妙義山系のバリエーションルートで1~2位を争うコースの一つが相馬岳北稜である。
3年ほど前に相馬岳北稜を踏破したが、その際にはその最難所のP12の正面突破が出来ずに巻道を進んだ。巻道と行ってもロープでの懸垂下降をするのだ。P12の山頂を踏まずに仙人窟に出た。その時は精神的にも目一杯で、P12のピークを踏むなど考えもしなかった。
下山してしばらくするとP12が気になって仕方がない。
2年前の2014年11月に相馬沢を遡行して仙人屈へ。仙人屈からP12に取り付きピークを踏んだ。その時に赤テープを木に巻いてきている。
今度はP12をP11とP12のギャップから正面突破をしたくなった。
調べてみると何パーティーかは正面突破をしているらしい。頂上直下にハングした大岩があり、そこが核心部。古いハーケンが残され、そこにはシュリンゲが下がっているとのこと。
やってみるか!
連休の第1回目の山は、P12別名つづみ岩である。ピークにて柏手を打つと鼓のように響くことからつづみ岩といわれている。実際にP12のピークを踏んだ前回は、そのつづみの音にも酔いしれたのである。
P12には相馬沢から登りあげるのが一番短い。
春のいい天気に恵まれ、3.5時間でP11とP12のギャップまで到達した。ギャップに乗り上げる岩場も核心部だった。フリーでの登りは結構スリリングである。クライミングの経験がないと無理かもしれない。
ギャップからP12を見上げる。
いよいよか。
もってきたクライミングシューズに履き替え気持ちを高める。
このコースをどうしてもリードでやりたかった。ロープOK。ビレイヤーに信頼を託しスタート。
核心部のハングした岩の手前でピッチを切った。下がっているシュリンゲはどのくらい信用できるか?
最初の一足がシュリンゲの下がっている地点の岩のでっぱりにかかれば正解。ここはクライミングシューズでないと難しいかもしれない。小さなでっぱりにつま先をひっかけて登るのだから。
目に留まったユキワリソウもにっこりほほ笑むだけだった。写真撮影の余裕はなし。
岩を乗り上げてからの手がかりも乏しく、なんとまあ~よくやったわ!
正面突破でP12の山頂に立てたとこは本当に嬉しかった。
2年前に着けた赤テープは白くなっていた。その上に新しいテープを巻きつけてのビールタイムは最高。
多分、もう2度と正面突破はやらないと思う。
P11とP12のギャップに乗り上げた。フリーで登ってきた核心部。
ギャップからP11の斜面を見上げる。北稜を登ってくるとこの斜面を懸垂下降するようになる。
ギャップからP12のルートを見上げる。線のルートで登りあげるのだが、幸いに木があるので高度感が少しは薄れた。
星穴岳。むすび穴と射抜き穴がよく分かる。あそこの空中懸垂も楽しいのです。
右から丁須の頭、赤岩、烏帽子岩。赤岩と烏帽子岩の小さな岩は七人星。全てピークを踏んでいる。興味ある人はブログで確認してね。
正面に山急山。手前に鶴峯山とジャンダルム。これらもすべてピークに立った。
すぐそこにカニのハサミ。ハサミの親指の下が仙人屈になっている。