まだまだ狙える中央アルプス。経ヶ岳にはまだ登っていないが、なぜかその周辺の山にばかり足を運んでいる。
今回は奈良井ダムの近くから入山する坊主岳。しかし坊主岳だけでは面白くない。北に稜線でつながる天照山までのピストンを計画した。中央分水嶺の山である。
坊主岳は簡単に往復できる地元の山。南川金一氏が登った時にはなかった登山道がしっかりと整備され、お手軽に登ってしまうことができる。その先の天照山は地図上には名前が入っていないピークである。
南川氏によると、奈良井の地元の人たちは天照山を「あてら山」と呼んでおり、地元では危険な山として入山者はほとんどいないらしい。天照沢の源頭の山であり、この山によって奈良井の日照が妨げられることへの恨みが込められているのではないかと『続山頂渉猟』に書かれている。
坊主岳には立派な山道ができているが、その通りに歩くのは面白くない。
しばらく沢に沿って奥へ歩き適当なところで斜面に取り付いた。急斜面を登りきると稜線上の登山道に飛び出し、あとは道に沿って坊主岳の山頂を目指した。
少し風があるが、坊主岳からの眺望は素晴らしかった。西正面に木曽御嶽山、その右に乗鞍岳。振り返れば仏谷のピークが立派で、その奥に経ヶ岳と黒沢山。南には大棚入山とその奥に中央アルプスが少し雲に隠れていた。
風が強くなってきた。
今日の本目的の天照山へ向かう。真北に伸びた稜線を忠実にたどる。ささやぶが背丈以上のところもあり、いつも通り泳ぐように進んでいく。30分ぐらいで天照山のピークを踏むことができた。
山頂を示すプレートはない。眺望もよくない。いつも通りの儀式をしてすぐに引き返すことにした。途中登ってきた坊主岳が立派だった。
途中から登山道に飛び出したので、簡単に坊主岳の山頂に到着した。山頂標識の後ろのピークは仏谷。