石川県から紀代美さんがやってきた。長野の藪山を登りたいとやってきた。どこにしようか・・・。ここのところ朝日村の山にハマっていて、ならば烏帽子岳の南東の鍋冠山からからたきの峰の縦走をしよう!と御馬越の林道ゲートまで車を走らせた。
この日を待っていたかのように素晴らしい天気。
2~3に前に降雪があったからワカンは必須。ザックにワカンをくくりつけてスタートした。南川金一氏の「続 山頂渉猟」を参考に斜面に取り付く。急登から始まるが、尾根に出てしまうとそれほどではない。1600m超えたあたりからは、ワカンが必要になった。
今日は3人パーティー。
順番にラッセルをするが、多くは紀代美さんが先頭を切ってくれた。気が付いたら烏帽子岳は目の高さに。元気が出る。
1800mあたりでは、絵になるような光景が待っていた。木の枝の張り付いた霧氷が氷になってキラキラしている。ここからあと標高差100mで稜線に出る。
快適な登りが続き、飛び出した稜線上の1901m地点では、烏帽子岳の後ろに槍の穂先と穂高連峰が雄大だった。
鍋冠を目指して先に進む。稜線上の歩行は楽だ。2つほどのアップダウンがあって鍋冠山頂に到着した。地図上には「鍋冠」と表記されていない。しかしここでも素晴らしい眺望が待っていてくれた。八ヶ岳、南アルプス、経ヶ岳から仏谷と自分がすでに登っている山々が輝いている。
いつもの儀式を、今日は紀代美さんと行ってランチタイム。紀代美さんのランチビールは500㎖2缶だった。や~、実に楽しい!しばらくおしゃべりをして・・、さあ~からたきの峯を目指して出発だ。
忠実に稜線をたどっていく。すると、また素晴らしい空間が広がり、中央アルプスが堂々とした姿で現れた。将棋頭山、茶臼岳、その手前に大棚入山と樽ヶ沢山。みんな登っている!振り返れば、木曽御嶽山が噴煙を出している。ウキウキしながらも厳粛な気持ちにもなる。
大きなピークを2つ越して、からたきの峯に到着した。
ここからも八ヶ岳や南アルプスを眺むことができた。紀代美さんと儀式を行った後、下山に取り掛かる。地図とにらめっこしながら北に延びる尾根の1763m地点を目指しトラバース気味に移動。そこから一気に中俣沢目指して下降した。急斜面だ。ここが一番の核心部だった。
10時間を超える山行だったが、紀代美さんと一緒に歩けて嬉しかった。
烏帽子岳とその奥に穂高連峰。烏帽子岳の山頂右に、槍の穂先が見える。
素晴らしい空間が広がっていて、素晴らしい眺望が続く。甲斐駒ヶ岳、仙丈岳、北岳。