角間川遡行~角間峠~湯ノ丸山~烏帽子岳

 今年初のテント山行は、少し前から通い続けている角間渓谷にした。角間川を遡行し角間峠に出て、そこからは一般道で湯ノ丸山経由の烏帽子岳まで。烏帽子岳からはバリルートで角間へ下るルートをたどることにした。

 テント時間を楽しむこと、昨年は沢に一度も入らなかったので、今シーズンは早くに沢を楽しむこと、バリルートを楽しむことの3点セットを計画したというわけ。

2024年5月4日~5日 ルート図

5月4日

 初日は、角間川の2つ目の二俣をテン場にすることにしていた。前回の山行きで目星をつけていたところである。そこまではスタートしてから2時間ぐらいで行けるので、岩屋観音堂や猿飛岩を歩いてみた。

 岩屋観音までは220段の石段を登ってく。アップにちょうどいいわ。

手すりの付いた石段を上り詰めると大きな窟があった。

その窟の中に鎮座しているお地蔵様。

岩屋観音堂の中。

猿飛岩。真田十勇士の一人の猿飛佐助が技の修得に勤んだ岩と伝えられている。

 駐車場所に戻ってスタート。最初から沢靴を履いていく。20キロぐらいの荷物を背負っているから角間川の遡行もザブザブと水の中に入っていくほうが気が楽。飛び石は無理。

 右岸に渡ったり左岸に渡ったりしながら進んでいく。2度目のコースだから様子が分かっていて気が楽だ。

 角間川からは少し離れるところもある。そうすると春の花も楽しめる。

キケマン

ニリンソウ

ハルリンドウ

 重い荷物を背負いながら2時間かかって目的のテン場の到着した。角間川の2つ目の二俣だ。

早速テントの設営。

前回ここに目星をつけてから1週間たっていないのに、緑が濃くなっていた。気持ちのいい空間がテン場で嬉しい。

 角間川本流の水は赤い。飲水は無理。。この二俣の右俣の水は澄んでいて飲水は可能だと思う。時間がたっぷりあるので、明日のために奥の二俣まで偵察に行くことにした。

角間川の本流を遡行していく。

水量は多くないが水の色が・・・。時々硫黄のにおいもした。

ワチガイソウ

 定番の焚火を楽しむ。アルコールもたくさん持ってきたし、時間はたくさんあるし、満天の星空だし、水の音と薪が燃えるパチパチの音がけが聞こえる。

静かな時間が過ぎていく至福の時だ。

5月5日

 朝4時過ぎから行動開始。しっかりと朝食をとり予定通り6時に出発した。奥の二俣までは、昨日確認しておいたから気が楽だ。

 角間川の中を歩くのも気持ちいい。朝は気温が低く、川に足を入れると冷たさでジリジリしてくる。20分ほどで奥の二俣に到着した。藪沢に見えるが、それぞれ水がしっかりと流れている。

この二俣を左俣に入るのだ。

 久しぶりの沢登りにワクワク感一杯。ふと上を見上げたら、目的の稜線が遠くに見えた。中央の一番奥まで登り上げるのだ。

あそこが角間峠。

2段の滝。結構フリクションが効いて楽しく登れる。

出てきました。うわさに聞く(?)ナメ滝。行けるか!

 昔は角間川に沿って登山道があったらしいが、崩壊して今は廃道になりどこが道であったのか分からない。ただかつての登山道の一部が崩落したところがあるとのことだった。

 多分ここが崩落地。まだ雪が残っていたが、上から少しずる落ちてくる土などで覆われていた。崩落し続けているんだ。見上げたら大岩が今にも落ちてきそうな危険を感じる場所。急いで通過した。

土に覆われた雪。

ガンガン沢を登って水もなくなり、笹薮が出てきた。あの岩が見えだすと標高差90m位で峠に飛び出すはず。

岩の基部まで行ってみた。

激薮になっている笹を漕いで角間峠に飛び出した。スタートしてから2時間弱。楽しんだわ。

湯ノ丸山に向かって歩いていく途中、稜線に出たら素晴らしい風景が広がった。

三角点があった。点名・湯ノ丸山。

 烏帽子岳が遠くに。烏帽子岳到着予定は12:00とみている。烏帽子岳からバリルートでテン場まで3時間ぐらいはかかるだろうから。ここから1.5時間で行けるだろうか。

烏帽子岳。その後ろには北アルプス。

十数年ぶりに立った湯ノ丸山。当時を思い出すなあ~。

 湯ノ丸山ではゆっくりしていられない。すぐに烏帽子岳に向かう。

 湯ノ丸山からは、地図上では読み込めなかった急降下が約20分続いた。地蔵峠からの登山道と一緒になるところからは、緩やかな登りになる。

子烏帽子岳が見えてきた。

湯ノ丸山。あの山頂からここまで来たわ。なにせ烏帽子岳からのバリルートにかかるだろう時間が気になって、焦ってここまで来たが、烏帽子岳までもう一息。

子烏帽子岳に到着。もう一息。

子烏帽子岳からの烏帽子岳。最後の登り。

 烏帽子岳に到着した。時間は12時ジャスト。予定通り頑張ったけれど、ここで気を抜いては行けない。

烏帽子岳は湯ノ丸山と同様人気の山だから、たくさんの登山者がいた。

 烏帽子岳で一息を入れる。持ってきたビールがおいしい。

 これから下山する方面を見ると、真田の山に入山するきっかけになった達磨山が確認できて嬉しい。また前回行った霧隠し峰も。そして下山ルートに使う1766mピークも。

山を特定できるのいいわ。

 30分ほど休んで、テン場に向かって下山開始。途中からささやぶを漕いで1766ピークを踏んで沢に降り立った。

 あとは沢に沿ってテン場に戻るようになる。

ミツバオオレン

エンゴサク

ヒトリシズカ

 楽しいバリルートの山はお終い。テン場には2.5時間ぐらいで戻った。

 テントを撤収して駐車場所まで、最後の沢を楽しみながら戻った。沢の遡行とバリルートの組み合わせで充実した山時間を持てたことに感謝。