海谷渓谷遡行~阿弥陀山

 海谷渓谷入り口の732高地は、越後の上高地といわれている。
 以前にこの732高地から鬼ヶ面山から駒ヶ岳を縦走している。
 今回はこのコースと対峙する阿弥陀山南峰を目指す予定で計画をした。
 阿弥陀山北峰には2011年6月に登頂しているが、登山道のない山で、藪漕ぎをして頂上に立った時の感動は今でも覚えている。頂上には阿弥陀様がいた。そしてピークから見た阿弥陀山の南峰にいつか立ってみたいと思った。阿弥陀山北峰からは南峰へはいけない。急峻な岩稜で無理。一度残雪期に吉尾平から挑戦しているが雪が切れていて途中で断念。ならば今度は南から狙うか!
 
 初日は732高地でテン泊。昼には732高地に到着してしまったので海谷渓谷を遡行した。

 

2019年8月10日~11日 ルート図

 

海谷山峡パークがスタート地点。ここからは鉢山と阿弥陀山が見える。手前は千丈ヶ岳の大岩壁。

 

732高地へ行く途中のツバクロアブキ。

 

732高地に出ると北にそびえる旗振山。

 

今日のテン場。後が旗振山。

 

赤とんぼが止まっている。悠々とした自分の世界。

 

海谷渓谷を遡行して行く。

 

この暑さなのに雪渓が残っている。びっくりだ。

 

ギボウシの花が咲いていた。

 

海老嵓ノ頭

 

二俣にやってきた。

 

右俣を進む。

 

滝が現れた。ここは難なく通過。

 

ほっと!オニシモツケソウ。

 

5mの滝。ここは左岸を巻く。

 

滝の落ち口。ここで遡行は終了。暑い中気持ちよかったなあ~。

 

ヤマアジサイ

 

ヤマアジサイの中を覗くと不思議な世界。

 

ヤマハギ

 

夕暮れが迫ってきた。水面がキラキラして美しい。

 

これがいいのです。この焚火でモロコシ、ジャガイモを焼いた。餃子やウィンナーも。

 

鋸岳の上に月が。夜は満天の星空で嬉しかった。

 

 2日目の8月11日は、いよいよ目的の阿弥陀山南峰を目指す。
 南峰ピークから南にせり出している尾根に取り付き、尾根を外さずに忠実にたどっていけば阿弥陀山南峰ピークに到着するはず。
 昨日のうちに取り付き地点を確認しておいた。急斜面を登りあげ尾根に乗る。
 ところどころ獣道があり利用したが、やがて激藪を漕いでいくようになった。この暑さ。足元の良く見えない藪漕ぎに必要な腕力。行けるか?
 尾根の分岐には枝を折って目印とした。下山に間違えないように・・・ね。
 途中阿弥陀山北峰と鉢山が見えた。登った時のことを思い出す。それが前に足を出す力となる。
 進め、進め。しかしこの激藪にとうとう力尽きて下山をすることにした。悔しい思いで飲むビール。でもおいしかった。
 登ってきた尾根を忠実に辿る。目印に折ってきた枝を確認しながら。やがて海川の音がだんだん近づいてきて、もう間もなく・・。
 河原に飛び出したときには、ホッとして力が抜けてしまった。

 

早朝の海川。水蒸気が出ている。

 

ここが取り付き地点。目印は大きな木。

 

激藪の中にホソツツジがたくさん咲いていた。

 

リョウブの花も。

 

この激藪がずっと続いていく。

 

突然見通しのいいところに飛び出した。正面北に阿弥陀山北峰。阿弥陀山南峰は前衛峰に遮られていて見えない。あの前衛峰も越えていくのだ。

 

東には鉢山。

 

脆そうなキレットが現れた。下から見た前衛峰だ。

 

キレットの西側はこんな。

 

キレットを越して再び激藪に突入。3時間頑張って力尽きた。後標高差190mだった。