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2016年 7月28日
75歳になるKさんが相談に来た。
息子のために住宅資金の贈与をしたいそうだ。この内容は簡単明瞭。いろいろな注意事項などを話しして、具体的に順序立てての贈与の方法を指示させてもらった。30分ぐらい。
その後の1.5時間はKさんの歩んできた人生の時間だった。
Kさんは若いころに夫を亡くした。子供たち二人は未成年。実家に戻り、両親との生活が始まった。
まもなくKさんは乳がんを発症。手術をして闘病生活が始まる。後になって知ったことだが、その時にドクターから16さんの長男にはかなりがんが進行していることを知らされたが、長男は一人でそのことを抱えていたそうだ。
Kさんはいう。「どんなに辛かったことか。」
今では再発することなくすごく元気。ただ年齢に伴う故障は多少ある。
Kさんには102歳になる父親がいる。母親は何年か前に亡くなったが、自宅で最後まで介護をし看取った。
102歳の父親も半年前までは自宅介護をしてきた。脳梗塞になり、今は保険外でのショートステイを利用している。毎日父親の顔を見に行き、話しかけ、食事の介助もしているそうだ。
父親が自宅にいたときには、隣で寝て、父親が起きるたびにKさんも起きて父親の介護をした。「その時のことを思うとここ半年は、夜だけでもぐっすり眠ることが出来るようになったので楽なのよ」という。
KさんにはKさんの人生がある。自分の病のこともあったが、家族のための人生を歩んできた。
そんなKさんはとても明るい。「明るくしているのよ」
Kさんは歩んできた人生の話とともに、ここには書けない抱いてきた誰にも話していなかった想いを更に話してくれた。
歳を重ねるっていいこともある。Kさんの想いをきちんと受け止めることが出来る年代に自分もなったのだ。
税理士の仕事も税金を計算するだけではないってこと。その人の税金の計算は、その人の人生に関わることでもあるのだ。
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05:30, Thursday, Jul 28, 2016 ¦ 固定リンク
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