メンドーサ4日目・アンデス山脈とアコンカグア

 2025年1月2日

 メンドーサ4日目を迎えた。今日はアルゼンチンでのハイライトであるアコンカグアを見に行く予定である。アコンカグアを見に行くには、個人では難しくどうしてもツアーに参加しなくてはならない。大勢のツアーに入るのが嫌だったので、プライベートツアーを依頼した。

 予定時間より1時間遅れてガイドとドライバーが到着した。スタートから、もうどうなるかと思った。ガイドもドライバーもその件については何も言わないのがアルゼンチン式?まあ~これからの期待感がさらに高まったということで、気持ちよくスタートしてもらった。

 サンティアゴからメンドーサへ来た時のルートを逆にたどっていく。国道40号線から7号線に入り西方面に進んでいくのだ。

 チャクラス・デ・コリアという地域に入った。ここは中心地からの移住者が多いところだそうだ。緑が多く住みやすそうであった。

 メンドーサは運河が発達しており、街中にも運河があるという。確かに道のわきには運河というか水路があったが水は流れていない。しかし実際には利用しているとのことで、住民にとって重要な役割を果たしているという。

 またメンドーサは、アルゼンチンで4番目に大きい街で3000万人の住民がいる。

 こんな話を聞きながら、車は快適に走り国道7号線に入った。この7号線は、アンデス山脈の入り口からアンデス山脈を横断してサンティアゴへ抜けている。

アンデス山脈の入り口を過ぎたところにはトンガト山。お饅頭のような形をしているのが特徴。

ポトレリージャス貯水池。ダム湖になっていて、メンドーサの住民の生活用水と水力発電による電力供給源となっている。

 このポトレリージャス貯水池にはメンドーサ川のアンデスからの泥水が流れ込み、ここで自然浄化され、きれいな水になってメンドーサに流れていく。 貯水池にたまった泥は、2年に1度ポンプによってきれいにされている。

やがて見えてきたのはアンデス山脈のエルプラタ山。6000m超の山、雲の上に顔を出した姿に私は興奮した。

少し早いとは思ったけれどお茶の時間。アルゼンチンの飲み物は、マテ茶が中心だそう。しかし紅茶とアルゼンチンの代表的な菓子であるアルファフォル。チョコパイに似ていた。

アルファフォル

楽しいお茶の時間が終わって出発!アンデスの山々を眺めながら国道7号線を進んでいく。青空だから、アコンカグアの勇姿に期待感が高まる。

車を止めて説明してくれた山がボネテ山。

トュフンガート 6600m

トローザ 5300m

 少し走っては車を止めて説明をしてくれた。

 そしてたどり着いたアコンカグアの展望台。駐車場所から遊歩道が整備されていた。

展望台への遊歩道。

遊歩道の両側はお花畑。目を楽しませてくれる。

 半分雲がかかっているけれど、期待していたアコンカグアが見えた。ピークが2つあり、今見えているのは高いほうのピーク。

アコンカグア

 アコンカグアは現地の言葉で「岩の番人」という意味で、初登頂は、スイス人ガイドのマティアス・ツールブリッゲン。

 この周辺の山々も素晴らしい。いつまでも眺めていたい気持ちにかられる。アコンカグアと向き合って何を語り合いたかったのか・・・。言葉にならない思いを、心地よく吹く風が届けてくれるといい。

 アコンカグアの全姿は見ることができなかったが、その空気に触れることができて嬉しかった。自分にとって、これからもアコンカグアのピークを目指すことはないだろう。地図でノーマルルートを確認して、でももしかしたらこのノーマルルートでなら登れるかもしれないってちょっぴり思った。

 いつまでもここに居たいがそう言う訳にもいかない。次の場所へと移動することにした。

 ここはインカの橋といわれるところ。

 インカの伝説によると、ある時皇帝の息子が病気になった。祭司に相談したところ、南のほうに行くと温泉があるのでそこに浸かりなさいと言われた。皇帝と家臣たちは息子を連れて南を目指し、温泉のある所にたどり着いたが、川に阻まれて渡ることができなかった。そこで家臣たちは身を挺して人間の橋となり、息子はその上を渡り、温泉に入って無事病気は治癒した。しかし橋となった家臣たちは、そのまま石になりその川に架かる石の橋となって残ったといわれている。

 科学的には、氷河期にこの川全体が凍り間氷期になって氷が解けた時ミネラル分の関係でそこだけがセメントのように水が固まって残ったものとされる。

科学的な現象を証明するように、バックパックをミネラル分の多いこのあたりの水につけて30日ぐらいしたら、石化したバックパック。

石化したバックパック

インカの橋と温泉施設。遠くに残されている教会。

 ここには残された線路がある。

 旅客列車は1979年まで動いていた。その間に、ここがリゾート地となりメンドーサから鉄道を使ってこの地まで多くの観光客が来た。その時代には、ホテルと温泉施設が建築され大変にぎわった。しかし、鉄道は廃止され、ホテルは落石で崩壊し、当時の教会だけが残っている。

メンドーサから続いている線路の名残。

 ガイドと一緒だといろんなことを聞くことができて面白い。今日のメニューは、あと食事だけ。

 地元らしい店に連れて行ってもらった。ガイドとドライバーと食卓を一緒にして楽しい会話も弾んだ。

地元民や観光客でにぎわっている。

ビールをお願いしたらアコンカグアビールが来た!右はガイドのジュリアン、左はドライバーのアウグスティン。

帰りのルートも7号線から40号線を走る。7号線を走っているときに、南側のアンデス山脈が雪になっていた。ビックリした。

 遠くに見えるのは製油所。

 メンドーサの熱源は、原発が3基、水力発電が主で、化石燃料による発電もあるとのことだった。太陽光発電は最近始まったそうだ。

製油所