オルダニー島3日目は、島の西半分を回る予定だ。地図を片手に、オルダニー島の歩き方にも慣れたのでちょっと気が楽になった。
やっぱり日本と勝手が違うので、地図の見方などなれるまで大変なのだ。海外に来ていつも思うのは、地図の精密さに慣れてしまっているので海外でもらう地図をすべては信用できない。大雑把なのだ。
2024年9月4日 ルート図
昨日歩いた「マドンナ・ストーン」までは一緒。2度目だから結構早くに着いた。
昨日はここから左(東)の道を行った。今日はなんとなく踏まれている海の崖のほうに降りていく道を行く。急な下りで道も狭いが登山をする者としては慣れたもの。
崖っぷちまで行ったら見えなかった風景が現れた。こうした岩山が好き。しかも海の中に点在しているのがいい。
ここからは海の崖沿いに西に向かって歩いていくのだ。途中木の橋もあった。
今日のコースは難易度が高いコースである。かなりのアップダウンもあり、距離も長く、結構きわどいところもある。そしてシーズン中には、たくさんの花が咲く地域のコースでもある。
夏の終わりに近づいているので、思ったより花は少ないかも。目につく花はオルダニー島で初めてのものもあった。
La Grande Blayeの海。こうした奇岩がいい。
ナポレオンの通信塔が出てきた。このわきを通って南に進み、また崖のふちを西に歩いていく。この塔は、ナポレオン戦争の際にフランスとチャンネル諸島の諸地域の通信を取るために、1809年に建てられたものだ。
海の色は空の色。しばし海を眺める時間を過ごす。今のところ誰にも会わないいい時間。
ここから少し崖っぷちを離れた。崖から離れてすぐに馬が放牧されていた。カメラを向けたらカメラ視線で応えてくれた白馬。
かすかなふみ跡をたどっていく。あまり人があるかないコースなのかも。いつも薮漕ぎをやっている者としては何の不安もないけれどね。また海に近づく。
海にある岩の形がたまらない。楽しくなる。
そしてこのきれいな色。吸い込まれそうになる。
あっ!ここから「Les Etacs」が見えるではないか!ここは北に生息する海鳥の世界の1%がいるところ。白い海鳥で岩が白く見える。自然保護地区となっている。
テンションが上がったまま先に進む。花も咲いている。・・・が、ここからが勝負だった。これから先、難所に向かうのだ。インフォメーションセンターでは、急な岩の登りで両手を使って登るからやめたほうがいいと言っていた。
しかしだ。だいたいいつも大げさで、実際にはそうでもないことが多い。
マークしたところを下り、これより急斜面を直登するコースになっていた。でも両手を使うことなく、また岩場でもなかった。やっぱりね・・・。
難所をクリアして「Les Etacs」の展望台にきた。この先に駐車場があるらしく、観光客が何人かやってきていた。
海鳥がたくさん舞っている。岩にもたくさん止まっていて、岩が白く見える。
ここからも崖の際を進んでいくことにした。Hannaine Bay の美しさ。ず~と見ていたい気分。
花を楽しみながら、かすかなふみ跡をたどっていく。やがて見えてきたのは「Fort Clonque」。ここには、引き潮の時にしか渡れない要塞。1855年に造られた。10個の砲台があり59人の人が常駐していた。
ちょうど引き潮で渡れるので要塞まで行ってみることにした。
要塞に行く途中から、今まで歩いてきた方面を眺める。いろんな形をした岩も、見る方向によって違う形だわ。
要塞までやってきた。中には入れないが、改めてオルダニー島の歴史を感じる。
この要塞からまた山道に入った。山道経由で「Roc L’Epine」を目指した。車道はなるべく歩きたくないからね。山道に入ったおかげで、また花に出合えた。
アップダウンを繰り返して目的の「Roc L’Epine」に到着。「Roc L’Epine」 はBC4000年にさかのぼる墓。墓の石は2か所で支えられている。BC4000年につられて見に来た。
誰の墓なのか分からないが不思議な雰囲気が漂っている。
すぐ近くに「Fort Tourgls」。1855年に造られこの島で2番目に大きな要塞。
正面に「Burhou Island」。ここは鳥の聖域。11種類の鳥が、ここでつがいになる。つがいをなす場所としてここを選ぶ理由は、海水に栄養分が豊かに含まれているからとのことだ。
Platte Salineの海岸は、オルダニー島の北側だ。素晴らしい海の色に魅せられながら海岸を歩いて行った。
ここは「Crabby Bay」。海の色がとても濃い。気持ちよく砂浜を歩いて行ける。
「Crabby Bay」の一番北には「Fort Grosnez」がある。ビクトリア朝の要塞として最初に造られたもの。
ここで昨日歩いたところとつながった。オルダニー島は小さい島で、どこへでも歩いて行ける。街中を歩いていると、地元の人が必ず声を掛けてくれる。「HELLO!」
ここまでのチャンネル諸島はすごく面白かった。日本から来たというと、みんなビックリしていた。私もチャンネル諸島のことは知らなかったが、パリに行く前にどこかないかな・・・と地図を眺めていて探し出した場所だ。
海外での時間を過ごしていると、いつも人の優しさを感じる。何かあっても何とかなる。チャンネル諸島での時間は楽しく、自然の中で目一杯深呼吸をして過ごすことができた。日本からくることにハードルが高かったが、来てよかったと思う。
明日はパリに移動する。いよいよパラリンピック観戦の時。