中央アルプスの沢の次は富山の沢。片貝川東又谷を遡行した。
この東又谷には三階棚滝があり、この滝までは遡行するパーティーはいる。私は東又谷を詰めて滝倉山か平杭乗越か毛勝山のピークを踏みたかった。ゆっくりと2日間の東又谷の遡行を計画した。
東又谷本流は片貝川で最も大きな谷である。
片貝川山荘を過ぎて車道のドンつまりが駐車場所。2年前にはここから僧ヶ岳と駒ヶ岳を縦走している。
入渓地点は取水口を通過し堰堤を越えたところ。楽しく遡行が始まった。
約3時間弱で三階棚滝に到着。直登を期待していたが水量が多く取り付けない。仕方ないので左岸を高巻きした。フィックスロープがあり、三階棚滝の落ち口には簡単に出ることが出来た。
やがて二俣。作之丞谷を右岸に見送り小清水沢を過ぎるとやがて谷が扇状に開けた。
ここでいいテン場を見つけた。多分これから先にはテン場はないだろう。沢での一夜の場所を決定。イワナはいなかったけれど、焚火をしてビールにワインにと酔いしれた。
静かに夜は更けていく。
翌朝もよく晴れた。
ここから東又谷本谷は大清水と呼ばれるらしい。大きく右にカーブをしいよいよ毛勝山を目指して沢を詰めていく。
二俣を左俣に進む。トポ図によると、「左俣は涸れ滝の連続となり階段状に高度を上げる。快適に登る。」とあったが、実際にはかなりの登攀技術を要した。
空身で登り荷物を引き上げること3回。それでもノーロープですべてを登攀することが出来た。
その後の草付は藪漕ぎもあって大変だった。
稜線に飛び出した時は嬉しかった。2年前に踏んだ毛勝山のピークが見えたときには緊張と疲労の限界に達していた。でも、東又本谷を詰めて毛勝山のピークを再び踏めた喜びは大きい。
ここまで持ち上げたビールで自己満足に浸る。
山頂から4時間の下山にはヘロヘロになりながらも、無事に駐車場所にたどり着けたことに感謝。
充実した2日間だった。
やってきました。三階棚滝。水量が多くて近づけない。残念、左岸より大きく高巻く。
三階棚滝の落ち口。三階にあたるところは、きれいなナメだった。
大雪渓が出てきた。怖くて雪渓の上は歩けないので、右岸の草付を登った。
二俣を左俣へ入る。快適に高度を挙げながら登れるはずであったが、かなりのクライミング技術を要した。こうした垂癖も、岩の弱点を突いて正面突破。ただし荷物は引き上げた。
やがて藪漕ぎをして稜線に飛び出した。イワイチョウが咲いていた。
毛勝山の山頂。もう誰もいない。テン場から6時間かかった。疲れた。