沢を遡行しながら標高1900m以上の山のピークを踏むことができるところはないか・・と地図とのにらめっこで、与田切川ヤケガレ沢を遡行し黒覆山(1905.7m)のピークを経由してイド沢を下降するというルートが浮かんだ。
台風の関係で日帰りコースのチョイス。
日本登山体系によると、「直登可能な小滝の連続で沢も短い。初心者向きの沢といえよう。」となっている。尊敬する南川金一氏は、黒覆山に2000年11月に登頂している。じゃあ~行くか!行くしかない!
現在は途中で通行止めになっているシオジ平自然園に続く林道を車止めのある所まで入っていく。そこが与田切川ヤケガレ沢の入渓地点になる。
与田切川を渡渉し左岸に移りヤケガレ沢の入渓口に立つ。
いきなり10mの出合の滝。左岸を登る。ワクワクだ。小滝が続き楽しくどんどん登っていくと、やがて二俣。ここは左俣を進む。
この二俣からが核心部であった。3段20mの滝はシャワークライミング。緊張と楽しさが交差し、最後の10m滝を越えたら水は細くなり笹藪に突入した。
笹藪を約1時間こいで黒覆山の山頂に到着した。ここもササに囲まれた全く眺望のない山。でも南川氏もここに立ったと思うと嬉しくなる。三角点があるはずだがどうしても見つからなかったのは残念であった。
すぐにイド沢下降に取り掛かる。一面の深い笹なので、沢地形を確認するのが難しい。黒覆山山頂から真東に下る沢筋がイド沢となる。
足元を確認しながら少しずつ下り始めたら、やがて細い沢筋が出てきた。これでいい。しかしすごい泥沢だ。泥だらけになりながら下降していくと、やがて三俣に出た。地図で確認すると、この三俣から南に下るようだ。
ここから先が素晴らしかった。ナメ滝やナメ床が連続している。何回か懸垂下降をして約2.5時間イド沢の出口に出た。ほっ!とつかの間。与田切川渡渉では、腰まで水につかることになってビックリだった。これがとても愉快だった。
左岸からこうしたガレが入ってくる。ここまで来るとまもなく二俣。
二俣にやってきた。左俣に進むのだ。ここから先が核心部。や~緊張する?
中間のバンドに乗っかって下を見る。
三俣までやってきた。イド沢はここから南に方向を変える。水量が増え、気持ちいいイド沢下降が続く。三俣を過ぎて最初の滝。左岸を下降。
やがて出てきた3つの堰堤を越して与田切川に飛び出した。腰まで水につかり右岸へ渡渉。これはイド沢の入り口。