樽ヶ沢山の存在を知ったのは、南川金一氏の「続 山頂渉猟」であった。国土地理院地図にも山名の記載はないが、大棚入山北方に座している2171mのピークの山だ。
今年最後の山行は、この樽ヶ沢山に決めた。来年に南川氏とお会いする機会がいよいよ持てそうなので、少しでも南川氏の足跡を追っておきたかったから。
天気にも恵まれ素晴らしい1日となった。
平成28年に完成した林道が白川橋から伸長され、車で行けるところまで進入。30分ぐらいは歩行時間が助かったかもしれない。
スタート地点からは中央アルプスの茶臼山が光って見えた。これだけでも嬉しい。
さ~スタートだ。
いきなり笹藪の中に突入する。笹藪の薄いところを狙って進んで行った。南川氏の記録にもあったが、朽ちた金網が出てきて今では当時の幼木もかなり成長していた。金網の中を歩く。やっぱり歩きやすい。金網が尽きるとまた笹藪である。しかしすぐに立派な踏み跡が出たり藪で消えてしまっていたり。
尾根を忠実にたどり、やがて1758mのピークに着いた。歩きやすい場所もある。こんな調子で続いてくれれば・・と思って登っていくと、前日に降った雪が乗っかている笹が出現。ストックで雪を払い落としながら登っていく。
振り返れば南アルプスが遠くに見える。元気が出るなあ~。
約5時間弱で樽ヶ沢山に到着した。笹藪でシラビソに囲まれ眺望はなかった。いつもの儀式をしてすぐに下山に取り掛かった。
笹藪が切れたところで、暖かい日だまりを探して今年最後のランチビールの時間を楽しむ。今年も満足いく山行ができたことに感謝。南川氏とも何度か連絡を取らせていただけたのも嬉しかった。
1年を振り返る時間がゆっくりと過ぎて行った。
南には大棚入山。思い出すわ。
仏谷西ノ肩が木々の合間から見えた。