信濃川火焔街道

 5000年前に信濃流域で生み出されたという火焔型土器。縄文文化を象徴するものである。一昨年の12月に火焔型土器なるものを知って、昨年の5月に信濃川火焔街道の一部をたどってみた。その後チャンスがなかったが、天気が安定しないこの長期休暇に、再度火焔型土器に会いに出かけた。

 時間がたっぷりあったので、まずは津南町にある柱状節理の石落としに行くことにした。苗場山麓ジオパークの一部で、中津川の対岸にある通称石落しと呼ばれる柱状節理を望むことができる。

 見事な柱状節理である。時々柱状節理が崩れ、ガラガラと音をたてて落ちることから「石落し」と呼ぶようになったらしい。この柱状節理の基部に中津川が流れている。

石落し

遊歩道も整備されていて気持ちよく歩ける。クマが生息しているとのことで、クマ鈴をつけて一周した。

クズの花が咲いていた。

 この柱状節理は津南町の見玉地域にあり、すぐ近くには見玉不動尊がある。天台宗のお寺で1186年に不動明王がここに安置されたのが始まりとされている。

 せっかくだから、見玉不動尊によってみた。

山門を抜けると本堂へ行くための石段が続く。

途中に延命水。七段の滝から落ちてきている水だ。

七段の滝が素晴らしい。ここだけヒヤッとする空気。この滝を登りたくなるけれど、聖なる場所だから遠慮します。

 70段の石段を登り詰めると本堂。本堂内には五大明王が安置されている。

 五大明王は、中央守護神として不動明王、北方守護神が金剛夜叉明王、南方守護神が軍荼利明王、東方守護神が降三世明王、西方守護神が大威徳明王(騎牛像)と説明版があった。

本堂を正面から。

本堂に安置されている五大明王の中央守護神である不動明王。

左に北方守護神の金剛夜叉明王 、その右に西方守護神の大威徳明王。

左に南方守護神の軍荼利明王、その右に東方守護神の降三世明王。

本堂の側からも水が落ちていた。

 本堂の側には十二支守本尊として仏様が安置されている。一生の守護神であるらしい。

子年の人は千手観音菩薩、丑・寅年の人は虚空蔵菩薩。

卯年の人は文殊菩薩、辰・巳年の人は普賢菩薩。

午年の人は勢至菩薩、未・申年の人は大日如来。

酉年の人は不動明王、戌・亥年の人は阿弥陀如来。

 偶然に行った見玉不動尊だったが、素晴らしい霊性な空気に触れ、戸隠33窟にさらなる思いが深る。

 本日のもう一つの目的は、信濃川火焔街道を通って火焔型土器を見に行くこと。2度目の十日町博物館に行った。

 十日町博物館は非常に面白い。手で触れる土器もあり、また土器の詳しい説明書きを見ながら手で触って確認できるのも楽しい。

何度見ても惹かれてしまう火焔型土器。

夏季企画展で展示されていた笹山遺跡出土品の国宝指定の火焔型土器(深鉢型)。

火焔型土器の説明書きを見ながら各部を確認。

信濃川火焔街道西ルート上のモニュメント。

 火焔型土器には出合ってからまだまだ浅い。でも都度自分の中に何かが弾けて積み重なっていくものがある。長い縄文時代に人間が営んだロマンがあって、そのほんの少しを触れることができ、何かが深まっていく。

 今度は信濃川火焔街道の東ルートにも足を運んでみたい。