|
2015年 4月2日
足袋を買いに行った。明日和服を着るのだが、足袋がダメになっていたからだ。
呉服屋さんへ足を運ぶのには勇気がいる。なぜならたくさんの呉服に囲まれたそのコーナーで、呉服や帯に声を掛けられそうで怖いのだ。
「私のことを気に入った?」と呉服からオファーがありそうで・・。
断る勇気があるか!ということ。
案の定、必要な足袋だけを購入して店を立ち去ろうとしたが、ちょっとだけと気持ちが動いて、店にある呉服を見まわし始めてしまった。
店の人が見逃すはずがない。
「いいものがありますよ。」と差し出されたのは帯になる反物であった。
一目見て気に入ってしまった。買う気はないが、そこで1時間ものやり取りをしたのだ。危険だ。だんだんその気になってきたが、ある一言で覚めてしまった。
「今日は店長がいないから、特別価格で提供できますよ。この帯の値段でこちらの着物も付けます。」
「帯だけで一括払いなら○円にしますよ。」と当初の半額の値段が提示された。それでも何十万の世界だ。
「えっ?そんなに安くならなるなら!」
いえいえ私は飛びつかなかった。本当の値段はいくらなの?どんどん安くなってくる帯にはもう気持ちがなくなってしまった。
一気につまらない世界になってしまった。
そこで経過した1時間もばかばかしくなってしまった。しかしそこは大人。
「今日は時間がないから、近々また来ますね。」
店の外まで送ってくれた人に、心の中で「さようなら」を言って私は立ち去ってきた。
今はもうどんな反物だったかも思い出せない。 |
05:26, Thursday, Apr 02, 2015 ¦ 固定リンク
|
|