釜無山~東谷ノ頭

 1週間前に甲斐駒ヶ岳から南アルプス最北端の入笠山までの稜線をつなげるために、点名・黒河内を経由して白岩岳までを歩いた。残すは釜無山と東谷ノ頭の間である。
 来年に持ち越そうと思ったが、どうも気になって仕方ない。ということで、釜無山~東谷ノ頭を繋げてしまえ!
 釜無山へは入笠山経由でピークを踏んでいる。同じコースでは面白くない。ならば釜無林道から取り付いたらどうだろう。
 すごくいい考えに自画自賛しながら釜無林道に向かった。
 この林道は鋸岳に登る登山者が主に利用する。かなり手前で通行止めになっているので、長い距離の林道歩きが大変だ。私も過去において何回か利用した。登山道のない編笠山の登った時や沢登りで鬼の窓沢へチャレンジしたときなど・・。
 今回は駐車場所から10分ぐらいの洞ヶ沢左岸に取り付く予定だから気が楽だ。
 さすがこの時季、誰も入山する人はいないようだった。
 いきなり急登の斜面に取り付く。下草がなくて快適に高度を稼ぐことができる。3本の林道を横切るのだが、途中南アルプスの素晴らしい姿を見ることができた。先週は曇り空だったが、今日は晴れ。青空に白くなった甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳が立派であった。
 最後の林道を横切ってさらに急斜面に取り付く。ここからは背丈以上の笹藪が続き、いつもながらの平泳ぎ(?)だ。でもこれがなくちゃね!
 笹藪が途切れると間もなく入笠山からの登山道に飛び出した。一般道は楽ちんだ。すぐに釜無山山頂。三角点をチェックして、今回の目的である東谷ノ頭を目指して稜線を行くことにする。
 ここからはまた笹藪。忠実に稜線をたどり一気に鞍部へと下る。ここでの強風がすごかった。風速20mはあったかもしれない。体がもっていかれそうになり、一歩一歩進むのにも慎重になる。
 やがて正面に東谷ノ頭が見えてきた。また急登だ。30分ほど登り続け平坦部に乗り上げた。ここから約500mで山頂だ。
 心が急ぐ。まもなく稜線がつながるその時のことを思うと、胸が一杯になる。東谷ノ頭へは、今年5月に登っている。その時に行ったいつもの儀式は残っているだろうか・・・。
 到着した山頂には5月の足跡がそのままになっていた。7か月の間に何人の人がここに来ただろうか・・・。
 ずっと温めてきていた甲斐駒ヶ岳から入笠山までの稜線歩き。やっと繋がったという喜びにちょっぴり目から汗が出てしまった。

 

2019年12月14日 ルート図

 

素晴らしい姿を見せてくれた八ヶ岳。

 

これ霜柱。

 

途中林道を横切るときに素晴らしい姿を見せてくれた。

 

かつて歩いてきた山から呼ばれているような・・。

 

この位置から見る姿は今日で最後だろう。これらの稜線をすべて歩きつくした。

 

右に甲斐駒ヶ岳。その手前は大岩山で奥に鳳凰三山。

 

こんなやぶを漕いで釜無山山頂を目指す。

 

釜無山山頂。

 

釜無山山頂から本命の東谷ノ頭を目指すが、背丈以上の笹藪を漕いでいくのだ。

 

再び甲斐駒ヶ岳から仙丈ヶ岳の姿。

 

倒木がすごい。

 

東谷ノ頭の三角点。

 

5月に残した足跡はそのままになっていた。嬉しい。

 

下山は洞ヶ沢の右岸に出た。