届いた。35問の調査結果が集計されているが、前回の「憲法公布70年」や「戦後60年」の時の調査結果と比べてみると興味深いものがある。

 憲法3原則のうち、国民主権について「大いに尊重されている」「ある程度尊重されている」の合計は55.8%であったが、年代別にみると若い年代ほど低くなっている。18歳~30代では「尊重されていない」が40.7%となった。

 平和主義においては、全体では「尊重されている」が69%である。年代別で見ると18歳~30代が77.0%を占め、年代が高いほど割合が低い。

 基本的人権は「尊重されている」が64%であり、年代別の差がほとんどなかった。

 憲法第9条の改正の必要性について、「改正する必要がない」は47.4%で、70代、80歳以上では5割を超えている。前回の「憲法公布70年」では「改正する必要がない」が60.2%であった。

 この調査は2025年6月27日~7月28日に長野県民に対して実施し回答率49.9%。有効回答のうち18歳~30代は全体の15.1%を占めている。これからの時代を担っていく若者たちが、いま社会がどの方向を向いているかをしっかりと認識して、自分が歩むべき道を自覚して行ってほしい。そのきっかけになった世論調査への回答だったら嬉しいと思う。

奥能登被災地視察

 北陸3県(福井県、石川県、富山県)・長野県経営者協会での役員協議会が開催された。今年は石川県が当番で、能登半島の被災地の復興状態を視察した。

2025年7月11日 ルート図

金沢駅からバスで「のと里山海道」を走行して輪島市まで。輪島市の被災地や仮設建物を見て回った。

のと里山海道 を走っていると、何事もなかったような風景が続く。

輪島市に入った途端、まだそのままになっている倒壊した家や倒壊しかけた家が出てきた。

ここからが朝市通り。地震が来る半年前に、ここに来ている。あまりの様変わりに胸が痛んで・・・。

重機の奥には造り酒屋の倒壊した姿。

賑わった朝市通りも、今はここから先は立ち入り禁止。

復興は遠い先。

仮設住宅

廃墟になっているのか・・?

昔はここまで鉄道が来ていて「輪島駅」となっている。

かつての輪島朝市がここにあった。

のと里山海道もまだ復旧中。

 実際に来たことがある場所だけに、地震による被害を目の当たりにして衝撃を受けた。こうした状況の中で生活をしている人たちのことに思いを寄せながら、何ができるか・・・。このままで終わってはいけない。ふと自分の生きる方向性に何かがはじけた気がする。

 石川県経営者協会の役員から「今日の視察でどう思われましたか?」と聞かれ、とっさに言葉が出なかったのはなぜだろう。

金沢市の夜は平和だ。

世界との関わり

 今年も櫻井よしこさんの話を聞いた。櫻井さんの話は、日常生活においてあまり意識しない部分を刺激してもらえる。いかに毎日の生活に追われてしまっているか・・・ということ。それだけに1年に1度のこの機会は大切だ。

 台湾有事は日本有事といわれているが、台湾の次はフィリピンで、それだけに第一列島線を中国に取られないように話し合いが進んでいる。大混乱の中に日本があるからこそ、日本が中心となって世界のリーダーシップをとることが必要だが・・・、現状では難しい。

 日本製鐵のUSスチール買収については、日本から鉄鋼業の幹がなくなってしまった。その原因は、3名の国会議員である、と実名を出してはっきり言っていた。その時の流行に乗ってしまう政治家はだめ。歴史観、国家観がない人間は政治家ではない。

 日本を立て直す時である日本国に何が足りないか。歴史の書き換えが行われている。

 そのほかイスラエル・イラン問題から核のこと、日本には見えないところで中国にコントロールされていることなど、日本人として目覚めなくてはならない内容だった。

 この講演会には常連がいて、その人たちと今回の講演内容を振り返りながらディスカッションするのが楽しみ。