戸隠の沢は面白い。何より人はいないし、ある程度のクライミング要素も楽しめるからとても好きだ。そして知られていない滝の前に立つことができるのも嬉しい。今年は沢靴が大活躍だ。
楠川の不動沢には何回入渓したことだろう。窟探しで不動沢を遡行して途中斜面に取り付いている。
今回は、不動沢右俣を遡行して、赤石の滝を見に行こうと思った。先週は、ダイレクト尾根を登って黒滝を見に行っている。赤石の滝も黒滝も、裾花川本流のクロ滝もあまり知られていない・・・と思う。
2024年8月17日 ルート図
楠川の不動沢に降り立ってすぐに沢靴に履き替えて遡行開始。水量は多くないから、気軽に水の中に入ってのウォーキング。(WWという)
気持ちいいナメが出てきた。今までは窟探しだったので、不動沢に入っても登山靴のまま沢を楽しむこともなかった。だからナメが出てきて、今更のようにナメの美しさに気が付いた。沢靴だから、快適に登っていける。
大岩も出現して、どこを越えていこうか!
シラヒゲソウ
不動沢の二俣に到着。今回は右俣に進む。左俣を進むと、うまくいけば本院岳と八方睨みの間の稜線に抜け出ることができる。今回は滝を見たかったから右俣に。
右俣に入ると、急にグレードがアップした。行けるかな?とちょっと不安になったり。大岩が前に立ちはだかることが多く、微妙なバランスで突破していく。緊張の連続だ。
これが赤石の滝?と一瞬思ったが、地図で確認するとまだ先のようだ。この滝と大岩をどう乗り越えるか!結局ここは右から巻いた。しかし岩の乗り上げるにも大変。
岩壁から落ちてくる滝が見えてきた。あれが赤石の滝。2段になっていて、上段には近づけない。水量は少ない。戸隠の滝は水量が少ないんだ。
赤石の滝の下段。
ちょっと登ってみた。シャワークライミング。登ったはいいけれど、降りられなかったらどうしようか・・・と考えたら、固まってしまった。
目的の赤石の滝に到着できたので、今日はここまで。というより、ここから先は進めない。岩壁だからね。
赤石の滝から振り返ると、壮大な岩壁が続いていた。本院岳は雲の中。
同じルートを下山しても面白くない。岩壁に沿っていけるところまで行ってみることにした。気持ちの中には、まだ未発見の大多和窟に出合えるといい・・・なんて思いながら。
昨年の11月4日に発見した窟に、また出合った。残念なことに、ここは大多和窟ではない。立派な窟だが、33窟には数えられていない。
石祠もないし。
昨年の11月に来た時と同じ尾根を下っていったら、ここにも窟があったが、やはり大多和窟ではない。
今日の目的は、沢を遡行して赤石の滝を見ること。緊張の連続だったけれど、その目的は達成できた。嬉しかった。シャワークライミングもできたし。ただ、気持ちに何となく引っかかっている大多和窟に、最後に拘っちゃったのはどうしたものか?
33窟に、戸隠の沢に、もう少し楽しみながら通い詰めたい。