雨降山と名のついた山は全国にいくつもある。
今、川上村の山に凝っている私は、この地域にある雨降山が気になってrならない。南川金一氏の著書「山頂渉猟」にも掲載されているので尚更だ。行くしかない。
大弛峠までの川上牧丘林道は通行止め。車で行けるところまで、そこから先は歩く予定で出発した。
林道歩きは30分ぐらい。尾根にとりつく分岐まで来た。この分岐は、ゴノ沢が東股沢に流れこんでいる地点である。後でわかったことだが、南川氏はこの地点よりかなり手前で東股沢を徒渉し沢筋から谷を登っている。
地図であらかじめ決めておいた地点で尾根にとりつく。スタートから結構急登。間伐された木が放置されており、乗り越えるのにも苦労する。やがて間伐材から風倒木地帯に入った。後ろを振り返ると、いつの間にかガスが切れ、以前から気になっていた朝日岳の北尾根上にある兜岩がくっきりと見えた。わぁ~い!思わず声が出る。青い空に霧氷で白くなった木の枝が美しい。気持ちが清々してくる。ここでしか味わえない気分だ。
さらに上へ上へと登っていくと、地図上にはない岩稜が現れた。さあ~ここをどうするか。大きく巻くのか?思い切ってこの岩を登り上げてみよう。フリーで体感5.3ぐらい。
思い切って乗り上げた岩の上では、素晴らしい眺望が待っていた。この日の山で周辺の山が一番よく見えた場所である。巻いていたらこの景色には出合わなかっただろう。感激!感動!
雨降山山頂直下はシャクナゲの激藪。残雪もあったりで少し苦労する。それでもスタートしてから3.5時間ぐらいで山頂に到着した。
山頂も雪で覆われ、周辺はシャクナゲで囲まれていた。三角点は設置されていない。標高2156m。眺望はほとんどなかった。南川氏が登頂したのは1994年1月なので、まだシャクナゲも小さかったのだろう。南川氏は素晴らしい眺めを堪能し、更には北峰まで足を運んでいる。
私は雨降山の山頂に立ち、空を見上げ、そしていつもの儀式をして下山に取り掛かった。ところどころにある大岩を乗り越えていくだけに楽しい山歩きだった。
林道分岐。この左はゴノ沢でゴノ沢の右岸の林道を少し進み尾根に取り付く予定。
地図にない大岩が現れた。ここを登り上げる。フリーで体感5.3ぐらい。
ゴノ沢から川上牧丘林道へ戻る。この林道から見えた岩稜。すごい迫力だ。