Mさんが亡くなった。あまりにも早すぎてまだ現実のこととして捉えることができない。
Mさんはクリーニング師としてクリーニング店を長い間営んできた。チェーン店が増える中、Mさんのファンは多く妻と二人三脚で店を運営していた。 何年か前から体調を崩し入退院を時々繰り返していたが、退院すると店に立ってお客さんのために丁寧な仕事を続けていた。 私も大ファンで、季節ごとの衣類をお願いしていた。それだけでなく次のシーズンまで衣類を預かってもらっていた。こうしたサービスで、チェーン店に対抗もしていたのだ。
ある会議で知り合ったクリーニング師もMさんを師匠と呼んでいた。その人もMさんにたくさんの技術を教わったそうだ。
クリーニング界の一つの灯が消えてしまった。 Mさんに技術指導をしてもらった輩は多いだろう。その人たちがMさんの技術を受け継いでいる。 今後Mさんを師匠と仰いでいた人たちが、Mさんの技術を承継していくのだ。 決してチェーン店にはできない技術と心意気がそこには育っているのだ。 |