ガーンジー島の2日目の朝を迎えた。
昨日もらったガーンジー島の資料を見ていたら、日本ではどうしても情報が取れなかったターブル・デ・ビオン(妖精の環)のことが載っている。とても行きたかった場所である。
早速地図で確認した。なるほど、西の岬にあるのか。ガーンジー島内の移動は車かバスになる。鉄道がない分バス路線が充実していて、非常に便利そう。 ターブル・デ・ビオン はプレイモントというところで下車し、約30分歩いたところにある。
今日の予定を変更して、フォート・ホメット(要塞と貝殻で造られた教会)~ ターブル・デ・ビオン というふうに変更した。
ターミナルから42番のバスに乗車。バスに乗ってみて分かったことは、各停留場のアナウンスが全くないことだ。電光掲示板での表示もない。ここでスマホの登場となった。グーグル・マップで確認しながら、下車するバス停をチェック。フォート・ホメットというバス停で下車した。
バスターミナルの42番バスの乗り場。
フォート・ホメット というバス停で降車して少し歩きだしたら、「 フォート・ホメット 」の標識があった。安心して標識方面に向きを変える。
車道からはずれて、海を目指しながら好きなところを登っていく。たくさんの花が咲いていて嬉しくなる。
海が見えだすと思わず声が出た。こういったの大好き!
正面の岩に登ってみた。少し風が強かったので、吹き飛ばされないように慎重になる。高さ10メートルぐらい。海外はすべて自己責任。日本のように「立入禁止」看板なんてない。
登った岩の上からの眺望。
左手にはこれから目指すフォート・ホメット(Fort Hommet)が見える。
フォート・ホメットまでやってきた。
19世紀にイギリス軍によって建設された要塞で、第二次世界大戦中にはドイツ軍によって一時的に占領されたらしい。
壁と床に貝殻が張り付けてある神殿。
ここはシーズン中、火曜日と土曜日の14:00~16:00のみオープンである案内が壁に貼られていた。今日は土曜日。ならば14:00まで待っていよう。ここに来るのが明日だったら、この中には入れなかった・・・。不思議な気がする。
聖心の神殿
14:00までバス停の近くのレストランでお茶を飲みながら時間を待った。再びフォート・ホメットを目指して歩いていく。
神殿の扉が開いていて、ドキドキしながら中に入る。扉をくぐったらすぐに目に入った貝殻。貝殻で「SHRONE OF THE SACRED HEART」と書かれていた。「聖心の神殿」という意味。
もともと貝細工を趣味としていたヒューバート氏が、1960年に大戦中強制労働をさせられた奴隷・労働者のために神殿を造ろうと決意して、友達で画家のバート氏と一緒に建築を始めた建物だそうだ。
「聖心の神殿」の内部。
貝殻が敷き詰められている。
この神殿については、フォート・ホメットへ来る直前に知った。
フォート・ホメット へは、今日にするか明日にするか迷ったが、結果、今日の土曜日に来ることを決めた。明日に回していたら、この神殿には入れなかっただろう。本当に不思議。
バスの時間があるので、引き返すことにした。
92番のバスに乗って、次はプレインモントを目指す。ここには日本では情報が取れなかったターブル・デ・ビオン(妖精の環 )があるところ。念のためにバスのドライバーに下車するときに声を掛けてもらうようお願いしておいた。
バスを降りて歩き出す。海に近いところから山道を登っていくようだ。結構な登山気分が味わえていい。約30分上り詰め下りになったかと思ったら、目指す妖精の環が見えてきた。
えっ?て感じ。もっと大きなものを想像していたがそうではなかった。ターブル・デ・ビオンは、魔女と妖精の会合の場であった。真ん中がテーブルだった?
周りはいくつもの石で囲まれており、まあるい溝が崩れないようにロープが張ってあった。実はストーンヘッジのように大きなものと想像していたのだが・・・。
でもターブル・デ・ビオン には行けないだろうと思っていただけに、実際に来て確認できて納得だ。
囲んでいる岩に文字が刻まれていた。
この付近一帯は山に囲まれている。そしてところどころに岩稜があり、その岩にも自己責任で登れるわ。全ては歩き回ることができなかったが、クライミングを楽しみながら時間を過ごした。
あの岩の頂上まで登ってみた。上から下を歩くハイカーに声を掛けたら「Careful!」と返ってきた(笑)。
バスは1時間に1本しかない。そろそろ戻ることにした。地図がないので同じ道を戻るのが一番確実。車のある人は、この近くまで車で来ることができるようになっているのだ。車道を歩いていくのもシャクだし、大回りになるから時間がかかる。
帰りの道で見つけたワラビ。たくさん出ていた。
多くはなかったが、ここで咲いている花にも出合った。
かなり遅れて目的の92番のバスがやってきた。今度は終点のターミナルだから気が楽。約30分乗って見覚えのあるターミナルに戻った。
今日も素晴らしい出合いがあった。今日でなければだめだった「聖心の神殿」 の中にも入れたし、やっと得た情報でターブル・デ・ビオン にも行き納得できた。
そんなことを振り返りながら、ホテルのパティオでビールを楽しんだ。今日も充実した1日だった。そして私にとってはいろんな巡りあわせが一致した日でもあった。