東京国立博物館で開催されている『神護寺・空海と真言密教の始まり』展に行ってきた。さすが連休中。チケットを購入するのに20分かかったほどの混雑。外国人もたくさん来ていた。
京都神護寺にはまだ足を運んでいない。ここで神護寺展を観たら、今度京都に行くときには、神護寺に行ってみたいと思っている。
実はこの神護寺展の楽しみの一つに『神護寺絵図』を見ることにあった。『神護寺絵図』に描かれている伽藍の様子だが、護摩堂の左下、清滝川側に巌屋がある。この巌屋が今は確認できないらしい。まだ実際の『神護寺絵図』を見たことがなかったので楽しみにしていた。
『神護寺絵図』は鎌倉時代に描かれたもの。ネットでしか見たことのなかった『神護寺絵図』の前でドキドキしてしまった。巌屋も確かに描かれている。
同じ展示会場に室町時代に描かれた『高雄山神護寺俯瞰図』も展示されており、そこにも巌屋があった。
展示会場に入って一番先に展示されている『観楓図屏風』は紅葉の名勝・高雄として狩野秀頼が安土桃山時代に描いたものだが、そこには巌屋がなかった。
ちょっと拘っていた巌屋。巌屋がいつどうなったのか神護寺にいったら確認してみたい。
曼荼羅は素晴らしかった。じっと目を凝らしていると諸尊が浮かび上がってくる。空海自身が直接制作にかかわったらしい。
薬師如来像を中心に、日光菩薩立像と月光菩薩立像が両側に立ち、私は薬師如来像の優しげな感じが、すべてを受け入れてもらったような気がした。
五大虚空蔵菩薩坐像、愛染明王坐像、四天王立像、十二神将立像もそれぞれ見ごたえあり、神護寺桜門に安置されている二天王立像は、ひときわ輝いていた。
二天王立像。右が持国天像、左が増長天像。