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2014年 6月5日
200年以上続く旧家のMさんが事務所に相談に来た。相続対策と生前贈与に関してである。
婚姻期間20年以上の配偶者に対する居住用不動産の贈与を行いたいというのである。こうした特例があると、納税者は、この特例を受けないと損するような気になってしまう。
Mさんも同様であった。
知人がこの特例を受けて、妻に居住用不動産を贈与した。娘にもこの特例を適用したら、といわれた。
Mさんは、自分の年齢からして、早くこの特例を適用しなけでばと気持ちが焦っていた。
しかしである。
私が講師をしたセミナーで「婚姻期間20年以上の配偶者に対する居住用不動産の贈与の特例は、その人の全体の状況から判断して、適用の可否を決定すること」と説明した一言がMさんの中に残っていて相談に来たのだ。立派、立派!ちゃんと私の話を聞いていてくれた。
1時間ぐらいのことであったが、Mさんが家族にも話をしていないことを話してくれた。いろんなこと。
そして自分の祖父が亡くなった後に発見した祖父手書きの備忘録のことも。この備忘録があったからこそ、200年以上続いてきたM家のことが分かったという。
これから自分の人生の時間の一部を使って、Mさん自身の備忘録を作っていきたいとのことだった。今でいうエンディングノートだ。
Mさんの子供たち2人は、いずれも県外に生活している。
そんなこともあって、Mさんに何かあった時は、すべてを私に任せたい旨を書き残したいので了承してほしい旨の申し出があった。
「安心していてください」の一言に、Mさんの表情は和らいでいた。
Mさんから信頼をしてもらった私も嬉しかった。
飯綱山のベニバナイチヤクソウ
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04:58, Thursday, Jun 05, 2014 ¦ 固定リンク
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