穴沢ノ頭~松峰~地蔵岳

 2000m以上の山はたくさんあるが、まだ登っていない登山道のない山で日帰りできる山が少なくなってきた。
  以前から気になっていた山。仙丈ヶ岳へ登るルートの一つに西尾根、つまり地蔵尾根ルートがある。その途中に稜線から外れているピークで、穴沢ノ頭(1983.5m)松峰(2080m)地蔵岳(2370.7m)が座しており、いつか・・という機会を狙っていた。
  尊敬する南川金一氏は「冬の仙丈岳に西尾根から登った時の副産物」と「山頂逍遥」に書いている。この本は、私のバイブルとなっている。

 まだ梅雨が明けず天気がはっきりしないが、多少の雨でも登れる山だろうという自己解釈により、早朝に家を飛び出した。
 仙丈ヶ岳だけを目指すのなら、道はしっかりしている。途中複雑(?)に林道が走っていたりするが、テープを忠実に拾っていけば道に迷うことない。
 しかし地図とにらめっこをすると、実際には地図に示されているルートと違った道が付けられていて、今自分の歩いているところが分からなくことシバシバ。困ったことに地図にない林道にも惑わされる。林道によって地形が変わってしまっているのだ。
 ルート外の穴沢ノ頭にまず立ちたい。GPSと地図で確認して尾根に取り付いた。倒木が多い。とはいえ思ったより簡単に穴沢ノ頭に立つことができた。
 うっそうと木々に囲まれたところに三角点があった。いつもの儀式を行う。
 稜線を東に進むが、進みすぎると松峰から離れてしまうので、適当なところで南方向へ下った。どんどん南下し、またGPSで位置確認をして適当なところを松峰ピークを目指し登っていく。
 腰の高さまでのシダをかき分け倒木を乗り越え到着したピークには、新しい標識が木にくくりつけられていた。眺望は全くないシラビソに囲まれたピークである。
 さあ~地蔵岳を目指して急ごう。まだ予定の半分だ。
 松峰から適当に南へ下ると林道に出た。登山道は、この林道のはるか下にあるらしい。地形を確認しながら林道と登山道の交わる所を目指して歩いていく。うまく登山道に乗った。
 最終目的は地蔵岳。ここからは登山道を利用して地蔵岳に取り付く基部までガンガン進んだ。約1.5時間、地蔵岳山頂を目指す取り付き地点まで来た。地蔵岳の真北から尾根に取り付く。苔むした稜線に乗っかる。約15分ぐらいで地蔵岳に到着した。
 樹林の中で眺望なし。
 少し西の方へ行ってみたら正面に中央アルプスがデ~ンとかまえていた。

 

2019年7月20日 ルート図

 

登山道に入ってすぐに「孝行猿」の遺跡。「オヤザル ガ ウタレマシタ。コザル ガ タスケヨウ ト オモッテ クチ デ テ ヲ アブッテ オヤザル ノ キズグチ ヲ アタタメテ イマス。」
明治・大正・昭和にわたり、小学校の「修身書」の教材として採用され、全国の子供たちに深い感銘を与えたとのこと。(伊那市文化財)

 

ギンリョウソウが咲いていた。

 

クリンソウも。

 

穴沢ノ頭の三角点(1983.5m)。旺文社の地図には1983.2となっている。

 

いつもの儀式。この尾根伝いに進みすぎてしまうと松峰に行けないので注意。

 

腰の高さまであるシダをかき分けて松峰を目指す。

 

松峰ピーク。ここには三角点はない。新しい表示板があった。その上にいつもの儀式。

 

松峰から地蔵岳へ向かう途中みえた仙丈ヶ岳。

 

そして目指す地蔵岳。

 

地蔵尾根は樹林帯の中で眺望がないが、唯一途中で見えた中央アルプス。

 

地蔵岳目指して北の尾根に乗っかる。苔むしている。

 

約15分ぐらいで山頂に到着した。

 

中央アルプス北部。全部登っている。

 

中央アルプス。全部登っている。

 

中央アルプス南部。南越百山~安平路山の間が抜けている。いつかつなげたい。

 

御嶽山

 

雨に濡れて咲いていたゴゼンタチバナ。

 

下山途中に松峰小屋によってみることにした。登山道から100m下る。

 

松峰小屋。南川金一氏は、冬の仙丈岳に登る際にこの小屋に泊まって地蔵岳をピストンしている。だから来てみたかった。

 

ツルアジサイが一杯。

 

下山中に見えた中央アルプス(空木岳が中央)と、その手前に戸倉山。