自己満足のために登る山。松尾山は乙妻山の北西に座し、堂津岳の北に向かう稜線上の山である。
知る人は少ないと思う。目に留める人はもっと少ないと思う。廃道になった登山道がところどころに現れ、藪漕ぎのすごさに途中で断念する人も多いだろう。1年にこの山のピークを踏む人は何人か?
ましてやこの山は残雪期に登る山であろうに、この時季に登る人は希であろう。
だから自己満足の世界。
あえてこの時季に苦労して登ってみたかった。天気予報はどこも雨マーク。不思議なことに火打山周辺だけは晴れだった。
ならば行くしかない。
以前から温めていた松尾山に登るときがやってきたのだ。
ゆっくりと半日登山だった。
廃道化した道がところどころでもあるのは有難かった、しかし突然に道は消え藪漕ぎを強いられたのも楽しかった。
山頂は眺望無。誰かが置いていったプレートが残されていた。
眺望無の山に登る人は物好き!
やっぱり残雪期に来るべき山なのかもしれないが、私にとっては誰にも会うことなく静かな山の時間を過ごせて嬉しかった。
下山したらアサギマダラが出迎えてくれた。