大笹沢山~点名・孫岩

 久々の木曽山脈に入山。尊敬する南川金一氏の著書「山頂渉猟」に載っている大笹沢山である。南川氏は、季節や天候の状況で3回目に登頂している。しっかりと南川氏の記録をもとに研究し、雪の多かった今年の残雪期に登るのがいいだろうと思っていたのにもかかわらず、4月になってしまった。南川氏は1999年4月12日に登頂している。23年前とは気候が違っているから雪の状態はどうだろうか・・・?でも南川氏と同じ時季に同じ山に向かうことはワクワクである。

 南川氏は藪原スキー場から奥峰と経由して北に延びる稜線を登って大笹沢山のピークに立っている。

 地図と南川氏の記録から、私は藪原スキー場の奥から延びる林道を一部利用して適当なところから尾根に取り付き三角点の点名・大笹沢を目指すことにした。奥峰のピークは踏まない。

 藪原スキー場の奥の林道のゲートがあるところで駐車してスタート。途中から林道にも雪が出てきた。スノーシューを装着し尾根に取り付く。結構急斜面である。約1.5時間で奥峰から続く稜線に乗っかった。気持ちのいい稜線歩きである。

 15分ぐらいで点名・大笹沢に到着した。木曽駒ヶ岳、将棋頭山、大棚入山がよく見える。経ヶ岳や黒沢山も。残念なことに南アルプスは霞んでしまっていた。いつもの儀式をして先に少し進むと、御嶽山が立派な姿を現してくれた。

 何回か木々の間から御嶽山を楽しみながら目的の大笹沢山に到着。スタートしてから4.5時間。山頂は樹林帯で眺望がなかった。

 さあ~楽しいビールタイム。南川氏と同じ時季にこのピークに立てた喜びをかみしめながら静かな時間を過ごす。 

 下山はどうしようか・・・。同じルートをだどってもつまらない。地図で確認すると、1595.8mの三角点がある。その三角点を経由して下山することにした。

 登ってきたルートから、途中北東に分かれる尾根に乗る。途中林道を横切って4時間。点名・孫岩に着いた。三角点の標柱は雪の下。GPSで確認して、一気に奥峰沢を目指して下った。

 最後の核心部は、奥峰沢の渡渉だった。

2022年4月9日 ルート図

藪原スキー場奥の林道でゲート前に駐車した。ここからスタート。

残雪の林道を進んで行く。正面の尾根に取り付き、奥の稜線に出る予定。奥の稜線のさらに右(見えない)が点名・大笹沢。

尾根に取り付いて急斜面を登って行く。

奥峰から続く稜線に出た。中央アルプス。

正面に経ヶ岳とその左に黒沢岳

大棚入山や水沢山も確認。

槍ヶ岳も見えた!

鉢盛山とその左に小鉢盛山

間もなく点名・大笹沢。余裕で登って行く。

2002.2mの三角点に到着。点名・大笹沢。雪の下なのでGPSで確認。いつもの儀式。

点名・大笹沢からの経ヶ岳と黒沢山。

三角点から少し先に進んだら、御嶽山が姿を現してくれた。

大笹沢山最後の登り手前で乗鞍岳が出現。

気持ちのいい稜線が続く。あの藪の中が大笹沢山。

山頂直下からの御嶽山。大きいんだわ。

大笹沢山に到着した。スタートしたから約4.5時間。比較的楽に登れた。天気が良かったせいだと・・・。

いつもの儀式。

南川氏に倣って、最北端まで。そうしたら乗鞍岳が見えた。

三角点の点名・孫岩に向かって下山途中、横切った林道から振り返ると大笹沢山が。

大笹沢山山頂から4時間。点名・孫岩でいつもの儀式。ここに来る人はいないだろうな。

本日最後の核心部は、奥峰沢の渡渉でした。