木曽路を走っていると見える中央アルプスの前衛峰。その前衛峰の一つに糸瀬山がある。大桑村にある山で、昭文社の地図には登山道がなくのろし岩となっている。
こののろし岩には梯子と鎖がかかっていて、ピークまで登ることができ中央アルプスが一望できるらしい・・・ということを知った。地図上は登山道がないがしっかりと道が整備されてるとのこと。ならば、その先の三角点の善棚まで行ってみることにした。
糸瀬山の登山口からスタートして約2時間で山頂に到着した。
登山道がある山って本当に楽。山頂直下では、中央アルプスがよく見え、特に冠雪した空木岳が素晴らしい。かつて歩いた山々をしばし眺めた。山頂へ急ぐ。見晴台を経由して三角点のある山頂へ。見晴台も山頂も眺望はなし。そこから100mぐらい北のところにのろし岩があった。途中で一緒になった登山者とのろし岩を見上げる。う~ん、あのピークに立てるか?
お先にどうぞと先に登ってもらう。
ザックに入れてきたクライミングシューズに履き替え、いよいよ自分の番。簡単に梯子、鎖をクリアし、ピークに立つことができた。
東には宝剣岳から越百山まで素晴らしい姿を見せてくれた。北から西には、北アルプスと御岳山が。高さ10m以上はあるのろし岩のピークに立ち、しばし自分だけの時間を過ごす。糸瀬山に来たら、こののろし岩に立たなくてはね。私には、クライミングシューズが正解だった。
さあ、先を急ごう。
ここからは道がない。背丈ほどの笹藪に突入。これが楽しいのだ。いつもどおり藪の中を泳ぐように前に進む。ところどころ現れる獣道は有難い。境界尾根に乗っかったら東に方向を変える。此処がちょっと分かりづらかったが、忠実に尾根をたどり、糸瀬山からは約2時間で点名・善棚に到着した。
三角点を探すも、どうしても見つからなかった。倒木や笹の陰になってしまっているのだろう。GPSを頼りに、掘り返しても見たが分からなかったのは残念。三角点が設置されているだろう地点で儀式を行った。
糸瀬山だけでは歩き足りないが、ほとんど人が歩いたことのないこの善棚までくると自己満足100%。
いつかこの先から中八丁峠まで、さらにはキニバ岩を経由して課題となっている蕎麦粒岳までつなげてみたいと思っている。
南川金一氏が熊沢岳から派生する尾根上の三角点「金沢」に立った時の帰りに、正面に糸瀬山を見ながら下っていることを思い出した。