1週間前に、劔岳北方稜線上からちょっと外れるがサンナビキ山に登頂した。北方稜線をつなげるうえで外せない山であるのがサンナビキ山。
来年以降滝倉山~毛勝山をつなげる予定であった。・・・が天気予報が10月2日~3日にかけて非常にいい。ということで急遽、平杭乗越から毛勝山まで縦走することにした。
計画は、片貝川・東又谷を遡行して二俣手前でテン泊。翌日に平杭谷を登り平杭乗越から西谷ノ頭を通過して毛勝山までの縦走。
成功すれば劔岳北方稜線で残されたのは、滝倉山から平杭乗越間となる。さてどうなることやら。
10月2日
赤倉谷。1週間前にはこの赤倉谷の左岸の尾根である赤倉尾根に取り付いた。
三階棚滝は左岸に高巻くルートがある。2年前にこの高巻で肋骨にひびが入ってしまったトラウマのルート。
ロープが切れそうになっているとの情報があったので、高巻からの懸垂下降用のロープを持参した。
ここを懸垂下降して、三階棚滝の落ち口に降りる。トラウマ克服!!
三階棚滝を過ぎると何ケ所かの高巻をして本流を進んで行く。
2016年7月に大清水を遡行してを毛勝山へ登頂したときに見つけた岩屋のテン場があるのだ。
テン場までゆっくりと5時間ぐらい。
満月の月明かりが一晩中テントの中を照らしてくれていた。静かに夜は更けていく。
10月3日
今日は長丁場になる。明るくなると同時に出発。といっても6:15スタートとなった。
平杭谷は2018年に遡行しているから様子が分かっている。平杭乗越までは気が楽だ。
1434mピークの左に入り込むと貫ノ寺谷。ここを過ぎると平杭谷になる。
石川の山友のMさんとKさんが何年か前に付けてくれた印。これがあるから平杭乗越と確認できるのだ。でないとヤブヤブでよく分からない。
Mさん、Kさん有難う!
いつも思うけれど、歩いた山を別のところから眺めることができるのはいいものだ。
さあ~これから西谷ノ頭に向かって進むのだ。ヤブヤブをグングン漕いで、まあ疲れますわ。
再び藪の中に突入。激藪でなかなか進まない。スタートから約6時間かかって西谷ノ頭に到着した。
しばらく藪と再び格闘した。と、突然藪から抜行けだすとテン場にいい気持のいい空間が合われた。そして池塘があった。
ここは夏はお花畑であろう。その名残がたくさん。でも無雪期に来る人はほとんどいないから、ここでのお花畑に出会った人は・・・?
今の季節に、この場に出会えたことはとても嬉しい。
いよいよ毛勝山への登りと取り掛かる。天国への階段と呼ばれる。しかしまた藪が出てきて、どこが天国への階段?なの。
しばらく藪と格闘。それにしても濡れた沢靴もしょっているから荷物は重いし、両手で体を持ち上げながらの登りはきつい。
間もなく草付きに出た。
と思ったら、目前に大きな岩稜が。同ルートをとるのだろう・・。
立ちはだかった岩稜の傍まで行ってルートどりを確認。結局岩の際を右に巻いた。
やっと毛勝山の山頂手前が見えてきた。ここから2時間弱はかかるかもしれない。ここまで来ると時間との競争だ。
時間との競争は分かっているんだけれど、振り返ればこんなに素晴らしい眺望がある。今まで歩いてきたルートの一部。そして来年に回すルートは、滝倉山からウドノ頭の下の平杭乗越まで。
そして前方(南)には劔岳からの稜線が。今回初めて姿を現してくれた劔岳。
やっと毛勝山の肩に乗り上げた。2016年7月に大清水を登り上げて出た毛勝山の稜線に到着。すごく嬉しくて涙がちょっぴり。感動です。
これで平杭乗越から劔岳まで稜線がつながった。
苦労したが歩き通すことができた喜びは大きい。宇奈月温泉から滝倉山までも繋がっているので、後は滝倉山から平杭乗越までの稜線を繋ぐことだ。ウドノ頭が難物。
毛勝山で過ごす時間はすでにオーバー。駐車場所に戻るまでには暗くなってしまうのは確実。
急ごう。ヘロヘロになりながら下山に取り掛かった。
この毛勝山からは登山道があるので気は楽。クワガタ池がよく分かる。
クワガタ池に到着。東又谷の大清水右俣を詰めるとこの近くに出る。
2日目に歩いた時間は14時間。
途中ヘッデンのお世話になりながら午後8時に駐車場所に到着した。とても疲れたが、今回の目的が達成できたことの充実感。満足満足。
残すは滝倉山と平杭乗越間。来年にチャレンジだ!