ジョウクヴァ

 2019年1月3日

 リヴィウから北へ約35キロのところにあるジョウクヴァという町へ行った。ここへは個人では難しく、やっとガイドを探して半日ツアーをお願いした。
 ジョウクヴァへ行く旅行者は少ないという。
 この町にはたくさんの教会があり、その近くにはクラヒフ修道院があることを偶然に知った。知ってしまったら行きたくなってしまった。公共交通機関の利用では難しく、レンタカーは絶対に無理。
 ということで、いいガイドとドライバーが見つかり案内をしてもらった。
 ガイドはポールさん、ドライバーはアンドリューさんで二人とも英語がOK。 
 楽しい1日だった。

 ジョウクヴァには木造の教会が点在している。

 聖三位一体教会。1720年に創建されユネスコ文化遺産になっている。

 

 教会敷地の入り口にあったベルタワー。

 

 教会の入り口壁には十字架が掛けられていた。

 

 礼拝堂に入ると、そこは静謐な世界。

 

 天井ドームもすべて木で造られている。

 

 ウクライナ・カトリック教会である。
 正面の扉を「王の門」といい、聖職者だけがその門の奥に入ることができる。ロシア正教と一緒だ。

 

 次は、ジョウクヴァ城。この地域の領主が建てた城である。

 

 城と城に住む人たちのための鍛冶場。

 

 当時の水道管は木でできていて、木の中にパイプが通っている。

 

 ジョウクヴァ城の隣にある市庁舎と時計台。ならば時計台に登らなきゃ!

 

 時計台の四方に大きな時計が取り付けられている。

 

 時計台からジョウクヴァの町が一望できる。市庁舎のすぐ近くにある聖ローレンス教会。

 

 聖ローレンス教会の鐘楼。

 

 聖ローレンス教会の隣のバシリカン教会。

 

 ジョウクヴァのセントラルスクウェア。

 

 聖ローレンス教会には鍵がかかっていて入れなかった。ウクライナ・カトリック教会。

 

 バシリア教会へも行ったが、ここも鍵がかかっていては入れなかった。並んでいるのに、ここもウクライナ・カトリック教会。ここで教会音楽のCDをゲットできたのはラッキー。

 

 18世紀に創建された聖母マリアご生誕教会。ここも木造教会だが、1900年代に屋根を金属で修復したためにユネスコ文化遺産には登録されなかった。

 

 教会敷地内に墓地があった。落ち着く。

 

 ジョウクヴァから南西に約20キロ。ヤボリフスキ国立自然公園の入り口に修道院がある。
 この門をくぐるとクレァヒフ修道院の敷地に入る。

 

 ソ連から独立後、教会を自由に建てることができるようになってから造られた木造の教会。手触りも新しい。

 

 17世紀に創建されたクレァヒフ修道院の教会。ウクライナ・カトリック教会。

 

 祭壇。男子修道院で、随時ミサが捧げられている。

 

 礼拝堂を振り返ると・・・。

 

 ドームも素晴らしい。

 

 クレァヒフ修道院の全景。

 

 クレァヒフ修道院から2キロ先のところに、修道士たちが祈った洞窟がある。雪の中、その洞窟を目指してヤボリフスキ森林の中を進んだ。

 

 冬は誰も行かない場所らしいが、どうしても行きたくて雪の斜面をどんどん登った。
 「神が見ておられるから、悪行は捨て善行に励みなさい」という意味を込めて設置されているマリア像があった。

 

 雪は降ったり止んだり。動物の足跡だけがあるところを進んでいった。そしてやっと現れたのが祈りの洞窟。
 中に入って、ここで祈り続けた修道士のことを思う。

 

 しばし時を過ごし、来た道を戻った。
 凄く嬉しかったのは、ポールさんが私たちの意思を尊重して洞窟まで案内してくれたこと。日本だったら、「絶対危ない場所だし雪も降っているから案内はできない」だっただろう。そのことをポールさんに話したら、「やりたいと希望したことを手助けするのが私の仕事だから、やりたいといった人が自分で判断し自分で責任を取るのが大人として当然なことだと思っている。」といった。
 素晴らしい!
 日本では自分に責任が及ばないようにとばかり考えて、初めから何もさせてくれないことが普通である。
 「責任」と「人権」という概念が、わが国では残念なことにまだ極めて未熟であると言わざるを得ない。
 ヨーロッパ各地を旅していて、いつもこのことを感じる。

 

 車で約1時間、リヴィウに戻った。
 4時過ぎなのに暗くなり、再度ルィノク広場に行ってみた。

 若い人たちでいっぱいだった。