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2015年 7月23日
Mさんは80歳になった女性だ。誰が見てもそんな歳には見えず、周りをぱっと明るくする活動的な女性である。
Mさんと二人で久しぶりに食事をした。
長野市内にある『たち花』である。
ここの店主は、一度来店した客のことを必ず覚えていて、声掛けをしてくれる。私も2度目に食事に行ったときに、その経験をしてビックリした・・・という、料理だけでない心も一流の店である。
『たち花』は店を構えて26年になるという。
Mさんと『たち花』の付き合いも開店日からの26年だそうだ。
店主は「私が若造の時から、私をよく知っていてくれるMさん。」と言っていた。だからMさんの好みもよく知っていて、とてもいい料理を出してくれた。
スペインから帰国したその足でMさんの夫がこの店にやって来た。
家族もやってきて、みんなでカウンターに座っての食事をワイワイと楽しくやって・・・・。Mさんの夫は、その4日後に急死されたそうだ。
家族全員での食事は、その時が最後だったそうだ。
Mさんにとってみると、26年間のこの店との付き合いは、人生の何か重要なことに関わっている。夫の急死という心揺れることもあったが、その後も何か記念の時に息子と一緒にカウンターでの食事に来る場所でもある。
特別な人とだけ食事に来るという思い入れのある店だとMさんは言う。
『たち花』の料理を楽しみながら、Mさんとの時間はゆっくりとすぎて行った。
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05:03, Thursday, Jul 23, 2015 ¦ 固定リンク
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