みんな自分の立ち位置をしっかりと自覚して、毎晩遅くまで仕事に取り組んでいてくれる。
2月に入ってからは、そのような毎日が続き、疲れているだろうが、誰一人としてカリカリしていないところがすごいと思う。
麻代さんとほんの5分ぐらいだけど会うことができた。
私から声を掛ける前に、まず電話をくれた。心弾みながらスキップで会いに行く。
待っていてくれた部屋に足を踏み入れた途端に、暖かい麻代さんの空間が広がっていた。「はいこれ」と言って差し出してくれたのは、彼女ご自慢のカステラ。
一言二言言葉を交わせば、それでよかったのだけれど、彼女はいつも何故か私の気持ちを知っていて、実にタイミングよく心をほぐしてくれる。
彼女の店のカステラはピカイチだ。私はどこのよりもおいしいと思っている。
帰宅して、麻代さんからのカステラを切り分けた。すごく、すごく嬉しかった。いつも以上に美味しかった。 |