妙高山の東に座する前山(1932m)は登山道がなく残雪期に登る山かもしれない。それをあえてこの季節にチャレンジしてみようと地図を眺めた。燕温泉から入山して天狗堂までの一般登山道を利用し、天狗堂手前に張り出した尾根に取り付くことにした。
燕温泉からの妙高山コースは約22年ぶりである。SBCスペシャル「うるわしの北信五岳」の収録のために、息子と二人でこのコースをたどって妙高山の山頂に立ったという思い出のコースだ。
こんな登山道だったかなあ~と思いながら林道途中から右の登山道へ入った。何の疑問も持たずに進んで行くと道がどんどん悪くなり、温泉湧出場所についてしまった。林道から入った道は温泉監視路だったのだ。
来た道を引き返し林道に戻る。
気を取り直して林道をさらに進んで行くと妙高山登山口と書かれた標識が出てきた。ここまでで約1時間の浪費(?)。早出をしてきてよかった。
時間はたっぷりある。やがて見覚えのある管理棟が現れた。前回に登った時は真夏だったので、ここで水をたくさん飲んだのを思い出した。
ガンガン一般道を進んで行くと大きな滝が現れた。光明滝と称名滝だ。水量も多く見ごたえ十分。北地獄谷麻平まで来た。ここまでで単独行の男性3人に追い越された。これがラッキーだった。この先からの雪渓にトレースを作ってくれたからだ。ステップを刻んでもらっていたので、右足を故障している自分にはとても助かったのだ。雪渓は結構急斜面。慎重に登って行く。やがて夏道が再び現れた。天狗堂が近い。
地形を見て尾根に取り付いた。いよいよだ。予想通り笹藪である。地図では2つ目のピークが前山山頂になっているが、実際には地図に表れていないピークがもう一つあり、ピーク3つ目で前山の山頂に立つことができた。尾根に取り付いてから1.5時間であった。いつもの藪漕ぎよりは楽であった。山頂からは西に妙高山と赤倉山、北に大倉山や神奈山、南西に黒姫山がよく見えた。
温泉沸出地へ間違って進んだ途中の核心部の雪渓。急斜面でステップを切って進んだ。