黒沢山と名のついた山はたくさんある。
今回挑戦したのは松本市梓川と安曇野市三郷の境界にある黒沢山(2051.3m)だ。今年2月に黒沢山の南に座する天狗岩から挑戦したが、時間切れで泣く泣く引き返している。なんとその時に右ひざを痛め、今も治療しながら山登りをしているという、私にとってはいわくつきの山である。
黒沢山にこだわるのは、ルートがなく標高も2000mを超えているから。尊敬する南川金一氏は、1993年3月に登頂している。
今回考えたルートは金比良山から西に延びる尾根を詰めて黒沢山の山頂に立つルートだ。残雪期なら簡単だろうが、あえてこの時季に登ってみたかった。台風一過でいい天気のはずであったが、予報に反して曇天とガス。登山道がなく昨日の雨でぬれた笹藪を漕いでいくから、最初から雨具をつけてスタートした。
金比良山までは登山道があるようなないような・・。それでもなんとなく道型をたどりながら中塔城を過ぎ、ガンガン進んで行く。
やがて笹藪が出てきた。1500mを超えるあたりからは背丈以上の笹藪になる。でも先週の思いをすれば、なんてことない!行くしかない。1600mあたりからは熊の食料地帯。たくさんの熊棚と熊棚から落とした枝が散乱していた。熊さん出てこないでね。
複雑な尾根の形をしている。地形図には現れない。残雪期なら迷うことなく尾根を登って行けるだろう。尾根が広くいくつもに分かれているので、どの尾根が主流なのかを見分けるのが大変だ。笹藪で見通しもきかないし。
12:20に黒沢山に到着した。眺望はない。笹藪に囲まれ、三角点を探したが見つからなかった。
登りに約6時間要している。下りは4時間はかかるだろう。しっかりとビールタイムを過ごして13:00に下山開始。ギリギリ暗くなる前に駐車場所に戻ることができた。
ルーファイの難しい山であった・・・が感想。
地図では金比良山まで登山道がついているが途中から道が不明瞭になる。
1600mを超えると熊の餌の宝庫地帯。熊棚から落とした枝が散乱している。