野麦峠の南に座する鎌ヶ峰の存在を知ったのも、尊敬する南川金一氏の著書である「山頂渉猟」からであった。
どのルートどりをしようかと考えた結果、赤田沢に沿って尾根を登り稜線上の1974mピークを目指すコースとした。1600mぐらいまでは雪が消えていて笹藪を漕いでいく。まだ笹に勢いが弱いから助かったが、背丈以上の笹藪も。
標高点1794mを踏んで、南西に延びている尾根を登って行く。間もなく1974mピークのある稜線に出た。ここまでは順調である。稜線はここから西に向かっている。大きく下降して最後の登りに取り掛かった。この部分が核心であった。地図では読み切ることができない急登があり、四つん這いで登り上げる個所もあり、足を滑らせ5mほど滑落し木にぶつかって止まるという緊張も強いられた。しかしこの斜面を登っているときに見えた槍ヶ岳や穂高岳、御嶽山の姿に力づけられた。山に呼ばれている感じかな。
2121.1mの山頂は、南川氏の記述の通り針葉樹に囲まれ、樹林の間から乗鞍岳の姿がかろうじて確認できるだけである。南川氏もちょうどこの時季に山頂に立っている。24年前ではある。同じ時季に同じ場所に立てたことは感動だ。
下山ルートは、もちろん登りとは違うルートどりをする。今年初の沢下り(?)で林道に出ることができた。
2022年4月17日 ルート図
スタート地点の空。予報は曇りだったが晴れてくれた。
このくらいの笹なら歩きやすいが、背丈以上のところもあった。
1600mを越えると残雪。アイゼンをつけ快適に登って行く。
1794mピーク手前で乗鞍岳が見えた。
1794mピークの空
稜線に出て最後の登りに取り掛かっている最中に見えた穂高連峰と手前に霞沢岳
一瞬富士山かと思った御嶽山
滑落した核心部を抜けて山頂目指し登って行く尾根。もうすぐだ。
間もなく山頂。
山頂にていつもの儀式。向こうに乗鞍岳の姿がやっと確認できる。
山頂からの乗鞍岳
下山は途中から沢筋に入った。今年初の沢下り(?)か。この水おいしかった。
この沢筋を下ったら林道に飛び出した。今回も面白いルートだった。