Nさんご夫妻が事務所に相談に見えた。お二人は83歳。子供がいなく、体が思ったように動けなくなった今は、姪に手助けをしてもらっている。
今後の生活と相続の件である。
夫は第一法規に勤めていたそうである。全国を歩いたそうで、特に中国地方から南地域においては、当時多くの税理士と知り合いになったそうである。
わが事務所の書棚にも、第一法規の専門書がたくさん並んでいる。初めてお会いしたNさんだが、以前からの知り合いのような気がした。
そっと寄り添いながら生活している二人の姿にほほえましさがあり、そんな二人を見守っている姪も二人に優しく接している。
Nさんご夫婦の希望をお聞きし、公正証書で遺言書を作成することになった。また将来、判断能力が衰えてきたときには、成年後見制度を利用することもお話した。
姪の協力なくては何もできない。姪は、自分で飲食店を切り盛りし、自分の母親を介護しながらこのN夫妻を見守っているのだ。
Nさんご夫妻や姪の姿を見ていると心温まる。実の子供がいたって、寂しい想いをするケースも結構あるのだから・・・。 |